劇場公開日 2022年6月10日

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「コメディだけでいいじゃん、シリアス脚色部分は全カットでよかった。」はい、泳げません ソビエト蓮舫さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5コメディだけでいいじゃん、シリアス脚色部分は全カットでよかった。

2025年4月8日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

予告編の印象だと、よさげな雰囲気を感じたのだが、
いざ鑑賞してみたら、「下回ってきたなぁ」というのが第一の感想。
思ってた以上に重い話で、水中だけに心の闇に深く潜っていくような話で、
準備体操不足だったのだろうか、足がつったような感じのする映画だった。

頭でっかちで、屁理屈じみた会話しかしない、大学教授の主人公。
長谷川博巳の、いかにも得意そうなキャラクターだが、
最近はそういう役ばっかりで、
頭でっかちキャラしか出来なくなるんじゃないか、という不安もよぎる。

前半の、スイミングスクールで泳法取得にひたすら励む場面では、
随所にその屁理屈キャラがハマり、仲間のおばちゃん連中たちから、
イジられ面白がられ、コメディ的な盛り上がりを見せるのだが、
後半、シリアスな方向に転換し始めると、
そのキャラクターが色んな所で邪魔になるのだ。

そもそも、原作は、著者のスイミングスクール体験記をまとめただけのストーリーで、
後半部分は、完全な映画制作側の脚色部分に該当する。
つまり、映画化したことで、オリジナルな部分が違和感だらけになるのだ。

主人公と元嫁のキャラが、そもそもこの2人が出会うのか?という感じだし、
新たな彼女として登場していたシングルマザーも、あの屁理屈男が?という感じで、
全くシックリこない。整合性がないのだ。

これは俗にいう改悪になるのではないだろうか。

かつて「南極料理人」という映画があったけれど、あれも、原作のノンフィクションというか、
日記本の良さをとどめつつ、
それ以上のオリジナル要素のぶっこみはほとんど無かった。
変哲もない話で終わったと言えばそれまでだが、変な脚色が無い分、
評価された「原作の味」がする映画で、それはそれで良かった。

でも「はい、泳げません」の場合は、原作の味がするのは前半だけ。
それ以降のシリアス部分は「余計」であり「邪魔」であり、
原作の足を引っ張る要素にしかなっていない。

正直、尻つぼみ感は拭えず、綾瀬はるかが演じる静香先生の、「陸が怖い」という設定も、
おそらく脚色なのだろう、全くもって余計な設定で、邪魔で、伏線回収すらされない、
「あの設定は一体なんだったのか」という、大いなる疑問を残すだけだった。

綾瀬はるかの肉体容姿美を、映画の「客引き要素」にしか使えておらず、
本当に無駄遣い極まりないなと思った。

カナヅチ屁理屈男の水泳教室体験記だけで良かったじゃん、コメディだけでいいじゃんって思った。
後半の息子がどうこうのシリアス部分は、ほんとどうでもいいので、
感想も何もない。考えるだけ時間の無駄だ。

とりあえず、綾瀬はるかの水着姿だけで、点数はやや高めにしといたけども。
('ω')ノ

ソビエト蓮舫
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