劇場公開日 2023年4月7日

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「大学レベルの文学やエッセイを教える「教育者」」ザ・ホエール HBペンシルさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0大学レベルの文学やエッセイを教える「教育者」

2023年4月13日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

怖い

知的

アメリカには歩行器なしではいられない重症の肥満症患者がたくさんいる
この主人公チャーリーは、医療保険や生活保護のみで暮らすニートやひきこもりとは違う
大学のオンライン授業で文学やエッセイを教える知的な教育者である

4時間以上も要するメイクとファットスーツを着たブレンダン・フレイザーの演技は、
ファットフォビア(肥満恐怖症)やボディシェイミングを煽るような痛みと恐怖も感じられる
一方、「正直でいろ!」「正直な気持ちで書け!」「あなたは素晴らしい」「美しい人間なんだ」っと他人を鼓舞するセリフも出てくる

この映画を見て号泣してしまうのは
チャーリーの自己的な贖罪と償還を
他人の自己として見過ごせない人間の本質が描かれているからだ

孤独でひきこもり経験のある人
思春期の子どもに手を焼く両親
宗教観の違いによる悩み
死を看取る上でのあり方など
どのテーマも決して他人事とは思えない映画だった

HBペンシル