かがみの孤城のレビュー・感想・評価
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“戸締り”映画の影に隠れた感がある“鍵を開ける”映画だが、テーマはよりリアルで重かった❗
40数年前だが、私が中学生のときクラスに不登校の女の子がいた。
1年生だったか2年生だったか忘れたが、彼女の家に遊びに行った直後に突然休んだかと思うと、まったく登校しなくなってしまったので困惑した。
イジメやクラスメートとの確執等はなかったと思うのだが、彼女に何があったのか今も知らない。
ただ、彼女が高校に進学したとは聞いたので、その後は幸せな人生を送っているものと思う。
…と、そんなことを思い出した。
辻村深月の原作小説は本屋大賞を受賞してるそうな。恥ずかしながら未読。コミカライズもされているらしい。
鏡の向こう側に吸い込まれるのも、願いが叶うから鍵を探せと言われるも、あまりにも唐突で、取って付けたようないくつかのルールもなんだか幼稚な気がした。
重ねて、城と海のCGのテクスチャーがアニメーションと合っておらず違和感があった。
…が、気になったのはそれくらいで、様々な問題を抱えた中学生たちが閉塞感から脱け出す冒険と目覚めの物語りは感動的だったし、我々大人たちが彼らに何ができるのか、何をしなければならないのか、少し考えさせられた。
主人公 こころ をイジメていたリーダー各 真田 とその取り巻きたちは実際にいそうだし、あの子達の行為がどれだけ相手に恐怖心を植えつけるものか、ファンタジーの形をとった物語なのに、極めてリアルに突きつけてくる。
私は、「傷つく」のだろうと漠然と考えていたが、「恐い」のだと改めて知らされた。
そして、現場の大人たちのどんな対応が無理解なものなのかも顕にされている。
転入生だった 萌 がまた転校していくとき、「ああいうコ(イジメっこ)は、別の学校に行ってもいるかもしれない」と言う。萠 が こころ に言う「負けないで」は、”イジメに負けるな“ではなかった。イジメられているコがいたら“関わりたくないと思う自分に負けないで”そのコに手を差し伸べよう…だった。
イジメられた子、イジメに加担した子、イジメに見ないふりをしてしまった子、それぞれの子供たちは心に深い傷を負うのだろう。
そして、そんな傷を知らずに大人になった者が、大人の世界でもイジメを犯すのではないだろうか。
悲しく、情けない人間の本性なのかもしれない。
最初、不登校になりかけの こころ に冷徹だった母親が、フリースクールのキタジマ先生の助言で娘と向き合うようになる。
母親の変化の過程は描かれないが、彼女は立派に娘を守った。
ボイスキャスト麻生久美子の声音が暖かく優しく感じた。
不登校の原因はイジメばかりではない。
7匹の子山羊たちは、7通りの事情を抱えていた。
時を隔てて彼等に救いの道標を示し続けるキタジマ先生。久しぶりの宮﨑あおいがやはり上手い。
こころ の声を担当したのが、今最注目の若手女優當真あみ。
この娘は顔を見ていたいタイプだが、声の演技も達者だった。
『すずめの戸締り』の原菜乃華もそうだったが、最近の若い役者は声の演技も本当に上手くて感心する。
更に、歌もダンスもできちゃうんだろうなぁ、きっと。
相手の身になる難しさ
不登校というより人間関係の難しさがテーマだったような気がします。
合わない相手に消えてしまえという考え方は明らかに間違っていますが、そのことを指摘するより一度、話をしっかり聴いてあげる難しさがあります。
勉強になりました。
まぁまぁ面白かった
作画とかストーリーとかキャラとか全部が及第点て感じで安定の1本って感じでした。
ハラハラドキドキとか手に汗握るようなそんな展開はなく粛々と物語が進んで行くのでBGMや挿入歌とかでもっと盛り上げたりしたら良かったかと思った。
細田守とか新海誠作品の地味版でした。
懐かしい感じのアニメ映画
昔、日本ファンタジーノベル大賞を受賞した小説をアニメ化していて、パターン的にこの作品も似ていました。
映画館では無く、最近年越し前にガキ使やらないから、21時くらいからこの作品放送していたほうが視聴率とれたかも。
これからは、賞取ったファンタジー小説をアニメ化して、日テレさんでその作品を年越し前の21時くらいに放送していただける事を鍵みつけたので願います。
こんなふうにつながってたら、いいな
こころちゃんをはじめ、登場人物の気持ちが丁寧に描かれていたと思います。
仲間とそうじゃないやつって分けていく。
中学生という時期だからこそのしんどさ。
自分も今となっては、昔のことだけど、なんか心の中がチクチクするような息苦しさを感じました。
孤城でも、同じことが起こりそうになるけど、意見がぶつかったり、苦しさをぶちまけたりできる相手になったことが、大きいんだなぁと。
当たり障りのない関係のままでもいられるけど、そこから一歩踏み出したからこそ、ぶつかる。ぶつかっても、相手を知りたいっていう勇気。
胸にくるものがありました。
話のラストだけど、
あんな風につながれた仲間が、実は身の回りにいるかも??なんて思えたら、この世界で生きていくのも悪くないって思えるんなぁと感じました。
昔、学生だった大人にも
じんわり心に染みる映画でした。
原作も好きだったけど
原監督が好きなので、低学年の娘を連れて観に行こうと思っていたが、少し難しいかなと躊躇していた。結果的には、SF的なくだりや、悩む中学生の心理などを深く追っていくことはしなかったので、小さな子供でも観やすくなっていた。主人公たちを苦しめる人の顔が、荒い銅版画のような影になっていて、より辛さがビジュアルで伝わって面白かった。家の窓を叩く影は幽霊のように見えた。バツを追って主人公たちの過去を見ていくところからは、原作も感動的だったが、映画では涙が止まらなかった。バツを一つずつ探すたびに仲間の過去とつながる所は映画化すると間延びしてしまうのでは?と思っていたが、バツを集めて光の階段を駆け上がって鏡の列に手をさしのべるまでの表現は、そうきたかと泣いてしまった。原監督のクレヨンしんちゃん大好きなので、あふれる感情のまま突っ走る描写があって感涙した。映画のエンディングロールにも感動したが、私自身が学校に行けなくなってしまったクチなので、どうしてもそちらよりの見方になってしまうから、もう一度冷静に観直したいと思った。
辻村深月のファンだから思うところがある
本作品を観に行ったのが祝日ということもあり劇場は超満員で、辻村深月さんのファンとしてはその事がまず何よりも嬉しかったです。
映画の中身についてですが、
キャラクターの見た目も雰囲気も原作と乖離が全くなく素晴らしいと思いました。
内容も面白く描けている、と思ったのですが
こころの''いじめ''''不登校''の部分にブラッシュアップしすぎなのではないか、とは感じました。
もちろんそこがテーマの作品だとは思うのですが、人間関係とミステリー要素こそ辻村深月さんの面白さだと私は感じているので、すこし「よくあるいじめ・不登校がテーマの感動物語」に近付いてしまっている気がしてしまいました。
こころ以外の6人の関係も、2時間という時間の中だと仕方ない部分ではありますがすこし希薄に感じてしまいました。
こころの性格・心情を表現したいためかテンポが悪い部分もあり、また演出がやや大袈裟なのも少し残念に思いました。
しかし、劇場を出る際に周りからは「面白かった〜」「今度本かして〜」という声が聞こえてきたので、これは辻村深月さんのファンだから細かいところが気になるのと、原作既読だからテンポが悪く感じてしまっただけで初見の方からみたら全くそんなことはないのかもしれません。
ただ、声優だけは悪かったと断言できます。
俳優を使うことは悪いとは言いませんが、下手な俳優を使うのは納得できません。
こころ、オオカミ様、アキがとくに棒読みが酷く、せっかくこんなに丁寧にキャラクターを原作に寄せて作っているのに非常に残念でした。
ファンだからこそ、穿った目で見てしまいましたが、辻村深月さんの作品を面白いと思ってくださる評価が多く嬉しく感じています。
ぜひキャラクター達に興味を持った方々は原作を読んでみてください!
原作が読みたくなる
めっちゃくちゃおいしそうなカレーを目の前に出されて、にんじんとじゃがいもを食べたところで下げられてしまったような気持ち。それでもおいしかったんだけど、原作を読んでからもう一度見返したら、一晩寝かしたカレーのように深みの増した本作に出会えそうだよねええ!!??
対象年齢は高くない感じだが思った以上に良い
学校なんて行かなくても良いんだ、友達なんて居なくたって良いんだ、いう映画は昔は作れなかったように思う。
今でも人としてどうかと思うような教師がいた自分の小中学校時代を思い出した。
同じような年頃の子供を持つ身として、大変共感する部分の多い映画でした。
原作のすごさ
面白かった。すごく。
良い意味でハードルが低かったので、より面白く感じたのかもしれない。
すごく面白かったのだが、それだけに細かいところの矛盾点が気になってしまった。おそらく原作はもっと緻密に構成されていて面白いのだろうなあ…。映画にする限界だと思うのだが、ディティールが省かれた部分はかなりあるのではないかと想像できる。
ストーリーとして巧みなところは、孤城に集められた7人の共通点が段階的に明らかになっていくところ。
中学生→不登校児→同じ学校→7年ごとにずれている
最近の映画としては展開がゆっくりすぎな気もするが、登場人物の心の動きを自然に追える親切な速さだと思う。
7人の中学生の年代がずれていることは、「どんな時代になっても、子供は人間関係で悩んでいる」という隠れたメッセージがこめられているように思う。おそらく原作では、それぞれの年代での時代背景や不登校の理由が異なることなどももっと詳細に描かれているのではないか。
もったいないな、と思うところは、「7人の時間がずれている」「フリースクールの先生とアキが同一人物」というこの物語の大きな仕掛けが、かなり序盤で分かってしまうところ。だから登場人物の気持ちに共感するというよりは、早く気づけよ~、とイライラした気持ちになってしまう。
もう少したくみに隠して(ミスディレクションやミスリーディングを使って)、「あっ! そうだったのか!」という驚きをもたらしてほしかった。
終盤の展開も???な点が多い。「×印を回る→階段が現れる→時計に行く」という手順がなぜこころに分かったのか? それまで城の中で一番怪しいと思われる時計について調べてなかったのがそもそもおかしい。これも原作では語られている部分が映画で省略された結果なんだろうと思う。
さておき、この映画(物語)が本当に優れている点というのは、ファンタジーと現実をつないでいる、という点だと思う。
ファンタジーの世界と現実の世界の関係というのは、ファンタジー文学にとって非常に重要な部分で、そこに作家の思想がこめられる。たとえば「果てしない物語」では、ファンタジー世界に入って帰ってこれなくなる人間と、ファンタジー世界で成長して現実に戻ってくる人間がある、としている。
「いじめ」「不登校」という現実の深刻な問題に対して、ファンタジーの中での救いを示したところで、現実の問題は解決しないわけで、「現実には鏡の中の世界は存在しない」ことに現実の子供は逆に絶望してしまうかもしれない。物語の世界に没頭することは、一時的な現実逃避になっても、現実の解決不能な問題は何一つ変わらない。
しかしこの物語では、「アキ」の存在がファンタジーと現実をつないでいる。現実の世界でも、全部の大人が信用できないわけではない、中には頼れる大人がいるかもしれない、という救いを残している。この物語は、子供には「頼れる大人もいる」ということを、大人には「救いを求めている子供がいる」ということを教えてくれている。
この映画の感想とは直接関係ないのだけど、最近、「対人恐怖症」というのが日本における「文化依存症群」なのだと知って、すごく気が楽になった。
「文化依存症群」というのは、特有の文化環境にだけ発生する精神障害のことで、「対人恐怖症」(他人が自分をどう考えているのかを異常に不安に思うこと)というのは日本にしかない病気なんだという。
いじめは日本だけにあるわけじゃないと思うけど、対人恐怖症的なものがいじめを深刻にさせているところはあると思う。対人恐怖をメタ的にとらえることで対人恐怖は多少やわらぐ。他人が自分をどう考えているのかってのは、「思いやり」という意味では必要な気持ちだけど、過剰になってしまうと、自分の本当の気持ちを言えなくなってしまうという意味で有害だ。
話す事の大切さ、悩みを抱える皆へ
すごく良かった!
予告を見た時は不思議な城を舞台にした恋物語になるのかと思いましたが、全然違いました。
これは理由ある7人が大切な物を見つける物語。
それぞれが別の悩みを抱えていて、お互いが交流していくうちにある共通点が見えてくる。
イジメと孤立、人との関わり方、勇気を持って話す事の大切さ、支える人たちと母親の愛。
色々な事を感じて、見直すきっかけになってくれると思います。
涙がこぼれそうになるシーンも多々あり、エンディングも曲が相まって泣ける!
キャラデザインも良くて、それぞれの声もよく合っていると感じました。
ストーリーは伏線が分かりやすい為に終盤での驚きは控えめ。
伏線をもっと序盤にさり気なく貼っておくと、ラストがより一層盛り上がったのかもしれませんね。
それと何人かの“その後”が気になってしょうがない。
皆どうなったのー?💦
最近見た映画の中で1番の良作
想像以上に良かった。無駄に難しいエピソードではなく、わかりやすい。かと言って子供向けという訳でもなく、伏線も散りばめられていてしっかり回収もされていてとても良かった。
実写映画とかにせずアニメにしてくれて本当に良かった。
強いて言えば最後現実に戻った後どうなったかがわかった人物が数人だけのため、全員分描いて欲しかったところ。
それでも個人的には「すずめの戸締り」や「SLAM DUNK」よりかなり面白かった。
6歳児と観に行きました!
チェンソーマンの藤本タツキ氏が観たとTwitterにあげてたので、じゃあ観てみるか!と前情報無しで行きました。(先生曰く周りの人は泣いていたらしい)
1番グッときたのは、最後の方にリオン君が涙するシーンです。もう、、この泣き顔見れただけでお金払う価値あり‼︎レベルで良かった〜!泣
イケメン青年が微笑みながらキレイな涙をどばどば出してくれています!最高です!!!
※このリオン君の泣き顔はPRVにもあり
今年小学生になる娘を連れて行きました。6歳児には過激な言葉かも?!と思う点もありましたが、今後友人関係で上手くいかない事もあるだろうし、そんな時少しでも思い出してくれたらいいなと思いました。特にもえちゃんの考え方は、強くて冷静で響きました。
ちなみに、、娘に感想を聞くとたのしかった!だって。全く理解してねぇぇぇ〜
幼児といく場合はお金の無駄になる可能性があるのでご注意ください
真実はいつもひとつ
どの時代にも孤立して苦しむ子がいる現実。
母親が『1人じゃない』と励ましたのが印象的。
学校が全てじゃない。たかが学校のことだと捉えることが大切。選択肢はたくさんある。大人は子どもの話をよく聞いてあげて、子どもがどうしたいかしっかりと話し合うべき。
いろんな伏線が効いていて、細かいところもあった。
全体的に音楽が素晴らしく、シーンと合っていて感情が揺さぶられる。
赤ずきんちゃんとオオカミさま
この作品、以前から小説を読みたいと思っていましが結局読むことなく、鑑賞しました。
予備知識がまったくなく、鑑賞した為、最後の展開まで結末を楽しむ事が出来ました。
思っていたよりも、子供たちは深い問題を各人抱えています。
涙する場面もあり良作です。
変わったストーリーですね。
予告編を見て想像していたストーリーとは良い意味で随分違いました。
ちょっと不思議な世界の話で、原作を読んでいないと分からないシーンとかも有るようでした。
心に傷を負って学校に通えないこころちゃんを中心に話は進んで行きますが、そこから広がるストーリーは流石です。
結末を知った上でもう一度最初から見たら違う印象になるかも知れないですね。
声優陣が豪華!話もよかったです
最近注目していた女優の當真あみさんが主人公の声優をやるということで観に行ってきました。
実際すごく上手で良かったです。北村匠海さんもめちゃ上手でした。
原作は読んだことなかったのですが話も良かったです!
全キャラクターに意味があって自分の好きな話でした。
原作を読んでたので観てみました
絵柄が好みじゃなかったけど、原作を読んで気になってたので観に行きました。他の映画見た時に流された『鑑賞中の注意』動画も気になったしね。後ろから席を蹴られたオオカミがめっちゃ怒ってた。僕はmovixで見たけど、いろんな映画館で流してるのかな?「スゲェ推されてんだ、観なきゃっ」って気になりました。
本編はもう少しリアルな背景で観たかったですね。遠近感がなくって、背景が手前に見えたり、手前の柱が認識できなかったりしました(特に前半。後半は目が慣れたのかな)。
終盤、アキを助けに徐々に駆け出すシーンの演出はカッコよかったです。
ストーリーは「よくまとめたなぁ」と言う感じ。原作は結構長編だし、7人それぞれにストーリーがあって、端折れないですしね。
残念だったのは前半の東条さんの印象が薄かったこと。こころちゃんが憧れる東条さんには、三井のリハウスの転校生のような(古くてすいません)圧倒的美少女感が欲しかった。だからこそ、皆友達になりたがるし、だからこそ、後半で吐く毒にインパクトがあるのに。
そう言えば舞台化もしていたようですね。実写でも良かったかも。そうなると気になるのは東条さんのキャスティングよりオオカミ様のお面のクオリティーかな。マンウィズにはならないよね?
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