「終わり良ければ、すべて良し」はい、泳げません 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
終わり良ければ、すべて良し
ラストはじんわり感動が込み上げてきました。
それまでのギクシャクもイライラも帳消しになりました(笑)
子供を亡くした喪失感と後悔を引きずるタカナシ(長谷川博己)。
彼が《水を回避し続けている》
それには深い理由があった。
ある日水泳教室のポスターを見て、誘われるようにスイミングスクールに
入会する。
正直言ってリズム感に欠けるギクシャクした印象の映画です。
それは大学で哲学を教える長谷川博己の、本質的には良い人なのだが、
ウジウジと屁理屈をこねるキャラ。
長谷川博己だから嫌味に見えないけれど、相当に捻くれてます。
特に元妻の美弥子(麻生久美子)の関西弁には違和感があり過ぎます。
タカナシが美弥子になぜか敬語で話すのも、変でしたね。
素直でないのがこの映画の特徴かも。
綾瀬はるかのポスターを見て、
「美人だなぁ」って、ついつい足を運んだんでしょ!!
(タカナシ先生の場合、下心はないのです、それはよくわかる)
私も3年間スイミングスクールに通ってましたけれど、
テクニックは習ったけれど、静香先生のような《精神論》は
無かったですねー。
ある意味で静香の教え方は心理カウンセラー的です。
もちろん結果的に静香は水泳を教えることで、タカナシのトラウマ
(救えなかって息子のこと)から解き放つ役割を果たす。
水が怖い男=タカナシ。
クルマが怖い女=静香。
静香のそれは、交通事故で道路を歩くのが怖くなったからで、
(綾瀬はるかの傘で身を護る歩き方・・・めちゃくちゃ変、
(だけど実際に自分が生きるか死ぬかの怪我をしたことないから、
そりゃあ、怖いと思います、!トラウマなる!!
タカナシは立派に水の恐怖を乗り越えて、
新しい生活のスタートも切れる。
不思議ともう大丈夫!!
タカナシ先生の今後に太鼓判を押して、安心できる映画でした。
歴代でも手の掛かる生徒ナンバーワンのタカナシを攻略した
静香先生のチカラと努力はMAXでした。