ザ・ホエールのレビュー・感想・評価
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みんなホメすぎ
いつものとおり事前の予備知識はほとんどないまま映画鑑賞するのが流儀だ。
毎週金曜日の新聞に載る新作映画レビューで、複数の新聞が大きく取り上げていたので、映画館へ行った。
狭い空間で、登場人物も少ない物語が進む。
オンラインで顔かたちも見せないまま、文学の講義をする超肥満体、病的肥満の男をめぐる物語。
彼を軸に、訪問看護師、宣教師の若者、幼い時に別れた娘らが登場し、この男との関わり、過去の事情が展開する。
現代アメリカが抱える一つの闇のようなものを感じる。
超肥満体の男がリアルに再現されているのは、確かに見世物的見ものではある。
しかし、物語そのものは僕の心を打つ、感動させる…というほどのものではなかった。
先のアカデミー賞で、主演男優賞を受けているという俳優ブレンダン・フレイザー(54)についても、「ハムナトプラ」シリーズも未見で、本作で初めて認識した。
Wikipediaを読んで、彼の過去の事情が分かり、オスカーを得たのも何となく納得した。過去の個人的な事情、そこからの役者復帰ということをも加味されたのだろう。
でも、みんなホメ過ぎだ。
決して悪い映画ではないが、僕の判断基準では、☆4つつけて他人に勧めたいとは思わない。
もっとわかりやすくするか、もっと想像力を働かせてくれる作品のほうが、僕にとってはよいのである。
アカデミー賞2冠は納得できる
ある出来事をきっかけに過食となり、立ち上がることすらままならない極度の肥満となった男をブレンダン・フレイザーが演じる。彼のもとに通う看護師には“うっ血性心不全”の診断を下されているが、治療は頑なに拒絶する。だが、自らの死が近いことを悟った彼は、離婚してから音信不通だった娘を呼ぶ……。
元は舞台劇で、ほぼ室内のみで完結する。登場人物もわずかだ。だが、そこに流れる濃密な時間に圧倒された。
タイトルの由来は重要なモチーフとなっている『白鯨』と、主人公の見た目からだろうか?
見逃せない傑作だ。
アカデミー賞も納得の「目の演技」
極めて限られた空間で、極めて限られた登場人物による会話劇が延々と続くのだが、何と言ってもブレンダン・フレイザーの存在感と演技が圧倒的で、ついつい見入ってしまった。
特に、「肥満」の特殊メークによって表情が分かりにくくなっているにも関わらず、それを補って余りある「目の演技」が素晴らしく、自らの死期を悟った時の悲しみ、娘となかなか和解できない時の苦悩、亡き恋人を偲ぶ時の哀切、看護師とふざけ合う時の喜びといった感情が、「目」によって見事に表現されているのである。
物語の方は、時間をかけた自殺とも捉えることができる「肥満」によって死の淵にある男の贖罪を描いているのだが、新興宗教のエピソードや、その宣教師の登場によって宗教色が強く感じられるようになっている。
ただ、心に残るのは、主人公と、問題児と思われた娘との関係性であり、娘に文章の才能があることを見出している父親と、おそらく、産まれて初めて自分のことを認めてもらった娘とが心を通わす姿には胸が熱くなる。
それだけに、宣教師だけでなく、恋人やその妹の新興宗教のエピソードには必要性が感じらず、蛇足に思えてしまった。
結局、主人公の魂を救済したのは宗教ではなかったし、宣教師は、宗教を否定する役割しか果たしていなかったと思えるのである。
ブレンダンの舞台挨拶!すごく穏やかでゆっくりお話ししてくださいました🥰良い声♪
怖いぐらい迫力のあるブレンダンの演技に圧倒されました。セイディーちゃんも凄く良かった。(ブレンダン曰くこのあとストレンジャーシングスの撮影に行ったそうです)そして登場人物それぞれの繋げ方が素晴らしい。子どもを捨てるなんて全く許せないのですが、ラストの演出に号泣してしまいました。どう生きたら全員幸せになれたのか...ちょっと心にずっしりきました。
スゲぇ…
アカデミー最優秀主演男優賞受賞のブレンダン・フレイザー舞台挨拶付き上映にて。
もうね、スゲぇ…
自分の過ちで失った娘との繋がりをなんとか取り戻そうとする父親の話なんだけど、過ちの結果として負ったトラウマから鯨のように太ってしまった父親をハムナプトラのブレンダン・フレイザーが演じる。
もともと舞台劇だったらしく、主要な登場人物は5人で舞台もアパートの一室。時間経過も5日間のみ。それでも実に劇的でカタルシスを感じさせる円熟のダーレン・アロノフスキー演出。コレがアカデミー作品賞でも良かったと思う…
役者陣も最高で、ブレンダン・フレイザーはそりゃアカデミー賞だわなって演技だし、「ザ・メニュー」のホン・チャウも「ストレンジャーシングス」のセイディー・シンクも全員最高。
こういう映画を観たくて通ってるんだよ。
重い話なので人を選ぶとは思うけど、観ないのはもったいないです。
あと画角がスタンダードサイズ(4:3)なのでなるべく前の方で観た方がいいです。
是非!
あ、タイトルは「白鯨」からだと思います
大事な人を亡くしたチャーリーが自分を
見失うストーリーでした。
喪失感や寂しさから、摂食障害になり
感情のコントロールが出来なくなる姿が描かれていました。
オンライン授業で教えていた生徒たちに
自分がいなくなり後任の教師がきて
方針や教え方が変わっても、客観性ではなく
独創性に文章を書くことを望んでいるように見えました。娘を愛して絆を取り戻したかったけど、神の導きなどなく、ホエール
人間に捕まえられた鯨のように感情を無くしてしまう、消し去りたい過去だけど
愛した家族がいたことだけは揺るぎない事実だと言い遺したように見えるストーリーでした。
無理。つまんなかったよ。
前半ホラーに流れるようなBGMで面白そうなんだけど全く違いつまんない。
簡単にまとめると巨漢デブさんの1週間の話し。発展的な内容もなくずっと辛い絵を2時間観させられただけ。。。
登場人物も友人の看護師と娘と見知らぬ宣教師が主で、最後に嫁。
あー観なくていい映画でした。
余命わずかな272キロの男が 娘への無償の愛を紡ぐ最期の5日間 壮...
余命わずかな272キロの男が
娘への無償の愛を紡ぐ最期の5日間
壮絶な心震わすヒューマンドラマ
鬼才 #ダーレンアロノフスキー 監督
『マザー!('17) 』以来5年ぶりの作品は
舞台劇の映画化
主役を演じた #ブレンダンフレイザー
メーキャップに4時間
45キロのファットスーツを着用し
チャーリーの巨体を作り上げた
舞台劇のような
室内だけで展開される5日間
心を病んだチャーリーが
最期に見たかった景色
見られた光
フレイザーの驚嘆すべき演技に拍手
心の隙間を食べ物で埋めたかった。
最初に彼が立ち上がった時、これは本当に鯨だわ!と思った。大海原を漂う大きな鯨。
心と体は一体化する。
重く引きずる肉のように溜まり続ける心の澱。消えない悲しみと、その心の隙間を食べ物で埋めた代償としての脂肪。
どうにもならない心と体を最後にフルに動かしてでも、彼が得たかったものとは。
何度も涙の波に襲われたけど、最後も我慢できなかったねー。
体が大きすぎて家から出られないという設定なので、本当に背景は家の中だけで、外から人が入ってきてそれぞれの人間ドラマが繰り広げられるのだけど、言われるまで家の中だけだったことに気づかなかった。
回想シーン以外は全部家の中!
その回想も同じ場面だけだから、本当に家の中だけの話だったんだなと今新たに感動しております。
あの中だけで繰り広げられていたとは思えないほど、色んなものが大きく見えたわ。動きも展開も人と人との感情のぶつかり合いによる場の空気も十分に見せてくれたなあ。
セイディちゃんはストシンしか知らなかったので、常にイラつき全てを踏み倒して行く思春期の制御不能なパワーをすごく上手に演じててすごかった。
主演のブレンダンと十分に張り合ってるように見えた。
『My 600l-lb life』が好きで娘とよく観ているんだけど、皆大きくなる理由が家庭内での愛が足りなかったことが多い。
彼も大きな愛の喪失から大きくなったわけだけど、結局ここまで体も大きくしてしまうというのは、自分の体を大事にしていないことにもなるのでやはり心と体は一体化しているんだなあと改めて思った。
娘には自分を大事にできる人間に育って欲しい。
今年の主演男優賞はブレンダン・フレイザーだな
とにかくブレンダン・フレイザーの演技が素晴らしかった。
チャーリーは歩行器なしでは歩くこともできないくらい超太ってるんだけど、そんな姿になってしまうほど愛するアランの死がショックだったんだな…娘のエリーのことも本当にずっと想い続けてたんだな…ということが、アランのことを話す時の表情やエリーを見つめる眼差しからひしひしと伝わってくる。
こんなに太ってて死にそうなのに悲観的にならずに笑顔を見せるチャーリーが可愛らしかったけど、大笑いしたあとは必ず咳こむからそれが逆に体調の悪さを際立たせて心配になった。
リズ役のホン・チャウとエリー役のセイディー・シンクの2人もすごくよかった。リズもエリーもアル中ママも眞栄田郷敦似の宣教師くんもピザ配達員も、登場人物がみんなどこか思いやりがあって、明るい話ではなかったけど見ていてほっこりした気持ちになれた。
チャーリー先生が言っていたように正直に感想を書くことが大事なのであれば、この映画を見て僕が思ったのは「ブレンダン・フレイザーが主演男優賞とるだろうな!」である。
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