劇場公開日 2022年5月6日

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「『リンダ・ロンシュタット サウンド・オブ・マイ・ヴォイス』とニコイチで観ておきたい、全世代の女性に観てほしい愛すべきスージーの半生」スージーQ よねさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0『リンダ・ロンシュタット サウンド・オブ・マイ・ヴォイス』とニコイチで観ておきたい、全世代の女性に観てほしい愛すべきスージーの半生

2022年5月7日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

スージー・クアトロもやっぱり先輩方が聴いていたアーティストで、彼女の影響下にあるランナウェイズを4つ上の姉が聴いていたのを小4の頃に傍で聴いてたのと中学時代にベストヒットUSAのタイムマシーンのコーナーでライブ映像をチョコッと観たくらいの遠い存在ながら、小柄な容姿でプレシジョンベースを掻き鳴らしながらハスキーでパンチのある声でブギーを歌っていたのが印象的でした。

そんな彼女の半生をスージー自身、彼女の周りにいた人達や彼女の影響下にある人達の言葉で振り返るドキュメンタリー。先日観たばかりの『リンダ・ロンシュタット サウンド・オブ・マイ・ヴォイス』とよく似た構成ですが、まず眼福なのはジョーン・ジェット、シェリー・カーリー、リタ・フォードらが目をキラキラさせながらスージーの魅力を語るシーン。特に最もスージーの影響を受けているジョーンはグッと身を乗り出してティーンエイジャーのような朗らかな笑顔でレアなエピソードを語っていて硬派で近寄りがたいイメージをどこかに置き忘れたみたい感じが物凄くキュート。

そしてスージー本人のチャーミングさはもうとにかく格別で、リンダ・ロンシュタットのようにとにかくやりたいことに妥協することなく挑戦していく様は実に痛快。しかし映画は彼女が手放したものや果たせなかった夢にも迫り、過去を振り返った彼女がボソッと零した一言は人生の終盤に差し掛かった我々世代の胸の奥にあるものをグラグラと揺さぶります。

ということで『リンダ・ロンシュタット サウンド・オブ・マイ・ヴォイス』とニコイチで観ておきたい愛すべき作品です。世代を問わず女性は物凄く勇気づけられると思います。

よね