「孤独の辛さ、人の内面の複雑さを描いた傑作」LOVE LIFE さうすぽー。さんの映画レビュー(感想・評価)
孤独の辛さ、人の内面の複雑さを描いた傑作
「よこがお」や「本気のしるし」を手掛けた深田晃司監督の最新作で、矢野顕子の同名タイトル曲をモチーフに製作。
初めて深田作品を観賞しましたが、非常に良かったです!
木村文乃演じる妙子の家族が、とある"不幸"が起きることで自分の元夫と向き合う事になるのですが...
ぶっちゃけて言うと、妙子も夫も元夫もかなり身勝手で人を振り回す人達で最低です。なのに、何故だか嫌いになれないし妙に納得してしまいました。
序盤の"不幸"の場面も良い意味でしんどく、その後のどこか壊れそうな木村文乃の演技が素晴らしいです。
また、撮影のカメラワークや演出術が本当に素晴らしい!
フランス資本が入ってるからなのか、深田さん自身の手腕でやってるかは解りませんが、見事なショットや技術に終始圧倒されました!
ただ、元夫が持つ聴覚障害者の描写は正直議論の的になりそうな気がします。
ネタバレになりそうなので上手く説明出来ませんが、恐らく劇中の描写に怒る人はいるかもしれません。(聾者の役を実際の聾者の俳優を使う事自体はポジティブに捉えてます。)
主要キャラクターはほぼ全員自分勝手で「共感出来ない!」という人もいるかもしれないので、そこで本作の好き嫌いが分かれる気がします。
しかし個人的には、人間の孤独に対する辛さや繊細さ、人(主に男女)の内面の複雑さを描ききった傑作でした!
コメントする