「カンバーバッチの演技力に驚かされる!」ルイス・ウェイン 生涯愛した妻とネコ とろりさんの映画レビュー(感想・評価)
カンバーバッチの演技力に驚かされる!
正直いうと、“ルイスウェイン”という方も、この方の作品の猫ちゃんの絵も知らず、邦題の「生涯愛した妻と猫」という言葉に釣られて鑑賞。
「猫ちゃんの絵が大成功して、奥さんとのハッピーライフを送るルイスさんのお話かな〜」なんて思いながら観てたら、思ってた以上に重いストーリーでかなり驚いた。
このストーリーに、より重さを与えていたのは、やはり主人公を演じたベネディクト・カンバーバッチの演技力。
もう、誰がみてもルイスウェインとしか思えないほどに役がハマっていて、風変わりな男を見事に演じていた。
思っていた以上に奥さんと猫ちゃんとの楽しい生活は短く、あとは悲しくて暗い残りの人生が続き、観ていてこちらも辛くなる。
さらに、家庭教師と上流階級の長男との結婚が、こんなに長い間一家の不幸事として降りかかり、妹たちの結婚にまで響いてしまうのかと驚き。
まぁ妹たちはもしかしたら性格も問題あるのかも?だけど…笑
猫の絵で一世風靡なんて時代が違ったらもう一生安泰かもしれないのに…
昔は昔で生きづらいなと感じた。
最後、老人ホームで冒頭に出会ってたまたま絵を描いてあげたポメラニアンの飼い主さんと再会したときは思わず涙…
彼はかなりの変わり者でおかしな人だったかもしれないけれど、実は周りに恵まれていたのだなと胸が熱くなった瞬間だった。
ポメラニアンの飼い主さんとの会話で、「奥さんがあなたに猫の絵を描いてほしいと言ったのは、人との繋がりが切れないようにするため」の言葉にすごく感動した。
それと、この老人になってからのカンバーバッチの演技がもう素晴らしくて素晴らしくて…
カンバーバッチが本当に高齢になったのではないかと錯覚するほどだった。
おそらくこの邦題がなかったら観なかった作品で、この邦題でもカンバーバッチの演技力がなかったら途中で観るのやめてた気がする。