帰らない日曜日

劇場公開日:

解説

ブッカー賞作家グレアム・スウィフトの小説「マザリング・サンデー」を映画化し、第1次世界大戦後のイギリスを舞台に、名家の子息と孤独なメイドの秘密の恋を描いたラブストーリー。1924年3月、イギリス中のメイドが年に一度の里帰りを許される「母の日」の日曜日。しかしニヴン家に仕えるジェーンは孤児院育ちで、帰る家はない。そんな彼女のもとに、秘密の恋人であるアプリィ家の子息ポールから密会の誘いが届く。幼なじみのエマとの結婚を控えるポールだったが、前祝いの昼食会を前に、屋敷の寝室でジェーンとひと時を過ごす。やがてニヴン家へ戻ったジェーンを、思いがけない知らせが待ち受けていた。時が経ち小説家になったジェーンは、彼女の人生を一変させたあの日のことを振り返る。「アサシネーション・ネーション」のオデッサ・ヤングと「ゴッズ・オウン・カントリー」のジョシュ・オコナーが主演を務め、オスカー俳優のコリン・ファースとオリビア・コールマンが共演。監督は「バハールの涙」のエバ・ユッソン。

2021年製作/104分/R15+/イギリス
原題:Mothering Sunday
配給:松竹

オフィシャルサイト

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

特集

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

映画評論

フォトギャラリー

  • 画像1
  • 画像2
  • 画像3
  • 画像4
  • 画像5
  • 画像6
  • 画像7
  • 画像8
  • 画像9
  • 画像10
  • 画像11
  • 画像12
  • 画像13
  • 画像14
  • 画像15
  • 画像16

(C)CHANNEL FOUR TELEVISION CORPORATION, THE BRITISH FILM INSTITUTE AND NUMBER 9 FILMS SUNDAY LIMITED 2021 All rights reserved.

映画レビュー

4.0懐かしい光の中に戻りたくなるようなイギリス映画

2022年6月13日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

本作を見ていくうちに、1980年代後半から90年代前半に製作され、筆者が学生時代に続けて見て感銘を受けたイギリス映画を久しぶりに思い出した。ジェームズ・アイボリー監督の「眺めのいい部屋」「モーリス」「ハワーズ・エンド」「日の名残り」といったミニシアター系で公開された名作、秀作と似た光と匂い、時間の流れを持った、なんともイギリス映画らしい作品で、懐かしく感じた。

まるで絵画のようなイギリスの風景の中で展開する「帰らない日曜日」は、当時の時代を反映してか、スローモーションのようにゆっくりとしている。昨今のエンタテインメント大作の早い展開(演出と編集のリズム)に慣れている方は最初もどかしく感じるかもしれないが、陽の光と風を意識した画づくりにより、そのリズムが次第に心地よくなってくることだろう。そして、衣装や美術、登場人物たちの所作などから当時の貴族たちの美意識や、主人公のエレガントな官能が匂い立ってくる。

身分違いの秘密の恋とは別に、本作の根底には、戦争によって愛する家族や兄弟、子どもを失った悲しみと喪失感も流れているのが重要なテーマとなっているが、イギリス映画の系譜を受け継いだ、ちょっと立ち止まって、思い出のあの日に、あの懐かしい光の中に戻りたくなるような作品である。

コメントする (0件)
共感した! 7件)
和田隆

3.5小説家になった《美しいメイド》の回想

2023年3月26日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

マルグリット・デュラスの「愛人/ラマン」オクターヴ・ミルボーの「小間使いの日記」になれず。
文芸作品の映画化。美しいが・・・惜しいです。
女性小説家の回想なら、
マルグリット・ドュラスの「愛人/ラマン」があります。
仏領インドシナを舞台に15歳の少女の通う寄宿学生が年の離れた
中国人華僑の愛人になるストーリー。
阿片に溺れる華僑との激しいベッドシーン。
愛を先導したのは私・・と、そう言い切る意地っ張りな少女。
女性作家の業と性が鮮烈でした。

1925年。
この映画はたった一日の出来事。
イギリスの上流階級ニヴン家のメイドの少女ジェーン(オデッサ・ヤング)は、
同じく上流階級の息子ポール(ジョシュ・オコナー)と留守宅の
逢いびきを楽しんでいる。

メイド役のオデッサ・ヤングのヌードシーンが多い。
半分くらいは裸で、屋敷を探訪する家政婦のジェーン。
とても可憐な美しい裸身。
でもヌードが多過ぎます。
綺麗過ぎて無個性なヌード。
そしてニヴン家の息子たちの悲しい出来事。
ジェーンの捨て子だった生い立ち、そして作家になる・・・
などが回想シーンで描かれます。

有名な家政婦を描いた映画に「小間使いの日記」があります。
3度も映画化された作品。
家政婦を演じたジャンヌ・モローの耽美な顔のシニカルな美しさ。
屈折した視線に反比例する貧相な体格。
ジャンヌ・モローはなんと背徳的な視線を持っているのだろう。
このメイドの役、リリー・ジェームズに演じたらどうだっただろうか?
オデッサはリリーにとても似てます。
ご主人夫妻がコリン・ファースにオリヴィア・コールマンのビッグネーム。
本気度を出すならリリー・ジェームズです。
それにしてもヌード・シーン。
女優がヌードになるのはとても意味深いものです。
「フレンチ・デスパッチ」のレア・セドゥのスッポンポンシーン。
これを見ずして何を観るか?!的な、レア・セドゥのアッケラカンには
「意気に感ず!!」
その男前に大好きな女優になりました。
脱がなくても凄いジャンヌ・モロー。
脱いだら凄かったレア・セドゥ。
リリー・ジェームズさんに一肌脱いで頂いたら、
多分忘れられない映画になったのでは?

女性作家の回想だとばかり思って調べたら、原作者はなんと男性。
この辺りもちょっと裏切られて残念。

第一次世界大戦の戦死した息子と重ね合わせたのも、ストーリーテラーとして、
やや平凡。
盛り上がりに欠け、ラストで萎んでしまい名作になり損なった
・・・そんな気がする映画でした。

映像が美しく調度品、蔵書、絵画に見惚れました。

コメントする 3件)
共感した! 8件)
琥珀糖

4.0生涯忘れられない一日のはなし。

2022年11月20日
iPhoneアプリから投稿

誰しも、自分の人生を決定的に変えてしまった出来事をもっているはず。
これは孤児でメイドだったジェーンが、作家になった全ての理由をつくった一日を描く物語。

物語が好きだった彼女は、いくつもの悲劇の重なりに導かれるようにして作家になっていく。描きたい、ではなく、描かずにはいられなかった。
そんな創作する人の心に寄り添った作品に思えたのに、宣伝は軒並み恋愛や官能的な様に焦点を当てていてミスリードと感じてしまう。

あの日のために、彼女は生涯物語を描き続けた。何も持ち得なかった彼女が、全てを手にし、全てを失ってしまった、生涯忘れられない一日のはなし。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
ゆちこ

3.5地味にクリエイターもの

2022年10月7日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

地味にクリエイター物語。時間が交差する構成だけど、わりとすぐ理解出来たから構成が上手いんだと思う。原作知らなくても置いてけぼりにならず観れた。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
ルル
関連DVD・ブルーレイ情報をもっと見る

他のユーザーは「帰らない日曜日」以外にこんな作品をCheck-inしています。