「あなたの中にも、ソレはいる…」ハッチング 孵化 ちゃっぴーさんの映画レビュー(感想・評価)
あなたの中にも、ソレはいる…
所謂旧来の教育ママ、ステージママとはひと味違い、自分の幸せを貪欲に求める母親に反抗できない娘が、抑圧された気持ちを投影させる自分を作り出してしまう。
というと、多重人格障害ものかと思いきや、鳥を卵から育てているうちに自分の剥き出しの感情を投影させた人間もどきへと成長させてしまい、家族が崩壊していく話。
少しマンガチックなホラーだが、身につまされる親がいるだろうし、誰しも人に言えないダークな気持ちがあることを表現していて、なんだか人ごとではないようでゾクっとする。
母親はインスタ映えばかりを気にして、見せかけの幸せをSNS上でアピールするのが日課。娘の成功が自分に幸せを運んでくれると思い込み、有無を言わさず厳しい体操のレッスンをさせる。この母親が単なる真面目な教育ママでない証拠に、不倫相手の家に娘を泊まらせたり、鳥の首を迷いもなくへし折ったりする行動に狂気の一旦が感じられる。夫に似て気弱な娘にも、母親の血が流れていることが時々垣間見える。それが最後の悲劇へと繋がっていく。
それにしても主役の少女は、流石狭き門のオーディションを経て選ばれただけはある。鍛えられた贅肉のない肉体を持ちながら、可憐な大人と子供の間の不安定さを持った美しさも備えている。鬼気迫る演技も見事!
さて、自分が考えたもう一つのラストシーンは、生き残ったもう一人の少女は元が何せ鳥なのだから、段違い平行棒なんて何回転もできて、体操の大会でも優勝し、母親を狂喜乱舞させるというのはどうだろう(笑)
山田太郎さん、コメントありがとうございます。
雰囲気は良かったのですが、もう一つ何かが欲しかったですね。
なぜアレが鳥でなければいけなかったのか、卵を孵化させる以外に必然性があるのではと思ううちラストに。
平行棒からの、体育館から飛び出して、空へと飛んでいくシーンまで想像しましたー
bionさん、コメントありがとうございます!
北欧系は映像が美しい作品が多いので私も好きです。美しいのに、怖かったり、えげつなかったりすると萌えます(笑)