「再生」はい、泳げません コージィ日本犬さんの映画レビュー(感想・評価)
再生
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期待もせず観に行ったんですけど……いい意味で騙されて、楽しめました。
予告編からはてっきり、泳げないハセヒロと、泳げるけどまともに歩けない綾瀬はるかの恋愛映画だと思って行ってみたら全然違いました。
大切な人を亡くしたことをきっかけに、自分の心と家庭が壊れてしまった、一人の中年男の人生の再生話でした。
頭の一時間は本当につまらないです。
長谷川博己の演じる哲学の中年大学教授である主人公が、やたらと理屈っぽいのが鼻について。
ところが!
腹が立ち眠くなる、そこを我慢した先にツボはありました。
おそらく家族や友人を亡くしたものの、その時には感情の整理がつかず泣けなかったが、のちに鬱っぽくダメージが出た……という体験があるか否かが、作品を評価する分岐点かなと。
人生の喪失と挫折は、水に溺れるのに似ているというのは、少しやり過ぎにも感じなくはないですが。
いくつか矛盾というか……
「濡れることやコップの中さえ怖がる水に対する恐怖症は、いままで風呂や洗顔どうしていたの?」
という疑問はなくはなかったが、作中で明らかになる「その事件」以降に悪化したのね、事件以降は、濡れタオルやウェットティッシュなどでどうにか過ごしていたのね、と好意的に解釈しました。
ただ、綾瀬はるかの役どころは、自身の交通事故の経験から主人公に共感する役なのは分かりつつも、屋外を歩くのが怖いという設定が生きてなかったようにも思います。
ここが、割と作品に入りにくくし、人によって評価を下げるポイントかもしれません。
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