「原作ファンの期待を裏切らない良作」かがみの孤城 villageさんの映画レビュー(感想・評価)
原作ファンの期待を裏切らない良作
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何年か前に読んだ原作小説が素晴らしくて、あらすじや設定も大筋は覚えている中で鑑賞したが、それでもやはり感動する良作でした。
アニメーション表現にとても馴染む物語だと思うし、原作小説の世界観もほぼ忠実に再現されていたように思う。
ザ・ファンタジーな設定とは対照的に、登場人物(中学生)たちの体験や心理描写はとても現実的。学校というシステムに限界がある中で、どうしても理不尽な目にあったり、その枠から外されてしまう子どもがいる。その子たちが真っ直ぐ健やかに成長していくためには、子どもの気持ちにしっかりと向き合ってくれる周りの大人の存在(そして友達の存在)がいかに大きいか、しみじみと感じた。(若干ネタバレになるけど、周りにそういう大人がいなかったある子どもが、そういう大人になっていく姿が描かれている。)
終盤の皆の記憶が重なっていくシーンがハイライトで、小説を読んだときは読みながら泣けてきたし、映画でもやはり涙腺が崩壊しかけた。
人とのつながりや奇跡を感じられる前向きなラストシーンも印象的。この映画の子どもたちが、今後それぞれの道できっとうまくやっていけるようにと応援したくなるような、そんな気持ちになりました。
子どもはもちろん、大人が見ても、心に響く良作だと思います。
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