「タイトルなし」PLAN 75 ouosouさんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルなし
上映後、トイレ待ちの高齢女性たちの談笑が聞こえる。「もうちょっとリアルな話かと思ったのに」とのことで、えーっと思った。個人的には、もうすでにそうなっている話。
注目すべきは、高齢者が捨てられるというところだけでなく、若者も、将来捨てられるために捨てる仕事をしている(させられている)ところ。若者だってこのベルトコンベアーに載せられているのである。
ディテールの描写のリアルさ細かさには、なんとも言えない居心地の悪さがあり、そこにこの映画のメッセージがあると思ったけれど、結局最後はヒューマニズムみたいな着地がちょっと物足りない気もした。しかし、機械的組織への一体化を突き破る第一波は、個人がきちんと人間であろうとする衝動ということだろう。適応しないことの大切さ。
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