「気持ちの焦点が合わせにくい面がある」月の満ち欠け ぱおうさんの映画レビュー(感想・評価)
気持ちの焦点が合わせにくい面がある
転生輪廻(リインカーネーション)もの。
時を超えた恋愛を描いているのは分かるし、出演者は皆好演しているのだが、この作品の世界観では、転生するサイクルが早すぎるのと、前世の記憶がはっきりしすぎているのが災いして、神秘性が不足した印象を受けるのが玉に瑕。「再会」の感動がある一方で、ハッピーエンドと言い切れないもやもや感がぬぐえない。
死別した恋人が生まれ変わってくるという設定には、昔観た「愛と死の間で」を想起したが、本作では前世の記憶が年齢に関わらず引き継がれている上に、片割れの方はそのままこの世で年を重ねているので、素直に喜んで良いのか不安が生じる。
せめて、因果応報的な決着があれば、後味もすっきりしたかもしれない。
1980年代の街の様子が描かれているが、私の現実の記憶より古い時代のように感じられた。名画座とか、レトロっぽい趣味の場所が舞台となるので、錯覚してしまうのだろうか。
もっと再会の感動に浸れたかもしれない設定なのに、サスペンスなのかファンタジーなのか、はたまたひねりをかけた恋愛ものなのか、色々な要素が盛り込まれていて、観る側としては気持ちの焦点が合わせにくいのが残念だった。
みかずきさん、いつも交流してくださってありがとうございます。
本作は、演技は良いし、映像や音楽も好みに合う方でしたが、よく考えるとしっくりこない点があるために、私のレビューでは辛めの表現になりました。
おっしゃる通り、素直に恋愛ものとして観ている限りは、感動の方に針が向きますね。
ですが、後半で「あれ? 小さな娘と思っていた子が、あの時、実は……」とか考えだすと、「名探偵コナン」の世界みたいで(笑)、親子の懐かしい思い出の方が微妙になってしまいます。
原作は未読ですが評価が高いようですので、おそらく文章だとファンタジックに受け止められるところが、映像ではリアルに見えてしまうのではないかと想像します。
それと、悪役の登場に必然性が感じられなかった点は残念でした。何らかの伏線が回収されるのであれば良かったのですが、そのままでしたので、私の場合はもやもや感が残ってしまいました。転生輪廻ものですから、こちらにもきれいに因果応報の決着をつけてほしかったです。
こんな風に色々と文句をつける鑑賞者がいますので、制作する側は大変な業界ですね(笑)
それでは、またどうかお付き合いくだされば幸いです。
こんばんは、ぱおうさん
みかずきです
本作、瑠璃役有村架純と哲彦役目黒漣のラブストーリーがしっかりと描かれていたので、その後の輪廻転生に説得力がありました。
有村架純の眼の表情の演技がgoodでした。
有村架純にはラブストーリーがよく似合いますね。
輪廻転生については、前世の記憶あり過ぎ感はありましたし、
粗削りの作品でしたが、
主軸である有村架純と目黒漣のラブストーリーがしっかりしていたので、ラブストーリーとしては満足できる作品でした。
では、また共感作で。
-以上-