劇場公開日 2024年12月6日

「いじめとユダヤ人狩り」ホワイトバード はじまりのワンダー りあのさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0いじめとユダヤ人狩り

2024年12月8日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

興奮

いじめの加害者として退学処分となり転校したジュリアンの所に、パリから祖母サラが訪ねてきた。孫を心配するサラは、彼に自身の少女時代について語った。1942年、ナチス占領下のフランスで、ユダヤ人のサラは、ユダヤ人を捕まえるために学校に来たナチスに連行されそうになったが、同じクラスで孫と同名の少年ジュリアンに下水道を通り逃げるのを手伝ってもらい、彼の家の納屋に匿ってもらった。その頃、ポリオで片足が不自由となりクラスでいじめられていたジュリアンに関心を払わなかったサラなのに、ジュリアンと彼の両親はナチスのユダヤ人狩りから守ってくれた。納屋から出れないサラに学校での勉強を教えてくれるジュリアンに対し、サラは次第に好意を持つようになり、終戦が近いというニュースが流れたが、ジュリアンは朝の通学で日頃通らない道を歩き、いじめっ子に見つかりナチスにチクられ、連行され・・・そんな過去を孫に語るサラおばあちゃんの話。

これもナチスによるユダヤ人迫害なのか、と悲しくなって観てた。いじめをする方は長いものには巻かれるタイプが多いのか、ナチスに協力して銃まで持たされ、ユダヤ人なら同級生でも撃ち殺しても罪に問われなかった、と言うのが異常なのだが、当時はそんな異常行動を異常だとも思わなかったのだろう。洗脳、教育とは恐ろしいものだ。
いじめはいけない、と孫に伝える必要性を感じ、孫の名前に過去愛した彼のことを語る祖母サラ。演じたヘレン・ミレンは流石だった。
本作では少女時代のサラが主役で、アリエラ・グレイザーの必死の演技が素晴らしかった。そして可愛かった。

りあの