はい、泳げませんのレビュー・感想・評価
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きちんと観ればとてもいい作品だと思う
長谷川博己が演じた哲学者で大学教員の主人公の精神世界が作品の中心で、彼以外の登場人物は類型的に描かれる。
それはカメラワークにも現れていて、相手役となった3人の女性を真正面から撮ったシーンが多かった。つまり主人公小鳥遊雄司の視点である。
その分女優さんたち演じる役の扱いが軽くなったのは致し方ない。綾瀬はるかの役には少しだけエピソードがあったが、麻生久美子と阿部純子の役にはそれさえなかった。特に元妻は、軽佻浮薄で思慮に欠けた底の浅い関西弁のおばさんで、誰からも嫌われるタイプだ。哲学者の主人公がこんな女を好きになる筈がなく、本作品で唯一リアリティに欠ける設定だった。演じた麻生久美子には気の毒な役柄である。
長谷川博己の演技はとてもよかった。哲学者は基本的に他人の人権を尊重するから、話し方が丁寧になるし、すべての価値観は相対化される可能性があることを知っているから、一方的な話はしない。元妻は家族ではないのだから、丁寧語で話すのは当然だ。それに対して、元妻が横柄な関西弁で一方的な話をするのはおかしい。夫を尊敬していれば多少なりとも影響を受けるはずだが、結婚生活で何の影響も受けていないようだ。尊敬のないところに愛はない。つまり元妻は小鳥遊のことを少しも愛していなかったことがわかる。その意味では、麻生久美子の演技も的を射ていた。
精神と肉体は同じひとつの身体にある以上、密接に関連している。脳は自分の身体、つまり五感からしか情報を得られない。そのうち人間はテレパシーが使えるようになるかもしれないが、いまはまだである。身体の不調は精神の不調につながる。もちろん逆もある。
精神の不調は適度な運動や十分な睡眠によって改善される。それができない人には薬品が処方される。薬品は精神ではなく身体に作用するもので、運動や睡眠の代替方法だ。運動や睡眠や薬の他に、場所や習慣を変えるという方法もある。五感に入ってくる情報を変えるのだ。江戸時代には温泉地に長期逗留して湯治をしたという話がある。
本作品では、水泳が湯治の代わりになっている。水に触れたり水の近くに行くことは人間にとって優れた癒やし効果がある。大抵の観光地は海辺や湖や川の近くだ。プールに入ったり湯船に浸かったりするのも同じことである。緊張しているときに水で顔を洗うと、緊張がかなりほぐれる。個人的な体験だと、結婚式のスピーチでは効果覿面だった。
小鳥遊雄司の苦悩は結婚式のスピーチよりもずっと深刻だが、体を動かすこと、水に触れること、そして小さな成功体験によって前に進むことができるようになる。哲学者あるいは哲学的な人は現実が迫ってくると、現実から遊離した思考に逃げ込みがちだ。小鳥遊はその典型だが、自分の哲学と自分の現実は異なっていて、現実を哲学的に受け止める必要がないことに気づく。理論と情緒は別なのだ。
本作品は、トラウマを抱えていたり、鬱病で悩んでいたりする人が、薬を山ほど処方するだけの精神科医にすがるのではなく、日常的な行動で乗り越えられる可能性を示している。スリルもサスペンスもなくてストーリーは坦々と進むが、きちんと観ればとてもいい作品だと思う。
素晴らしい映画、見て大正解でした。生きる事を考える時間です
タイトルからコメディかと思って見に行きましたが、コメディではなく、とても重いヒューマンドラマでした。
前日に、レビューの星の数を見ましたが、低めだったので、躊躇したのですが、見に行って大正解でした。
とても良い映画だったと思います。
ただ、ハマる人とハマらない人を選ぶ映画だと思います。
主人公の設定は、子供を事故で亡くし、離婚して、自覚はしていないが(?)、生き方に迷いがある。
事故から子供を救えなかったこと、前妻と不仲になってしまったことを整理できず、新たな出会いにも恵まれている。
過去のネガティブなインシデントが整理できずに、悩む経験がないと、なかなか共感に至ることが難しい映画だと思いました。
歩くときには、無意識のうちに両方の足を交互に前に出す。目的地を意識しなくても、無意識に歩き回ることもある。
泳ぐことも、無意識のうちに腕を動かし、息継ぎをできるようになる。
人生も生きる目的を設定しないと生きていけないという考え方は捨てたとしても、生きていけるという事を言いたかったのだと思います。
随所の表現に突っ込めるところの多い映画ですが、内容は素晴らしかったと思います。
また、配役も適役だと思いました。
まあ、まあ、
綾瀬はるか✖️長谷川博己=⁇
上?上?上ってどこですか?天国とかですか?
正直なところ、ちょっと何言ってるのか分からないんですけど。勢いって言うか、雰囲気って言うか。綾瀬はるかだから、もうどうでも良いって言うかw
テアトル配給で、本当に久々にマジ泣きしました。イヤ、子供を使って泣かしに来る魂胆は気に入らない!ってのはありますが。必殺の低いフックを溝落ちに喰らいました!
前に進めない。後ろにも行けない。思い出せない。明日のことも考えられない。もう、このニッチもさっちも行かない、がんじがらめの自己呪縛。
思い出す事。後ろを振り返る事。過去と向き合い振り切る事。そこで、やっと前へ進み出せる。
この焦ったさが、何故か許せると言う。
綾瀬はるか→麻生久美子→阿部純子、と言うリレーに誤魔化されてる?
何にしても、コレは良かったです。
公園のアレには不意を突かれた、完全にw
冒頭からの音楽に乗った進行が「アメリカ映画」的過ぎて、嫌やなぁ、って思いながら見てましたが、この演出が終わったマンションの場面からが好き。
良かった。
結構。
思った以上に、、、
そう、忘れたい事が思い出せない〜!
長谷川博己と綾瀬はるかのダブル主演でラブコメかなと思っていたら、全く違ってました。しかも綾瀬はるかは助演だったね。
自分のせいで息子の命を守れなかった事を引きずって生きてきた小鳥遊(たかなし)が、恋愛をきっかけに42にもなって泳げるようになりたくなる。しかも、本人は息子を無くした時の記憶が無い。この設定、きびしい〜!だって辛くて忘れたいのに、忘れたい事の記憶がないんだよ。辛いって事だけが記憶じゃ、前に進めないよ。
そこで出会ったコーチの薄原、彼女は彼女でトラウマを抱えている。これはちょっとコミカルな動きだったけど、かなり辛い記憶だ。しかしそっちの話はほとんど触れられなかた。彼女の仕事は水泳の指導だけ。彼女の水泳の為の言葉を小鳥遊がどう受け取るかがポイントだった。
周りの人達には分からない小鳥遊の辛さが胸にズシズシ刺さってきて、何度もウルウルしてしまった。とても良かったです。自分もメンタル強化の為に水泳始めたくなっちゃうくらいにね。
それにしても、あそこまで水の怖い人って存在するの?
がっかりだ
綾瀬はるかさんのファンで、彼女の演技を見たくて行ってきました。
ですが、見てみると綾瀬さんの出番ってほとんどない。
完全に長谷川博己さん主役です。彼が好きなら星4や5はあるかもしれません。
僕は長谷川さんの事はなんとも思ってませんし、W主演ならいいかなと思って行ったものですから、すごく拍子抜けした気分です。
話も別にこんな話が見たかったんじゃなかったです。
個人的に言わせてもらうなら、はっきり言ってつまらなかった。
綾瀬さんが見たくて行くなら、ある程度覚悟して行った方がいいです。
僕は最近他の番組を見てても思うのですけど、みんな綾瀬さんの使い方が下手くそすぎると思う。
綾瀬さんの魅力を生かしてる作品がどれだけあるんだろうか。
バラエティ番組を見ている方が綾瀬さんの魅力を感じられて楽しい。
この映画も、綾瀬さんがいるからかろうじて見てられると思った。
つまらない内容が延々と続いた先で、綾瀬さんが出てくれるから救いになる。
でなければ最初の数分で映画館を出るレベルだと思いましたよ。
館内がガラガラだったのが、それを物語っているなと思います。
面白そう〜〜〜……で?
期待しないで観たら面白かった
水の中と外、コメディかと思いきや実はシリアス
笑わせてくれるかな程度に観に行ったのですが、いい意味で裏切られました。
前半は映画のタイトルや予告の通り、泳げない主人公は大学教授で
かなり理屈ぽっく、言い訳から入り、すぐに逃げ出す、頭でっかちなタイプ。
泳げないどころか、水に顔をつけることさえできなかった彼が、
スイミングスクールに通い、コーチやおばさん4名に
なんやかんや言われながら、少しずつ水恐怖症を克服し、泳げるように・・・
しかし、その泳げない主人公にはさらに深いドラマがあり、
とてつもない悲しい過去、トラウマを持っていた・・・
そんな彼を前に向かせるコーチの言葉、人生再生といったストーリー。
最後の過去に向き合い、貯金箱が転がった後のシーンや、
水中ハグはちょっとうるっときました。
外から水の中は見えないが、水の中から外も見えない、別の世界だとか、
水泳と人生を重ねてみたりとか、いろいろな対比を描いているところは
なるほどなぁ~と。
いろいろと悩んだりしている人には前向きになれる映画かもしれない。
上に進めばいいじゃない!
原作未読です。
原作があることを知らなかった。(ごめんなさい)
ライブビューイング
上映後公開記念舞台挨拶中継付きが、ちょうどあったので
そちらで観ました。
綾瀬はるかさんが好きなので
中継とはいえリアルタイムで観られるなんて!とっても嬉しかったです。
他の方のレビュータイトルをチラッと見ていたので
ライブビューイング目当てとはいえ
かなり不安でしたが…
感動しました。
何度かグッと込み上げてきて泣きそうになりました。
表現の仕方が意味不明、ホラーみたいに感じる方も一定数いるのかもしれないですが
きっと本を読む時には頭の中で
想像するであろうところを
映画、映像にすると
こういう感じになるだろうなと
納得しましたし
分かりやすかったので、すんなり気持ちが沿っていけたのかなと思います。
ただ…BGMが残念
ホラーのような恐怖を駆り立てる曲?俳優さんの演技で十分!
BGMを流さなくてもいいのにって思いました。
あとは、納豆のくだりと小鳥遊美奈子さんの関西弁が
浮いてるというか、しっくりこなかったです。
納豆のくだりこそ「頭の中の想像を映像に」という感じかもしれませんが
あれはワザワザあんな形で表現しなくてもいいでしょう。
あれがあることでギャグ映画なの?っとコミカルが過ぎるという印象を受けます。
関西弁は、違和感でしかなかったです。どうしても関西弁でないとならなかったのでしょうか?それなら、違和感のないキャスティングをしてもらえたらなと残念でした。
ただ、観ているうちに慣れてきて気にしないように鑑賞できました。
誰しも多かれ少なかれ、人に理解されないようなコトやトラウマがあるでしょう。
その程度も人それぞれ。
辛い、悲しいから直ぐに涙が出る訳ではなく、涙を流すタイミングも流さないから何も感じていない訳ではないということ。
一人一人違うということ。
そのモノに対する向き合い方も人それぞれ
ただ、向き合おうとしている時の人との関わり、出来事はとても大きいのだなと感じました。
辛い経験も大切な人達や自分のために克服しようと一歩踏み出す勇気
小鳥遊雄司も薄原静香も、その一歩が踏み出せた人達
踏み出せないと悩む人がこの映画を観たら、それがキッカケに繋がるのかもしれないなと感じました。
Little Glee Monsterの新曲2曲
が起用されているとのことで
ライブビューイングにもゲストで登壇していて
中継とはいえ生歌唱を観れたのは、とてもluckyでしたが…
そちらに気を使い過ぎているような舞台挨拶で
肝心の綾瀬はるかさんや長谷川博己さんのお話があまり聞けなかったのが残念でした。
個人的に「magic!」は映画に合っていないような…
「生きなくちゃ」は良い曲だと思いますが、映画の余韻を楽しむには、ちょっと不向きかな?と感じました。
「前にも後ろにも進めないなら、上に進めばいいじゃない」
このセリフを言っている綾瀬はるかさんがよかったです。
あとは、なんと言っても
長谷川博己さんの演技がとても光っていました。
全体的に良い映画だったと思います。
水より怖い女心
子供の頃海に落とされたトラウマで水嫌いになった42歳カナヅチ教授が、水泳教室に通う話。
水に顔をつけることも出来ない泳げませんな男に、車が怖くて外を歩けませんなコーチが指導するコメディ。
と思いきや、無の先にある記憶の音を思い出し、過去の記憶と失った記憶に向き合うお話しですか…。
何があったかは早々にわかってしまい、そんな中でプールに入り、逃げて、そして又プールに入り、and more…と少しずつ振り返り向き合っていく主人公。
理屈で考えず違う世界に入り込み、そして受け入れ向き合いという物語は悲しく温かく良かったけれど、ちょっとみえみえ過ぎたかな。
そしてなにより、なんであんな無理矢理関西弁キャラ出しますかね…悪い意味で気になって仕方なかった。
ちょっと残念な感じ???
長谷川さんのファンです。
六本木の舞台挨拶で観賞しました。
久しぶりの映画出演、しかも綾瀬はるかちゃんとの共演ということで、
かなり楽しみにしてました。
原作も先に読みましたが、映画はかなり脚色してあるので、全く別物と思っていいと思います。
映画は全体的には、まあ良かったのかな~。
笑えて、泣けるシーンもありました。
長谷川さんの演技はとても良かったし、サービスカット(?)も有難かったです。
麻生さんも素敵でした。
ただ、はるかちゃんのバックボーンをもう少し描いて欲しかったし、美容師さんともどうして結婚まで考えるようになったのか?
あと、監督のこだわののカット割りや、セリフを繰り返すシーンとか、ちょっと「う~ん」って感じたところもありました。
それに、せっかく綾瀬はるかちゃんとのW主演というならば、はるかちゃんともっと絡んで、最後は結ばれても良かったのかな~。
また、リトグリの歌も劇中で使われず、2曲ともエンディングって、もったいないなあ~と感じました。
なんか、もう一捻り欲しかった感じです。
舞台挨拶の意味が
コメディとみせかけて?
ゴーグルなしダイブハグは良かったよ!
前半と後半で物語のトーンが大きく変わる。予告編ではいまいちわからなかった、どのように落とし前をつけるのかという疑問にはしっかりと応えてくれた作品。
ただ、コメディーパートがあまりにも弱い。おば様4人の演技は良いんだけどデフォルメを強く感じるし、言葉遊びのギャグも「嘘でしょ!?」っていうレベルなのがなあ。
あと、意図的なのかはわからないけど、カメラが止まってほしい時に止まらないのと、カット割が安直に感じてしまったことと、そもそも画質を落としていることへの効果が見いだせなかったのも残念。
ほぼラストのシーンでもいちいち言わなくて良いことを言ってるような気がして…(あなたが好きなら好きと言えばいいのに 〇〇を忘れないって言わなくてもな…)
長谷川博己さんの某ドラマの高等遊民を思わせる演技は凄く良かったし、綾瀬はるかとのゴーグルなしダイブハグは名シーンでした。綾瀬はるかの問題は解決してないような気がするし、水では力を抜くように言っていた綾瀬はるかに対してのひと押しがあっても良かったのかなとは思う。
意外と重い作品でした。
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