かがみの孤城のレビュー・感想・評価
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本屋大賞は伊達ではなかった。けれども。
試写会の機会をいただけたので鑑賞。ありがとうございました。
原作は存じ上げませんが、物語としての話の構成や流れは秀逸でした。前半でのフラグ落ちまくり状態、特に時を刻む音、から後半で一気にフラグ回収に流れていく様はスカッとするほど気持ちよかったです。別の言い方をするとそれぞれの状況だったり、細かい表現だったりから先を予測し、それの答え合わせをしていくような。。。
それぞれの事情で学校に行けなくなった中学生たち。イジメだったり、家庭の事情や親のエゴだったり様々でそれぞれの物語がある。それが絡み合ってつながっていく。でも、期限来ると、誰かが願いを叶えるとかがみの孤城での記憶がなくなっていく。現実社会と向き合うか、逃げていくか、などなど、不幸になりそうなよくありそうな事柄を輻輳的に表現し、大団円につなげていくのには感心しました。泣けるほどではなかったですが、最後はほっこりしてスクリーンを後にすることは出来ると思います。ティザーで受けた印象をいい意味で裏切ってくれたんじゃないかなあ。
ですが、残念なところもありました。
・音の入れ方が総じてダメ。特に導入部分の音が結構後を引きます。自分は特に耳が悪いわけではありませんが、聞こえにくいなあと感じました。比較的新しい映画館ですので作品自体の作りでしょう。
・声優でやってほしかったなあ。調べたらオーディオブックもあるようなので聞いて比較してみようかなあ。梶裕貴と高山みなみが突出しすぎ(いや、普段通りの素晴らしい演技ですよ)かなあ。ほかがひどかった。テレビ局が絡むと俳優総動員なんだけど、そこ、なんとかならんですか?朗読会なんですよ。残念ながら。
・人物描写、表現はまあまあというか上手くできているんですけど、風景だったり静物系が遠近感だったり見え方だったりが多少狂っている。上下が逆に見えたり立体感を失っていたり、、、、
絶賛するまではいかないですが、鑑賞する価値のある作品ではありました。
原作も読んでみたくなった
ネタバレせずに感想を書くのは難しそう。
デスゲームっぽい設定でもあるが、ジュブナイルなのかな?過激なシーンなどは少なく、冒険部分のストーリーはさくさく進みつつ、それぞれ悩みを持ち学校にいけなくなった子供たちを丁寧に描いていて好感が持てた。
後半明らかになる設定は面白いが、だいぶ無理がありそうな気もするが、原作も読んでみようかなと思った(さすがにポータブルゲーム機は世代が一発でバレるのでは?)。
本作はある童話がモチーフに使われているが、終盤、あれ?「おおきなかぶ」になった、なんて感じるシーンも。
リバイバル上映の実力十分でした。
以前気になっていた作品で、タイミングが合わなくてスルーしていたのですが、近くの映画館でリバイバルされていたので視聴しました。
感想としては伝えたいメッセージと対象者がハッキリとしている映画です。
ストーリーも視聴中感じる違和感に全て意味があり、状況を推理する様な楽しさがありました。後で知りましたがしっかりと原作がある作品と知り納得です。
作品としてはほぼ満点なのですが、欠点は、わかりやすさと謎が全て説明されるので、複数回視聴には向かないことくらいです。
ですが、これは伝えたいメッセージと対照が明確なことに起因していると思うのでしかたありません。
大人になって振り返ると気づくのですが、今を生きる子供にしっかりと届くと良いですね。
素敵な未来がきっとある。そう思わせてくれる優しい物語。
それぞれ違う時を生きる、同じ中学校に関係した7人の中学生とオオカミさま。現実の世界とかがみの城での出来事が交錯して進む物語が、なんとも優しく心に染みる素晴らしい作品でした。それぞれの理由で学校に行けなくなった子供達へ、今は辛くても、分かり会える仲間や、ちゃんと寄り添い守ってくれる大人もいると言う事。明日は今日より素晴らしい日に成ると言う事をこころ達が教えてくれます。
無理に戦わなくていい。逃げたっていい。だっていつだって自分の心の中で闘っているのだから。色んな経験を積んで、みんな相手を思いやる心を持ち、優しく、そして強く成長出来る。當間あみちゃんのこころ良かったです。そして芦田愛菜ちゃんのオオカミさまも素晴らしい。オオカミさまが自分の姉と分かったリオンのお願いに対して「善処する」と言うセリフが印象的でした。ラストの喜多嶋先生と2年生でこころと同じ中学に来たリオンを見て、ちゃんと善処してくれたんだと思いました。何度でも見返したい映画です。
「かがみの孤城」は本当の一歩を踏み出すための「避難所」
イジメに負けないで!!
中学生になったばかりの安斎こころは同級生の真田さんたちの嫌がらせに遭い
学校へ行けないで不登校になっている。
家に閉じこもっていたある日、家の鏡が光を放ち、吸い込まれるように
中に入るとお城のような建物があり、そこには見知らぬ中学生が6人いた。
そして「オオカミさま」と呼ばれる仮面をかぶった少女が現れ、
城のどこかに隠された鍵を見つけたら、どんな願いでも叶えると言うのだった。
城は四方を海に囲まれた孤島の城。
9時から5時の8時間のいつでも来て5時には帰る決まり。
6人はいずれも不登校の中学生で、こころと同じ「雪科(ゆきしな)第五中学」の
生徒だと名乗る。
考えてみれば「こころ」は不登校でも閉じこもれる「家」と言う
安全地帯があり優しい母親もいる。
ある意味で恵まれた境遇です。
しかし「鏡の孤城」に行き、同じようにイジメに苦しむ仲間を見つけて、
自分ひとりだけではないと気付く。
自分だけイジメから逃れてもそれだけではいけない。
仲間もそして世界も変えていかなければ・・・
そしてその第一歩は「学校へ行き、人生に立ち向かうこと」
長い人生。
社会に出たら、能力が足りない、気が利かない、アイデアが湧かない・・・
などなどの自分個人の力のなさに思い至り、大きな壁を感じることも多い。
だけどイジメは不可抗力で自分に責任はない。
ここが理不尽なのですが、社会に出ればもっともっと大きな理不尽や障害が
待ち構えている。
「かがみの孤城」そして様々の時代に「雪科第五中学の生徒だった
6人の仲間たち。
パラレルワールドは魅力的でしたし、お城も、
そしてオオカミさまにも悲しい秘密もがあった。
そして優しい喜多嶋先生が、ある人だった・・・。
イジメに負けないで、一歩踏み出そう。
自らの手で自信や自由は手に入れるもの。
その上で仲間や困った人を助ける人になろう。
「願い事を叶える鍵は必ず自分の中にある」
そんなメッセージを受け取りました。
面白い‼︎
強くなれる
素敵なクリスマスプレゼントになった作品
美しくて素晴らし内容の映画
原作の良さは出てるのかな?
物語の土台がしっかりとした骨太の映画でした
当初はまったく見る予定の無い映画でした。というのも予告編から受けた印象は子供向けのベタなファンタジーであり、大人が見るべき映画ではないと感じたからです。
しかし予想以上に長い間上映されているのが気になり、ネットで確認してみたら予想外の高評価で驚きました。しかも不登校をテーマとした大人向けの内容だというのです。それで興味を持ち自分も見ることにしました。
結果、良い意味で完璧に予想を裏切られました。実に骨太で土台のしっかりとした物語であり、子供から老人まで世代を問わずに心を打たれる作品だと思います。
みなさん知っての通り、この映画はかがみの中にある不思議なお城の話です。そこで願いの叶う鍵を探すというファンタジーなのですが、実は、城とか鍵探し自体は物語の核ではありません。物語の核は、主人公の中学一年生の少女"こころ"と、こころと同じく城に集められた同年代の少年少女たち、そしてこころの周りにいる大人たちの人間描写なのです。
かがみの中の城は、不思議の国のアリスなどとは違い、行ったきり物語の最後まで戻れないという場所ではありません。こころ達が自由に出入りできる空間です。城に行ける期間と時間帯は決まっており、こころ達はおよそ一年の間、中学一年生だったこころが二年生になるまでを現実世界を過ごしつつ、家にある鏡をくぐって時々お城に行くという形で物語は進みます。
主人公のこころは不登校児です。こういうタイトルの映画であれば、かがみの城を背景にして映画のタイトルが表示されそうなものですが、実際には、学校の教室にあるこころの机と椅子を背景にして映画のタイトルは表示されます。にぎやかな教室なのに、その席には誰も座っていません。教室の風景は真っ黒にフェードアウトされ、暗闇のなかにポツンとある机と椅子を背景にして「かがみの孤城」というタイトルが表示されます。映画の冒頭でそのタイトルを見て、私はこの映画の本質を知った気がしました。
こころがなぜ不登校なのかは、段々と観客に明かされます。その理由は理不尽で残酷なものであり、観客はこころと一緒になって傷つき、戸惑い、苦しみます。そして他の少年少女にも同じような境遇があることを知ります。最初はお互いに距離感のある彼らですが、城で一緒に過ごすうちに、段々と親密さを増していきます。
やがて物語にミステリー的な要素が加わり、いくつかの謎がクライマックスを経て明らかになっていくのですが、それが実に巧みに作られていて、いわゆる伏線回収の爽快感があります。
しかし、こころ達の人間描写が物語の核としてしっかりとあるからこそ、そういったミステリーや謎解きが生かされているという印象を受けました。仮にミステリーや謎解きが無かったとしても、不登校や友情というテーマだけで十分に面白いのです。その上で素晴らしいミステリーや謎解きまで加わっているのですから、見た後に素晴らしい満足感がありました。
不登校という重いテーマですが、その解決策は決してご都合主義的なものではなく、とても現実的なものだと感じました。最初は不登校のこころを問い詰めてしまった親も、映画の最後には見違えるほどに成長します。そして、最後はとても前向きで爽やかな気持ちになることができました。最後の10分間くらいは、私は涙でスクリーンが見えなくなり、再び映画館に通って見逃したシーンを見ることになりました。
文句無しの星5です。
ファンタジー?
良い意味で期待を裏切る佳作
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