「無理解な上司を持つと苦労する」バーニング・ダウン 爆発都市 regencyさんの映画レビュー(感想・評価)
無理解な上司を持つと苦労する
実は2017年の『SHOCK WAVE ショック ウェイブ 爆弾処理班』の続編としてナンバリングされているも、監督と主要キャストが同じなだけで設定は全く別。といっても、アンディ・ラウ扮する爆弾処理専門の警官が主人公という点は踏襲しているが。
こちらではそのアンディが、職務執行中に爆発に巻き込まれ左足を失う。義足を付けた主人公ドウェイン・ジョンソンが活躍する『スカイスクレイパー』では、義足が時として枷となったり、またはアイテムとして活用するなどのアクションがポイントだったが、こちらでは義足自体がアクションに活きる描写こそ無いものの、障碍者となった事で、ストーリーが思わぬ展開へと進んでいく。ただ、謎に満ちたストーリーへの求心力はあるものの、中盤から色々と“ひねり”を利かせすぎたせいか、後半でこんがらがってしまうのが辛いとこ。
それでも爆破テロリストとの闘いがベースとなるだけに、VFXによる爆破シーンが前作同様とにかく凄まじく、“爆破大好きおじさん”ことマイケル・ベイが観たら嫉妬しそうなレベル。これまでの香港・中国映画のCG技術はあまり高くなかったけど(それでも邦画より数倍マシだが)、本作は頑張っている方だと思う。
「自分で蒔いた種は自分で刈り取る」という諺を具現化したクライマックスとなるのは当然ながらも、ここでもヒロイックな演出を忘れないのも中華圏映画ならでは。まぁ「無理解な上司を持つと苦労する」のは世界共通という事で。
あと、『インセプション』、『テネット』、『バットマン ビギンズ』っぽいシーンがやたら散見するが、監督はノーランのフォロワーなのか?
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