「☆☆☆★★★ いや〜何だコレ、面白い。 最近の北欧ホラーは全く侮れ...」ハッチング 孵化 松井の天井直撃ホームランさんの映画レビュー(感想・評価)
☆☆☆★★★ いや〜何だコレ、面白い。 最近の北欧ホラーは全く侮れ...
☆☆☆★★★
いや〜何だコレ、面白い。
最近の北欧ホラーは全く侮れん。
【カラス】
神話・伝承
太陽の使いや神の使いという神話や伝承が世界各地にある。元は違う色だったカラスの羽毛が、何らかの原因で真っ黒になってしまった、という伝承が世界各地にある。
視力が高い、見分ける知能もあるということから「炯眼」「慧眼」とされ、神話や伝承において斥候や走駆や密偵や偵察の役目を持つ位置付けで描かれることが多い。
ケルト神話
ケルト神話に登場する女神(戦いの神)モリガン、ヴァハ、バズヴ(ネヴァン)は、戦場にワタリガラスの姿となって現れる。もしくは、肩にカラスが留まっている姿で描写されたり、バズヴがカラスの化身であると伝承されたりしている。神といっても清廉や崇高な印象ではなく、戦場に殺戮と死をもたらす存在として描かれることが多い。
北欧神話
北欧神話では、主神であり、戦争と死を司る神、オーディンの斥候として、2羽のワタリガラス「フギン(=思考)とムニン(=記憶)」が登場する。このワタリガラスは世界中を飛び回り、オーディンに様々な情報を伝えているとされる。
ギリシア神話
アポロンとカラス
ギリシア神話では太陽神アポロンに仕えていた。色は白銀(白・銀とも)で美しい声を持ち、人の言葉も話すことができる非常に賢い鳥だったとされる。しかし、ある時にカラスは、天界のアポロンと離れて地上で暮らす妻コロニスが、人間の男であるイスキュスと親しくしている(見間違いとも)とアポロンに密告(虚偽の報告とも)をした。アポロンは嫉妬して怒り、天界から弓で矢を放ち、コロニスを射抜いてしまった。死ぬ間際に「あなたの子を身ごもっている」と告げたコロニスの言葉に、我に返ったアポロンは後悔し、きっかけ(密告した・虚偽の報告をした)を作ったカラスに行き場の無い怒りをぶつけ、その美しい羽の色と美声と人語を奪った。カラスは天界を追放され、喪に服すかのように羽は漆黒に変わり、声も潰れて、言葉を話すどころか、醜い鳴き声を発することしかできなくなった。
異説
異説として、アポロンの走駆や密偵、または水くみの仰せをつかったカラスが、地上で道草をしてしまい、地上の状況の報告または水くみが遅れ、「嘘をついて言い訳をした」または「コロニスとイスキュスの密会をでっち上げた」というものもあり、水くみについては、仕えたカラスの死後、天上に星座としてかたどったとしながらも、コップ座がちょうどからす座のくちばしに届かない微妙な位置にあることから、水くみの異説を裏付けるものとして捉えられている。
北米先住民
トリンギット族(クリンギット)とトリンギット亜族(チルカット族・ツィムシアン族・ハイダ族)に伝わるカラスは、創世に関わるものが複数あり、代表的なものとしては、「ワタリガラスが森を作り、人を始めとした生き物が住み着いたが、あるときに寒波が襲い、生き物は死に絶えそうになった。一計を案じたワタリガラスは、ワシに太陽まで飛んで行ってそのかけらを持ち帰ってほしいと頼んだ。ワシは承諾し、身を焦がしながらも火を持ち帰り、大地の様々な所に火を灯した。それが、生きとし生けるものの魂となった」というものがあり、この伝承の影響からかハイダ族は、カラス族とワシ族の2部族に分かれている。
その他のバリエーションとしては、人々が暗闇の中で何も持たず暮らしているのを不憫に思ったワタリガラスが、「二枚貝の暗闇の中から誘い出す」「神が隠した太陽を神の娘の子供としてカラス自身が娘に受胎して神の孫となって神に頼んで太陽を開放する」「天上界(空の家という表現)へ変装して忍び込み星と月と日を盗み出し、人々に開放する」といった各話に、「人々に暮らしや家を与える、作り方などを教える」といったものが付加される形で創世の神話がなっている。
以上、Wikipedia より
古くは太陽に仕えていた…と言われていた様ですが。北欧に於いては、戦場に死と殺戮をもたらす、、、となると、やはりカラスは多くの人から忌み嫌われる存在と言えるでしょうね。
幸せアピールが著しい母親。
映画は冒頭から、ハリウッド性ホラー作品等に多い、グダグタした描写等は無しに、いきなり真向勝負とばかりに本題へと突入。
スクリーンから不穏な空気が漂うまでが、まだほんの数分なのだから、最近のホラーに慣れてしまうと「早え〜よ!」と、ついつい思ってしまう。
そんな冒頭辺りからして既に面白いのですが。更に俄然面白くなるのが、少女に助けられた事で孵化し。少女に対して貢物を捧げる場面。
思わず吐瀉物として吐き出してしまう、其れを餌ととして成長して行く〝 それ 〟こそは〝 営み 〟に他ならない。
幼い少女を対象としてのこの恐ろしい描写。
以降、親の立場からすると《太陽》の存在と言える少女に、この快鳥は《仕え》て行く。
それゆえに〝 営み 〟以降。この両者の間にはシャム双生児の様な関係性が築かれる。
お互いがお互いの弱点を補い合う様に。
最後は【覚醒】したかの様な描写で、サクッと終わらせており。「いやいや!その先がもっと観たいんだよ!」…と、腹八分目で終わるので残念でもあり。いや、これくらいで終わらせるからこそ気持ちが良いとも言える、絶妙な塩梅なホラー作品でありました。
2022年5月4日 シネマカリテ/スクリーン1