劇場公開日 2022年4月8日

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「老いと性と生」ふたつの部屋、ふたりの暮らし たいよーさんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0老いと性と生

2022年4月9日
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鑑賞方法:試写会

凄い着眼点だと思う。レズに老い、取り巻く環境の変化の中で愛が彷徨う。実にフランス映画っぽいが、アイデア勝負で行ったところはあるよね。

フランスでは同性婚と言って良いようなパートナーシップがあるらしい。一段と寛容であり、特に驚くこともなさそう。だが、今作は一度異性と結婚している所から始まる。誰にもレズだと言えていない。そのまま秘密でいいから、愛をただ二人確かめていれば良かった訳だが、脳卒中で倒れたことを機に変わる。それは、愛の形も変化するということで…。

凄く端的に言えば、アイデア勝負な所はあるかなと。老いは共通のテーマであり、介護する人に狂い吾を見失う。いい塩梅でピントが変わり、個々の色が浮き彫りになるのだが、少し無理のある場面も。だが、「そうなるよな…」の過程に痛みが混じっているで、否定も出来ない。愛だからだ。

少しスコアは低くなったのは、どうしても動機が単純であっさり見えるから。だが、考えようが幾重にある点は凄く面白い。主題を思えば思うほど、深みに驚くばかりだ。

p.s監督、男の人なんかい!渋い…。

たいよーさん。