劇場公開日 2024年12月6日

「純粋な人助け?それとも下心?」ホワイトバード はじまりのワンダー おきらくさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0純粋な人助け?それとも下心?

2024年12月10日
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まず序盤に描かれるものはユダヤ人への差別。
この映画を観れば子供でも「人種差別は良くない」ということが理解できる作りだと思うので、その意味ではこの映画を観る価値は十分あると思う。
ただ、観ていて「日本も同じじゃん」とも思った。
この映画でユダヤ人がされていることと、今の日本で移民難民がされていることが重なって見え、例えばクルド人へのヘイト活動をしているような人がこの映画を観たらどう感じるのか、興味が湧いてしまった。

この映画で残念だったのは、ジュリアンがサラを助ける前からサラに一目惚れしていたところ。
こんな設定のせいで、ジュリアンがサラを助ける理由が純粋な利他的行動に見えず、弱みに漬け込んで好きな相手を思い通りにしているようにしか見えなかった。
ジュリアンがサラに勉強を教える場面は、ジュリアンに下心(という言い方は言い過ぎかもしれない)があることを考えると、観ていて正直「キモい」と感じてしまった。
ジュリアンはサラが美人でなくても同じことをしてくれたのか、と余計なことを考えながら観ていた。
恋愛要素がノイズに感じられたので、この映画に恋愛要素は必要なかったと思う。

祖母がいじめの傍観者であったことを後悔していたのに、孫がいじめの加害者になっていて、遺伝の難しさを痛感。

おきらく