劇場公開日 2022年4月15日

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「余白がありすぎて釈然としない」ハッチング 孵化 tomatoさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0余白がありすぎて釈然としない

2022年7月18日
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色々と分からないことが多く、考察が必要な映画だった。
最初に室内に飛び込んできて、母と娘に二度も殺されるカラスは何だったのか?もしかしたら、このカラスの祟りの話なのかと思ったが、そうでもない。
孵化した「それ」が、鳥の化け物から少女へと姿を変えるのはなぜなのか?始めはカラスが卵を温めていて、次に少女が卵をかえしたので、「それ」は卵の「親」と同じ姿になるということなのか?
だとしたら、その目的は、カッコウのように実の子供に成り代わり、その親に育ててもらい、巣(家族)を乗っ取るということなのか?もし、そうなら、「それ」が最初に排除すべきは実の子供のはずだが、少女を殺すどころかなついているのはどういうことか?
それでは、少女と「それ」は、意識や感覚が連動しているようなので、少女が邪魔に思っている相手を「それ」が抹殺していくという話なのか?しかし、少女が、隣の犬や体操のライバルや母の恋人の赤ん坊を、嫌ったり、憎んだりしている様子はない。それどころか、少女を抑圧し、最も抹殺されるべき存在である母親こそが、真っ先に「それ」に襲われて然るべきだと思うのだが、そうはならないのはどういうことか?
そうこう考えているうちに、唐突にラストを迎えるが、オチがつく前に話が終わってしまったという感じが強いので、もう少し先が観たかった。

tomato