破戒のレビュー・感想・評価
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同テーマのドキュメンタリーを観た事もあり、さまざまなな角度から考え...
同テーマのドキュメンタリーを観た事もあり、さまざまなな角度から考えてしまい、現実的な感想が浮かんできてしまった。
原作や過去の映画化作品を観ていれば、見せ場のシーンなどに集中できたのだろうが、やはり古典的な作りのせいなのか、遠い日の話と感じ入り込めなかった。
ただ、俳優陣は豪華で演技は堪能した。
人間喜劇
人は愚かではない、弱いんだ。
これが、この映画の全てだと思います。そして、主人公は強くなりました、子供達も。
差別、偏見を狂言回しに、人間とはこう言う妄想、精神に翻弄される、生き物であると、見事に画いていますね。原作より、ラストは希望に満ちたのが、私としては良かったと思います。
題名だけは、有名な小説
作者と題名は、とても有名ですが、
読んだことなくて、映画化されてよかったです
静かに流れる久しぶりの小津作品の様な。。
時代背景が、日露戦争中?
今とリンクするかなと。
お金持ちなのに廃止された身分制度のために
ひどい目に遭ってて。
主人公が、三浦春馬君に見えて
弁士が、参政党に見えてきました!
恥ずかしながら原作未読ですが、
島崎藤村の名作が原作ということですが、恥ずかしながら未読です。なので、脚色があるようですが映画でこの名作を知れて良かった。
演出、カメラワーク、音楽などすべてがとても丁寧に作られていて、俳優陣の演技も素晴らしく、感動しました。
観るのをオススメというより、多くの人に観てほしい映画です。
差別のない世の中、平和の世の中を作るためには、やはり正しい教育が大切ですね。
答えはシンプル。子どもたちの目を見ればわかる。
予想以上に良かった。
設定を原作の中学校から小学校にしたのも大正解!
子どもたちの演技力も素晴らしかったが、それを受け止める間宮祥太朗の演技がまた素晴らしい。
こないだまでドラマでヤンキーをやっていたのに七変化する俳優だ。
子どもたちはちゃんと先生の人柄を見ている。
出自で人を判断するのは心の弱い大人だけなのかもしれない。
矢本悠馬演ずる友人の教師の粋な計らいも良かった。
部落差別は大変重たいテーマたと思ったけど、複雑に考えなくていいんだ。答えはものすごくシンプルだ。
観ればわかる。
こんなに爽やかな気持ちで映画館を出ることになるとは思わなかったなー。
良かった
評価が高いので見に行きました。多くの客がキングダムやミリオンに流れる中で、県で破戒を上映してるのはここだけだったので祝日の席はほぼ満席でした。正義とは何か、不条理とは何か、歴史の中で正しい信念を貫こうとした人たちに感動します。ただ、原作と違いラストが現代に受けるように変わっていること、登場人物が増えて善人と悪人が明確に役割分担されていたことには物足りなさも。悪でもそれに至る背景があるわけで、その背景を変えていくことが社会の進歩かと思います。
差別は無くなったのかな?
原作もこれ以前の映画もドラマもは知りません。
100年以上前の物語。
今の世は差別は無くなったのかな?
間宮祥太朗は好きなので観ようと思いながら、昭和(正確には明治)の映画もというイメージでした。観るか迷っていましたが、とても高評価なのでやっぱり見てみることに。とても良かったです。
迷っている方がいれば是非オススメです。
千葉県唯一の公開で1日1回の公開ということで、劇場は1/4くらいは埋まっています。
最近では珍しい。アニメ映画やアニメ原作以外で埋まってるのは良いことですね。
ただ、なんでこんなに公開している劇場が少ないのか、、、「カメラを、、」の方が多いなんて。
やはり観客は大人中心なので、さらに不安に。見始めると、もちろん明治の終わりの話なので、時代劇と近代劇の間くらいですが、演出や演者がとても良く、古さは感じません。説明しにくいですが、とても見やすかった。
また、後半の名シーンはかなり良く、涙です。
私は40代半ば
「部落」という言葉は知っていますが、「集落」という意味で、差別的なイメージはありません。
「穢多」という言葉に至っては聞いたことも無く、オープニングで、穢多は病気の名前なのか、身分の名前なのかも分からない状態でした。
とても勉強になり、こんな酷い差別が日本にもあったのだと衝撃です。
よくネットで、「部落出身の芸能人」とか見かけますが、意味がようやく分かりました。
100年後の現在は、この頃に比べると日本は良くなったと思います。が、「在日朝鮮人」「性的マイノリティ」などの差別はまだありますね。
「差別は簡単には無くならない」と、まさにそうかもしれません。「差別はしない」と思っていること自体が差別だったりするので。
それでも、部落とか穢多とかの差別は無くなりつつあると信じたいです。
少なくても、劇中のように「差別はさらてもしかたがない」という世の中ではなくなったので、進歩していると思います。
多くの人に観てもらいたい
原作未読
閉塞感のある現代、多くの人に観てもらいたい映画
間宮祥太朗が素敵、涙が綺麗
矢本悠馬は「君の膵臓をたぺたい」から主人公を支える役は最適
個人的に好きな石井杏奈も健気
眞島秀和の演技は流石
余韻が残る映画
主演の間宮祥太朗が静かな存在感を放ち、明治後期の時代設定の中に溶け込んでいる。「最近テレビドラマでヤンキー役をやっていたな」という認識の人が本作での文学的な佇まいを見たらかなり驚くだろう。
原作との相違点は許容範囲内だと思われるが、人によっては話の展開をやや綺麗に感じてしまうかもしれない。
静かで丁寧な演出のため、主人公の丑松の苦悩から自己の解放に至るまでの心情に寄り添って観ることができた。
鑑賞後は、丑松だけではなく親しい同僚の銀之助や互いに惹かれ合う志保、丑松が傾倒する思想家の猪子、教え子たち、そして丑松を追い込む側の人物の心情までも考えてしまった。
また、差別や偏見の意識が自分自身の中に存在していないだろうかと自問自答した。
原作が執筆されてから100年以上経っても部落差別が存在していることや、差別する者・される者が常に変化して差別自体はなくなっていないことは悲しいことだが、本作は困難な状況の中でも希望を持つことの意味も描いている。
原作の空気感が表現されつつも、現代風にアレンジされているため、原作を読んだことがない人にもおすすめできる。
映画館で観て、余韻に浸り、何かを考えるきっかけになる体験ができる作品。残念なことは上映館が少ないこと。
映像で学ぶ近代文学入門
タイトルと作者は知るこそすれ、内容等は全然…だったので、張り切って鑑賞。「人間は愚かではなく、弱いから差別する」などの台詞を筆頭に言葉が刺さる、刺さる。流石は3度目の映画化である。名作とはこのようにして語り継がれるものなのだ。
【"我は穢多なり。されど恥じず!"非差別部落の出自を隠し生きてきた青年が、様々な経験をする中で、父の戒めを破り、新たなる人生を歩み出す姿を描いた、現代社会に対しても十二分な訴求力を持つ作品。】
ー 今作は、島崎藤村の小説「破戒」の3度目の映画化だそうである。
小説自体は、吉井すゑの「橋のない川」と共に、学生時代に読んでいる。-
■”決して、自らの出自を明かしてはならない”という父の戒めを守り、地元を離れ、小学校で教員をしている瀬川丑松(間宮祥太朗)。
だが、同じく被差別部落出身ながら、それを隠さず、自由や平等についての思索を深める思想家、猪子蓮太郎(真島秀和)の姿を見て、自身の生き方を自問自答する、丑松。
下宿先の寺で知り合った志保(石井杏奈)へ、想いを告げる事にも躊躇していた丑松であるが、猪子の非業の最期に、彼の心に変化が訪れる。
◆感想
・父から穢多である事を隠して、生きろ!と幼き時から言われて来た丑松は、小学校の善き先生になるも、秘密を抱えて生きる日々。
- 丑松を演じた間宮祥太朗の抑制した演技が、丑松の哀しみを表している。良い。-
・下宿先の寺に奉公していた零落したとは言え、士族出身の志保との出会いのシーン。
- 志保が読んでいた与謝野晶子の"乱れ髪"彼女が先進的な思想を示すシーンである。何気ないシーンだが、ラストの志保の行動が腑に落ちる。-
・志保と同じく、文学好きな丑松が彼女に惹かれるのも、良く分かる。だが、彼は自らの出自と士族出身の志保に想いを告げられない。
- 現代でも、部落出身と言う理由だけで、結婚を相手の両親から拒否された話は、時折聞く。-
・心酔していた猪子に手紙を書いていた丑松の所に猪子がやって来る。その際に彼が言った言葉は忘れ難い。"人間は弱いから、差別する。"
- 金言である。-
◼️白眉のシーン
・丑松が生徒達の前で、自らの出自を明かすシーン。先生は皆に隠し事をしていた。許して欲しい、と涙ながらに詫びるシーン。だが、それまで級友で穢多の少年を馬鹿にしていた志保の弟を含め、誰も丑松を責めずに涙を流し、"先生!"と言いながら、丑松の周りに集まる。
- 彼が、如何に生徒達に慕われていたかが、分かる。そして、間宮祥太朗さんの渾身の演技に、涙が出そうになる。-
・丑松が学校を去るシーン。其処に現れた、唯一、丑松を支えて来た土屋銀之助(矢本悠馬)と、志保。銀之助は明るく"君は何も言わずに、一人で行くつもりか?"と言い、志保を彼の側に連れて行く。
- 真の友の粋な計らい。彼は丑松の気持ちも志保の気持ちも知っていたのである。躊躇なく、丑松の側に立つ志保の恥じらいながらも、嬉しそうな表情。-
・途中から、子供達も付いて来る。其処に現れた愚かしき旧弊思想の先生二人に銀之助が言い放った言葉は、スカッとしたなあ。
<穢多・非人差別の始まりは、諸説ある。
が、その差別により、多くの方が辛い生き方をして来た事実は、明らかだ。
そして、その差別は現代の日本でも、綿々と続いている。
だが、今作品のラストには、希望がある。
一人一人の人間が、自らの心の弱さや、相手より上位に居ると言う気持ちを払拭し、"自由と平等、そして人としての尊厳"を尊重する事で、戦争や言われ無き差別は無くなる筈なのである。
この物語は現代社会が抱える諸問題に対する、一つの答えを示した作品でもある。>
人間はなぜ、同じ人間に対して差別をするのか......
今までにも映画やドラマとして、何度か映像化されてきた名作「破戒」が60年ぶりに映画化。1世紀以上前の原作でありながら、「破戒」の中で描かれる人間の愚かさや弱さは、未だに変わっていない。
インドにおけるアウト・カースト(カーストにも属さない)のような、身分による差別がかつての日本にはあった。それはえた・非人と呼ばれるものだ。時代は変化し続け、新たな文化や価値観が世界を変え、日本も変わっていく中で、四民平等、人間は同じ存在であると言いながらも、えたの人々は差別を受け続けた。
石を投げられ、塩をまかれ、人間ではない汚らわしいもののように扱われていたのだ。今作の冒頭や全編にわたっても、そういった描写がされている。
平等であるはずではないのか……。平等とは言いながらも、その平等からは外れたものを差別する。そんなものは平等ではない。つまりこの世界には平等なんてものは存在していないのだ。
主人公の瀬川丑松 は、えたであることを隠し教員の職業についているが、生徒たちには差別のない未来を築いて欲しいと心から願っている。しかし、自身がえたであることを隠し通さなければならないという、信念との矛盾に葛藤する日々が描かれながら、脳裏から離れないのは、父の身分を隠せという言葉だった。
ことあるこどに、その父の言葉が蘇ってくる演出が、少し『タイガーマスク』の「虎だ、お前は虎になるのだ」みたいで、やりすぎな演出にも思えるものの、それほど、身分を明かす恐れと事実を隠すもどかしさが瀬川を悩ませていた。
そんな中で東京から赴任してきた新たな教師・勝野が波風を立てる。この勝野という男は、新たな文化に寛容であり、女性の社会進出を後押しするようなリベラル的な思想を持っていると表では思わせておいて、実は差別主義者である。女性差別はないのかもしれないが、別の差別意識は持っているのだ。 しかも厄介なことに、この勝野という人物は一般的に見て、非常に多い人物像なのである。
人間が差別をするのは、愚かであると同時に、弱いからである。自分と違う存在を恐れているのだ。ひとつの差別がなくなっても、また別の差別が生まれる。 そしてそれを認識していないのも問題なのだ。
そんな人間が差別を繰り返すサイクルというのは、無くなるものではない。「差別など絶対無くせる、人類は平等だ」なんて言うのは偽善でしかない。しかし、立ち止まって、改めて考えてみることは誰にでもできるはずだ。
そんな一度立ち止まる機会を与えてくれるのが今作であるといえるだろう。舞台設定は確かに古いが、人間が差別をしてしまう構造というのは、昔も今も、外見上の形やきっかけが違うだけであって、全くであるのだから。
現代の私たちは胸を張れるだろうか。
生まれながらに差別を受ける人達がいる。時は明治。新しい時代が到来してもなお、人々の心から差別は消えない。そしてそれは令和においてもきっと続いている。いわゆる部落、同和と言われる地域。当時はその土地出身者を“穢多”と呼び、あらゆる暮らしの隅へと排除していた。
土地を離れ長野で小学校の教壇に立つ丑松。子供達からも慕われ、誰にも素性を明かすことなく静かに日々を過ごしている。しかし新しい出会いを通して、出身を偽り続ける事への葛藤が大きくなってゆく。自分は穢多であることを恥じているのか。子供達が差別のない平等な未来を歩く為に、今、最後の授業が始まる。
紛れもない傑作で、本当に観て良かったです。差別がテーマですが、罵詈雑言が飛び交い、激しい暴力を受けるとかではなく、もっと心の部分にフォーカスをあてています。美しい言葉遣いと清んだ景色、そして人は平等であるべきだという思想。まるで純文学でも読んでいるかのような凛とした映画でした。
間宮祥太朗がめちゃめちゃハマリ役で、淡々とした丑松の微妙な変化を見事に表現していて本当に素晴らしかったです。和装も似合ってました。
いつの時代も人を貶めることで自らの評価を上げようとする連中がいます。それに比べ幼い頃から重いものを背負い歯を食いしばって生きてきた人達は心が強かったです。世界から差別がなくなりますように。まずは自分自身に問いかけてみようと思います。
差別はなぜ起きるのか? それは人間が弱いから
この映画は全編人間の弱さに満ちています
この映画を観ることは、そうした弱さと真摯に向き合うことの出来ない自分という人間を改めて知るいい機会でもあります
世間体ばかり気にして後悔したりしてませんか?
他人の目を過剰に気にするのも人間の弱さじゃないですか?
ちなみに傍観することも個人的には人間の抱える弱さだと考えます
ああ、強くありたいなぁ・・・強く。
見れて良かった。
友人役の矢本さんが良い人で救われました。
出自が分かっても変わらず友人でいてくれた。
生徒達も「先生は先生だよ!」と涙ぐんでくれて、救われました。
勉強が助けてくれるからしっかり逃げないで勉強してください、の教えが響きました。
上映場所が少なく、上映してても1日1回とかなので、見れるタイミングが合って良かったです。
主演の先生は、東京リベンジャーズの映画は見ていましたが完璧に当時の先生の雰囲気、礼儀正しい言葉遣い、佇まいが馴染んでいた良い演技でした。
ほぼ満席に近く、皆静かにスクリーンに見入っていました。見れて良かったです。
原作を読んだことはありませんが 映画で読書の代わりができるなんて素...
原作を読んだことはありませんが
映画で読書の代わりができるなんて素敵と思い、見ました。
見て良かった、本当に。
映画に詳しくないのでイメージで書きますが
配役も脚本も演出も何もかもが良かった感じ。
もちろん原作ありきで。
もっともっと話題になって、
もっともっと沢山の映画館で上映して、
沢山の人に見て欲しい映画でした。
もう一度【私のはなし、部落のはなし】を見たいと思った。
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