「独特の世界観」ハッチング 孵化 mittyさんの映画レビュー(感想・評価)
独特の世界観
北欧ホラー、ビデオジャケット(ポスター?)の美少女とあやしげな卵が妙に美しく、どんなのか気になってしかたなかったのですが、自分のまあまあ好きな世界観でした。
母親の期待を裏切らないように、常に親の顔色をうかがいながら生活している主人公のティンヤ。気持ちを抑制した感じがよかったです。時には憂いある大人っぽい表情をしたり、あどけない笑顔を見せたり。母親から浮気相手との「恋話」を聞かされたときの困った表情(戸惑っている)なんかも、うまく表現していました。(それにしても、おとっつあんといえば、「ママは個性的だ、尊敬している」「テロ(愛人)もいい男だ」などと容認してしまうのが、気色悪かったです)
少女が温めていた卵が割れて孵化したとき、まさに「鳥」だったのですが、いつのまにか、人間のように変化し、ついには、「もう一人にティンヤ」になってしまう展開は中々、大胆でびっくりしました。
ティンヤがもう一人誕生した時点から、「もう一つの自我」なんだなと気付かされました。ティンヤの嘔吐したものを食する「その鳥」を見て、最初は気持ち悪〜いと思ったものの、あれは、ティンヤ自身が「吐きだしてしまいたかったもの」の象徴かなと思ったり。また、卵を大事に育てて、「アッリ」が暴れて困ってしまうティンヤでしたが、面倒をよく見て大切に育てる健気な姿が印象的。奥の深さを感じます。
最後、母は娘のティンヤを刺してしまいますが、ティンヤともう一人の自我が結局は合体(中和)?して、一皮剥けたティンヤが誕生したのではないかと自分は考えてしまいました。あの母は、生き残ったティンヤとともに、また、やりたい放題やるんだろうなあと思うと、ゾッとします。
余談ですが、愛人のテロはいい男でしたね。側転を失敗したティンヤに自分の格好悪い側転見せて、ティンヤの緊張を解いてあげたりで。テロはあんな母親と別れてよかった。よかった。笑
今晩は
北欧のホラーテイストの映画が好きなNOBUです。(けれど、一番好きなのは、ハートフルな映画です。)
近作で言えば「RAM」ですかね。
観る側に解釈を委ねるスタイルも好きなんですね。では。返信は不要ですよ。(眠いけれど、サッカーを観なくては・・。)