劇場公開日 2023年4月7日

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「まるで舞台を観ているような臨場感でした。」ザ・ホエール のりたまちびさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5まるで舞台を観ているような臨場感でした。

2023年5月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

ほぼ主人公の部屋の中で、物語が進んでいきます。
まるで自分がその部屋の中にいるように感じました。

だからこそ、主人公の200㌔を超える体型が暑苦しいです。
妊娠中、私も臨月に10㌔体重増加した経験があります。
歩く、立つ、寝るなど、ひとつひとつの動作がしんどかったです。
だからこそ、主人公の大変さには同情しますが…。
同時に、よくその体重をキープできるなとも呆れます。
アメリカの食べ物は、ひとつひとつカロリーが高い上に、かまなくていいものが多いので、満腹感も日本食に比べると感じにくいんですよね。
私も、アメリカ滞在時、ひと月で5㌔太ったことがあります。
体重200㌔以上は、治療が必要なレベルだと思うけれど、大人に受診や入院は強制するのは難しいですね。

思春期の娘が、自分を捨てた父親を訪れることには、驚きました。
暴言や素行の悪さは思春期あるあるな気がしますが、彼女のもろさは父親の責任大でしょう。
お金を遺すことよりも、まず、我が子より己の欲を優先したことを誠心誠意謝って欲しいです。
親に十分に愛されなかった人の飢餓感を、他人が癒すことは難しいです。

「白鯨」のフレーズが、映画の中で引用されています。
あることに執着して、例えそれを成し遂げても、人生は変わらない。

ラストで主人公が解放された瞬間、私も視界が開けた気がしました。

のりたまちび