はい、泳げませんのレビュー・感想・評価
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間違いなく編集を凝りすぎた、悪くはないが
「記憶」というものをテーマに置いたがために、人間の脳内のイメージをトレースするような映像編集、過去と現在が入り乱れる展開になり、それが見るもののテンションの矢印を何度も折るから、視聴体験としてストレスを多く与える(最終的には解消されるけど)ものになってしまった。
これじゃ人気は出ないですよ。監督はちょっと深めに反省した方がいいと思います。挑戦は買うけど、凝りすぎ。アート作品じゃないんだから。そりゃ客も入りませんよ。
どうしてもこの映像にしたいなら、脳内の記憶をテーマにおいて、泳げる泳げないはサブにしてもっとカットすべきだと思います。
でもなんでも詰め込んじゃうから訳のわからないことになる。
だけど結局泳げる泳げないが主軸にあるのなら、記憶と再生がテーマだとしても、
主人公、コーチ、別れた妻、現在交際している相手、息子、それぞれの視点や起こった出来事を時系列的に映像化して、主人公が記憶を失うもどかしさや怖さ、水に対して怖いと感じる感覚などを、観衆に理解してもらえる編集にした方が、絶対に共感が得られたと思います。
それは普通の展開、映像作品としては普通かもしれないけれど、映画は誰のために作っているのと言ったら、基本的には観衆のためですよね。なら、観衆が物語を理解して、一定のカタルシスが得られるように作ることを優先すべきだと思うのですよね。原作もあるのだし。
ので、本当は1点くらいしか上げられないなと思ったんですが、綾瀬さんや長谷川さんは滅茶苦茶頑張っていたし、原作者の作品は良いものだと思いますので、そこを加点して2.5点です。
役者の無駄遣い
何が描きたい作品なのか。悲劇なのかコメディなのか。両方をうまく扱えていないため、バランスが悪くて観ていて気持ちの折り合いがつかない。冒頭の『納豆シーン』が想像なのか現実なのかも明確にされておらず、いきなり意味不明で、しかも気持ち悪くて引いてしまい、そのまま前のめりになれずに観ていた。
主人公の長谷川博己、ヒロインの綾瀬はるか、麻生久美子はとてもいい俳優なのに、監督はそれを活かしきれていないと感じる。
主人公の現恋人役の女性があまり見かけない俳優で知らない。なのに、大事な所を持って行く役どころ。ここにこそ、もうちょっと魅力のある実力俳優を持ってこなきゃ無理があるだろうと思った。「この人じゃなければダメ」と感じないから、別れた時は何だかほっとしたし、ヨリが戻ると残念な気持ちになった。
それこそ、綾瀬はるかを恋人役にしてればよかったんじゃないのか。原作があるのか知らないけども。水着姿のかっこいい綾瀬はるかはよかったが、なんだかもったいない。
最後まで見るのが耐えられないので所々早送りしたり、倍速で見てしまった。
心に残らない映画。
人生は遠泳?
泳げないと命に関わる
主人公(長谷川博己)はバツイチの大学教授、ある時、泳げるようになりたい、とスイミングスクールに行く。
インストラクター(綾瀬はるか)は陸のかっぱタイプで、町中は苦手なタイプ。
教え、教えられるなかで、二人は人生を見つめ直す。
泳ぎも人生も理屈じゃないかも。
MVPはおばちゃんたち
泳ぎの上達っぷり
頭にクエスチョンが並ぶ映画
はじめの方の長谷川博己のコミカルな顔芸は面白かったし、関西弁を話す麻生久美子という貴重なのが見られたのもよかった(意外と上手だったし)。ただ、相変わらず綾瀬はるかの演技は風邪薬のコマーシャルのようだった。
話運びや演出に不自然で腑に落ちない点が多々あり、途中から見るのが苦痛になった。なんで理容師とレジ打ちの人が同一人物なのかがよくわからないし、綾瀬はるかのトラウマは放りっぱなしだし、そもそも、あのスイミングスクールには従業員が綾瀬はるかしかいないのか?小鳥遊先生はキャラ付けが不安定で、25メートル泳げるようになってからは矢口蘭堂が降りてきたみたいになってしまったし。
あと、泳げる、泳げない以前の問題で、子供が川遊びするときはライフジャケットを着用するべきであるということを再認識した。
軽いタイトルに対して重すぎる
はい、生きてません
作中の綾瀬はるか演じる静香先生の言葉を借りるなら泳ぐことは生きることだ。生きることとはただ息をしてその場にいることではなく前に進むことだ。
泳げない長谷川博己演じる小鳥遊が泳げるようになっていくことと前に進めるようになっていくことを暗喩的にも直喩的にも絡めたドラマで、観る前に想像していたようなコメディ作品ではない。
静香先生のトラウマも克服させてあげればいいのにという感想を読んだ。この作品はトラウマを克服する物語ではないのでこのままでいい。
主人公小鳥遊もトラウマを「克服」したわけではない。
タイトルの「はい、泳げません」は、質問、もしくは指摘に対する返事だ。答えたのが小鳥遊である場合、投げかけられた言葉は「あなたは泳げませんね?」か「あなたは泳げません」だ。
泳ぐことは生きることなのだから、「あなたは生きてませんね?」「あなたは生きてません」と言い換えることができる。
小鳥遊にこの言葉を言う人は静香先生だ。静香先生が言うということは静香先生は「泳げる」「生きている」といえる。
つまり静香先生はトラウマを抱えたまま前に進むことを選べた人で、止まったまま前に進めずにいる小鳥遊にとって、泳ぐことでも生きることでもよき手本なのだ。
トラウマは抱えたままでいいのだと、忘れたりなかったことにせずとも前に進めるのだと示すため静香先生のトラウマはそのままでいい。
物語も良かったけれど、いくつかの遊び心のある演出は映画的にも面白く、思っていた感じと全然違うけれど大いに楽しめた。
原作は泳ぐパートだけのエッセイであるらしい。本作のドラマ部分は全て原作にはないということだ。
泳げない人間が泳げるようになりたいと思うのはどんなときかというところから膨らませて物語を紡いだらしい。
原作の方は思わぬドラマチックさに感動し泣いてしまったそう。
中盤で小鳥遊の元妻が言う「今度はちゃんと助けたいんだね」は複雑でありつつも核心をつく。そして驚きとともになんだか感動的でもある。
『知性とは自分を変えようとする意思』我々は教養以外にそれが必要だ
『出産と比べたら、死ぬことなんてね』
と言う台詞があって
『みやこさん、ともやを生んでくれてありがとう』
に全て、かかってくる。
『人はなぜ生きるか?』
『人は日々新しい発見があるから生きている』
本当に悲しい時は涙が出ない。
そうさ!『トラシカ』になった。イヤイヤ、『トラウマ』だ!
相変わらずのお涙頂戴アイドル映画なのだろうが、矛盾なくストーリーが展開する。
『生きなくちゃ』って66歳の僕でも知っている『リトル・グリー・モンスター』だ♥
一つだけ画竜点睛を欠く部分がある。商業主義の映画だから仕方ないだろうが、CASTが一人多いと感じた。
そこらかしこに違和感
主人公が苦手だったり、新たな事に挑戦していく事で世界が広がったり、成長する映画は観ているこちらも勇気を貰えて元気になれます。
コンプレックスがトラウマとなり、コンプレックスを克服する事でトラウマを乗り越えていくような映画は希望を感じられます。
こちらの映画はそのような映画なのかなと思って見始めて確かに内容的には当てはまるのですが観ていてしっくり来ませんでした。
説明不足感が強くて急に主人公の大学講師が女性と小学生の男の子と遊んでいるシーンが出てくるのでてっきり奥さんと子供かなと思ったら違ったり、麻生久美子さん扮する女性が一体誰なのか途中まではっきりしないまま進んで行きます。
時間軸も曖昧でいつの時代で誰が誰なのか分からなくて観ている側がそこまで状況を汲み取って察するような映画内容でも無いのにちょっと面倒だなと思いました。
そしてシングルマザーの女性の髪型が理容師さんにも関わらずとても現代の若い女性がする髪型とは思えないし(そして一旦関係が疎遠になって再会した後にストレートにしていて更に謎)、麻生久美子さん扮する元妻が何故関西弁を話しているのか(それに関西弁がおかしい)、大学生カップルの結婚話などあちらこちらに違和感がありまくり。
それにまだ付き合っている訳でもないシングルマザーの女性が綾瀬はるかさん演じる水泳教室の講師に何故会いに行って話をしているのか。
とにかく引っ掛かりが強過ぎました。
長谷川博己さん演じる大学講師が主婦達と一緒に水泳をしながら少しずつ泳げるようになるシーンは唯一ほのぼのしながら観れました。
終わり良ければ、すべて良し
ラストはじんわり感動が込み上げてきました。
それまでのギクシャクもイライラも帳消しになりました(笑)
子供を亡くした喪失感と後悔を引きずるタカナシ(長谷川博己)。
彼が《水を回避し続けている》
それには深い理由があった。
ある日水泳教室のポスターを見て、誘われるようにスイミングスクールに
入会する。
正直言ってリズム感に欠けるギクシャクした印象の映画です。
それは大学で哲学を教える長谷川博己の、本質的には良い人なのだが、
ウジウジと屁理屈をこねるキャラ。
長谷川博己だから嫌味に見えないけれど、相当に捻くれてます。
特に元妻の美弥子(麻生久美子)の関西弁には違和感があり過ぎます。
タカナシが美弥子になぜか敬語で話すのも、変でしたね。
素直でないのがこの映画の特徴かも。
綾瀬はるかのポスターを見て、
「美人だなぁ」って、ついつい足を運んだんでしょ!!
(タカナシ先生の場合、下心はないのです、それはよくわかる)
私も3年間スイミングスクールに通ってましたけれど、
テクニックは習ったけれど、静香先生のような《精神論》は
無かったですねー。
ある意味で静香の教え方は心理カウンセラー的です。
もちろん結果的に静香は水泳を教えることで、タカナシのトラウマ
(救えなかって息子のこと)から解き放つ役割を果たす。
水が怖い男=タカナシ。
クルマが怖い女=静香。
静香のそれは、交通事故で道路を歩くのが怖くなったからで、
(綾瀬はるかの傘で身を護る歩き方・・・めちゃくちゃ変、
(だけど実際に自分が生きるか死ぬかの怪我をしたことないから、
そりゃあ、怖いと思います、!トラウマなる!!
タカナシは立派に水の恐怖を乗り越えて、
新しい生活のスタートも切れる。
不思議ともう大丈夫!!
タカナシ先生の今後に太鼓判を押して、安心できる映画でした。
歴代でも手の掛かる生徒ナンバーワンのタカナシを攻略した
静香先生のチカラと努力はMAXでした。
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