帰らない日曜日のレビュー・感想・評価
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印象に残るシーンやセリフが多い
想像よりも見やすく、とても美しい映画です。
が、個人的には理解をするのに時間と他の方による解説が必要でした…
スクリーンに映し出される人物、風景、空間、ファッションなどはどれも魅力的です。
素晴らしい俳優陣によって、それらがさらに際立っていると思います。
オリヴィアコールマンが主人公演じるオデッサヤングに伝えた言葉はとても印象的で、心に残っています。
良い香りがします
贅を尽くした屋敷での秘密の官能の時間は、それぞれがそれぞれの運命を理解しながらも、ゆったりとした時の流れそのままに、「匂うような時間」であったように思います。そんな時間がとても美しく描かれています。
でもその間、それぞれが「運命」と理解していたものが、実は「運命」ではなかったということ、そしてその後の変転が、その「時間」そのものの忘れ得ぬ素晴らしさに内包されているものだと言うことに、やがて主人公たちは気付いていくのではないか・・・そう思いました。
トマ・ピケティの「二十一世紀の資本」によると、富の偏在は、第一次世界大戦直前に最高レベルに達し、やがて二つの大戦を経てその状況には大きな地殻変動がおこることとなるらしいのですが、この作品で描かれている時代はまさにその分岐点の時代で、それが、物語の要素として陰を落としているのがわかりました。その後の歴史そのままに男の「富」は、間違いなく、忘れ得ぬ「時間」を媒介にして、(資産分割という意味では全くなく)、女に受け継がれていったのではないかと思います。
全裸で、高価な蔵書の並ぶ背表紙に手を触れながら歩くシーン。私には主人公が、文化という富を、紙の香りを嗅ぎながら、全身で吸収しているように見えて仕方ありませんでした。
香りたつような映画でした。
ミステリーはフランソワ・オゾンを彷彿とさせる‥、が?
イギリス式極上のミステリー。
勿論、彼女の出自も。
ミステリーはフランソワ・オゾンを、女優への眼差しは「初恋の来た道」のチャン・イーモウを彷彿とさせる。
老婆とまだ若く美しい少女(同一人物)を対比させた非常に余韻の残るラストシーン。
「ご主人さま、お暇を頂きたいのですが」
「‥‥。それも悪くない」
はて、コリン・ファースはただの人の良いご主人さまなのか?
堂々と歩くシーンが美しい
帰らない日曜日とのタイトルとポスターのみでの鑑賞。
なるほど帰らないってそういう・・・・
確かに帰らないなあ・・・・・・。
さようならの一言で終わるのは辛い。。
お忍びの関係って、悲しむことも人前で出来ないって相当辛いんだろうなあ
あの帰らない日曜日があるから、
残された者には、今があって、
もう帰らない日々を回顧しながら、
今を誠実に懸命に過ごせていけるのなら、と思うとまあ、少し前向きにはなれる作品かも。
とてもビジュアル的にもうっとりする美しい作品でした!あんなに堂々とは○かで歩くシーンで美しいと思うなんて!
うーん😔少し期待ハズレ
生まれた時に、既に孤児院に置かれていた女性の一生を描いている。
映画や演劇で良く使われる手法が使われ、3つの時間軸をシンクロさせて展開していく。この映画は比較的シンクロさせながら、コネクトできた。
モノによっては、コネクトできずにあれよあれよと進んでいって終わってしまうモノもあるが、この作品はそれを感じさせず、女性の主だった人生を淡々と描いていく。
昔のコンドームと思わせる映像は印象的。時代の進化を感じたが、内容としては、あるあるかもしれない。産まれてきた時が最悪😞⤵️⤵️であれば、後は登り詰めるだけだから🐗
それを武器にしなさい。
第一次世界大戦で65万人もの戦死者をだしたイギリス(wikiによると88万人以上なのだが)。
そのイギリスの片田舎、ランチを共にするほど仲の良い名家の3家族がでてくる。次第に知れる3家族の抱える不幸は、戦争とは切り離せなかった。時は、メイドたちが里帰りを許された「母の日」。日本ででは年に二度、「藪入り」があったのと同じで、それはメイドたちの楽しみだったのだろうな。その日曜日に起きた出来事が物語の発端。
名家に生まれたポールは、たくさんの物を手にしているようにみえて、実は決まった未来が待っているだけだった。それは、ポールにとっては、窮屈なものだった。
生まれた時に何も手にしていないジェーンには、見方を変えればすべての可能性があった。何者にでもなれる未来があった。だからこその、「それを武器にしなさい」なのだ(このセリフに重みをもたせるために、オリビア・コールマンを起用したのだろう)。ジェーンは、いくつもの幸せを失っていきながらも、それをも生き方の糧にした。それはもともと何も持っていないということを自分の強味(武器)にして生きてきたからだ。彼女は自らの人生を赤裸々に私小説として発表して成功した、のだろう。映像も、そこまでしなくても伝わるのにR指定が入るほどに赤裸々なシーンがある。子供にはわからない物語だから、とわざと一線を引いているのだろうか。
大切な人を失くすって
それぞれが喪失感を抱えて、生きている。
それぞれが、知っていることを隠して生きている。
生まれたときから、すべてをなくして、もう、なくすものなどなにもない。
そんなわけないでしょ。
でも、その言葉に救われたのかも。
ポールは、決めていたのかな。自らの行く末を。
別れ際の言葉と眼差しが切ない。
イギリスの家の魅力が満載。
モーリスのようなクロス。
調度品。
まさにビンテージもののドアや窓枠。
お手本にできるインテリアの数々。
最後に、まさにロンドンの家。奥庭のある書斎。本当にリアルなイギリスの生活を垣間見ることができる、素晴らしい映像。
映像美と衝撃と
一枚一枚めくって味わいたいような妥協のない絵画的構図と光。既視感も心地よい幸せな映像体験でした。
時系列がポンポンと入れ替わるカットで構成された脚本も小気味よし。
どうしたって盛り上がりそうな若い二人の秘め事。それにしても、いつまで裸でウロウロしてるの〜!?とざわつく老婆心。しかしこれは全くもって下世話なことでした。
簡単に「死」をストーリーの転換にもってくるのは安易と思っていますが、この映画に関しては実に滑らかな必然性を感じました。
そして、日本人にとっては圧倒的に「第二次」の方ですが、ヨーロッパの人たちにとっては第一次世界大戦というのはとんでもない歴史的トラウマだということを改めて具体的に表現してくれていました。
コリン・ファースとオリビア・コールマン夫婦、よかった。特にオリビア・コールマンがラスト近く、孤児である主人公に「初めから全てを奪われていたあなたは幸せだ。失うものがないことは、あなたの才能」みたいな意味のことを言って抱き寄せるセリフには泣かされた。実際は皮肉な事態だったんだけど、ね。
耽美。ストーリーよりも空気感。
フランス人監督が撮るイギリス映画、そして1924年という時代背景、主演女優の美しさ、全てが耽美でした。ストーリーよりも肌で感じる空気感、そんな様相の映画。
ジョシュオコナーも含めてなかなか服を着ない裸の演出が多いのは監督の示唆なのだろうか。
また、ベテランのコリン・ファースとオリビア・コールマン夫妻の演技は白眉。戦争で子供を失った憐憫を存分に発揮していた。
午後のまったりタイムにもってこいの作品
イギリス文学に親しみも造詣も持っていない僕には合わないかなぁ〜?なんて思い鑑賞です。もちろん、原作未読で。結果は十分楽しめたかなぁ。
「帰らない日曜日」かぁ〜、なるほどな邦題ですね。きっかけであり、歴史であり、かけがえのない思い出であり、イギリス文化や歴史の側面もあり・・・で、なるほど〜です。作品全体が、なんと言うのでしょうね、木漏れ日の中って感じがとても居心地というか、見心地(こんな言葉無い)が良いのです。
映像作品としては、場面の差し込み方が気に入りました。ジェーン自身が記憶を呼び起こしてる感じがよくでてるなぁって。そうそう、こんな感じだった、あ、こんなこともあった・・・で、あの時はこうだったし、あぁその時はあの時と違っていたわねぇ〜、どれをどう書こうかな・・・・?なんて思いが見えてくるようで。
本作はある孤児院育ちの女性の思い出話ではありますが、戦争、家督などの時代背景に翻弄されている人々も描いています。基本、悲しいのです。時代が生んだ物語でもあるとは思いますが、ジェーンの秘事をはじめ色々と「何か」を掴んでいく様は、そんな時代を生きようとする人間の強さを見せてくれているようでもあります。愛欲って生きる根源の一つですよね。学びって潤いのある生活の一つですよね。それに奥様からの一言・・・・まさに金言で人生はどのようにも転ぶもんですよね。
ただ、ポールが現実から逃げてるだけの男にしかみえなかったのが残念だったなぁ・・・歴史、時代の被害者なんだろうけどもうちょっと彼の言動や行動の裏付けがわかるような描き方なかったかなぁって。
けど良作でした。
女流作家の回想 人生を変えたある日曜日
イギリスの上流家庭ニヴン家のメイドとして働く孤児院上がりのジェーン。そしてジェーンはニヴン家と交流のある上流家庭シェリンガム家の子息ポールと深い関係を結ぶ。階級制度のはっきりした100年前のイギリスにおいて実らぬ恋であることは百も承知のジェーン。ポールの突然の死に心を乱されつつもそれを受け止める。既に戦争でふたりの息子を失っていたニヴン夫人は子供の頃から交流のあったポールの死に二人の息子達の死を重ね合わせジェーンに言う。「私(達)は全てを奪われてしまった(だから生きる希望は最早ない)。しかし親に捨てられたあなたは生まれたときにすべて奪われていた。だから恐いものなんてないのよ。それは強みなのよ」
これは絶望感に苛まれていたニヴン夫人の本音であり(息子達の死だけでなく上流階級に生まれてきて嫌なことがたくさんあったんだろうな)、ジェーンはこの言葉を胸に強く生きることを決意する。ポールの死は大変な喪失だったが自分の物にならないことなど始めから分かっていたことなのである。そしてこれこそがジェーンの人生を一変させたある日曜日の出来事だった。
イギリスの上流階級の住む屋敷と緑豊かな田園風景。その上流階級の人々の交遊風景。そこに働く若いメイド達。そのメイドの一人であるジェーンと上流階級の若者ポールとの官能的な愛欲シーン。シェリンガム家の屋敷に一人残ったジェーンが一糸纏わぬ姿で書架に並ぶ(愛すべき)蔵書と戯れる。まるで書物達と愛し合うかのように。そして作家として歩み始めた十数年後?のジェーンの姿と時間的に前後(回想)しながら映像は進んでいく。
最後に、成功を納めた老作家ジェーンが自分の人生を改めて回想する。
文学的な美しい作品。カズオ・イシグロが絶賛した小説の映画化って言うのが売りみたいです。なるほどね。
富士そば
いけないと思いつつ時間があったため富士そばで一杯
前半ウツラウツラ
案の定、人間関係が判らない
どうやら時制が行ったり来たり
ミステリー映画を観ているように筋道を推理していく
終盤、なんとなく理解する
裸で探索はスリリング!!
しっとりとした余韻を感じました◎
カズオ・イシグロさんもおススメというので、イギリスの独特の雰囲気のある映画でした。
メイドとお金持ちのご子息との合挽き。2人の兄を戦争で亡くしたポールは優しいけれどどことなく寂しそう。孤児院育ちのジェーンは、淡々と仕事をこなし、ポールとの結婚など夢の又夢。
それでもひとときの逢瀬の描写も美しかった〜◎
まだ日の差す部屋や、靴から脱がせてゆくシーン。
プチプチと、ホックを外す音もグッド。
「さよなら、ジェーン」え?、その後の鏡に一瞬映った彼の背中。
事故じゃない気がする、、、
裸のまま、お屋敷の部屋を歩くシーンも美しながら、ちょっと心配しました。誰か戻ってくるんではないかと。
2人はそれも想像しながら楽しく会話するんですが。
ジェーンの雇い主の夫婦は、とても紳士なコリン・ファースと、息子を亡くした悲しみから抜け出せない奥さまオリビア・コールマン。
彼女の言葉に泣けました。「あなたは生まれた時から何もない、それを武器にしなさい」喪失感でいっぱいの心強いアドバイス。
恋人とある日突然失うけれども、それも彼女の小説家としての源となったのだから、結果的には好きな展開でした。
1番好きなシーンは、自転車を走らせるジェーンの赤いコートの端(ボタン含む)が風ではためいて、一瞬アップになった所!素敵すぎる〜👏👏👏
あと、ちょっとした記念?に屋敷の蘭の花を、下着に入れて持ち帰り、一日の終わりにそれをつまんで出したシーン。まさかこんな日になるとは思いもせず、、、
色に耽ったばっかりに
メイドさんから作家さんになる女性の半生記です。軽いエロと風景等の美しさが心に残りました。
重いエロはAVに任せるとして、この映画があまり身分差別に見えないのは互いのリスペクトが感じられるからですかね。
鑑賞後も決して悪い後味は残らなかったです。
禁断の愛、イギリスの田舎で
70点ぐらい。
意外や意外、けっこう面白かった(笑)
基本、静かに淡々と進んでいきますが、ほとんど眠くならなかった。
やたら裸が出てきて、官能的にする意味あるのかな?と思ってたけど、
最後まで観て、裸や官能的にする意味あったかな、と思いました。
個人的には意外な終わり方でした。
最後30分前ぐらいから、ビックリする事が起きて、グッと引き込まれ、面白くなった。
名前や家族が色々と出てきて、時間軸もシャッフルされてるので、けっこう分かりずらかったです。
事前に情報を、ほとんど入れずに観たのもあり…
これから観る方は、登場人物の名前と肩書きぐらい情報を入れてから、観た方がいいかもです。
ボンヤリ理解しながら観たので、今度は完全に理解した状態で楽しみます。
もう1回観ます。
イギリス文学を美しい一編の詩に
美しい絵画を見ているようで
終始、夢心地でした
原作をぎゅっと絞って採れた雫をインクにして書いた詩のようでもありました
恵まれすべてを持っているはずの貴族の宿命と
生まれながら失うものがない孤児の主人公の運命との対比を軸に、物語が彼女の人生を紡いでゆきます
悲しみと悲しみが与えたもの
それは過酷だけれど素晴らしいものだったのでしょう
余韻の残る、ため息が出るように美しい作品でした
地味だし、映画に求めるものが噛み合わないケースが少なくないでしょうから、ヒットはしないのでしょうが‥‥
人生が、しっかり描かれていた作品だと思いました
みる価値あり!なイギリス映画です
帰らない日曜日
帰らないとは、秘密の彼との逢瀬で家には戻らないと言う時間的な感じかと思っていましたが、精神的に二度と戻らない思い出の一日だったのですね。作家になる大きな一因となる出来事になるのですね。時間が前後しますが、モノや雰囲気でキチンとその時間に連れて行く感じが良くできていたと思います。
全74件中、21~40件目を表示