「【”芸術は、爆発だ!”筆を折った女性小説家が、映画監督や余り映画に出演しなくなった女優や年老いた詩人達と、何気ない会話をする中で、映像創作意欲を得る過程を描いた作品。】」小説家の映画 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”芸術は、爆発だ!”筆を折った女性小説家が、映画監督や余り映画に出演しなくなった女優や年老いた詩人達と、何気ない会話をする中で、映像創作意欲を得る過程を描いた作品。】
■ホン・サンス監督作品あるある。
1.固定カメラで撮った他愛もない会話が延々と続く。だが、シーンの切り替えは絶妙。
2.会話劇の中では、屡、食事風景及び飲酒風景(マッコリ)が登場する事が多い。
3.何気ない会話の中に、絶妙なタイミングでキーワードが挟み込まれる。
- 今作で言えば、余り映画に出演しなくなった女優ギルス(キム・ミニ)に、知己の映画監督が”勿体ない・・。”と言った事に対し、小説家のジュニ(イ・ヘヨン)が猛然と抗議するシーン。
”彼女は小学生ではないのだから、自分で決めたのよ!”
これは、ジュニがギルスと自身を重ね合わせたから出た言葉であろう。ー
4.モノクロの比率が高いが、ここぞというときにはカラーになる。
5.ホン・サンス監督自身を投影させた人物が、偶に出る。
- 今作では、映画監督や小説家のジュニの年上の知己である詩人。-
6.劇中、大袈裟な音楽は一切流れない。
■故に、劇場内では結構な確率で爆睡するおやっさんが出現する。
気になるので、叩き起こすが、結構メンドクサイ。
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<以下、内容に触れています。>
<今作は、レビュータイトルに記したとおりに物語は進む。そして、ジュニはギルスとその夫を出演させた映画を製作する。
ジュニはギルスを一人ミニシアター内の先頭の席に座らせ、自分は映画製作に協力してくれた若き男女と、ミニシアターの屋上で電子タバコを吸う。
その際に男が女に言った言葉”物凄い熱量だった・・。”
今作は、筆を折った小説家が映像制作に嵌って行く様を、何気ない会話劇で描いた作品である。>
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