マイ・ブロークン・マリコのレビュー・感想・評価
全201件中、61~80件目を表示
永野芽郁よかった。キャスト全部良かった。
まさかマリコの親を、尾身さんと羊さんが出るとはびっくりしました。
窪田君も奈緒さんも影がある感じがまたハマってて。
漫画はパラっと見たレベルですが、既に映画化するためにあるように思った覚えがあります。
キャストだけでなく、構成もすごく良かった。
終わり方が気になりすぎて印象的で。
深く考えずにみても雰囲気が魅力的な映画でした。
あーっ いい映画ですニャ🫶
過去と生きる。
きっと誰かの大切な人
家族に壊され彼氏にも壊されて、最期には自分自身を壊して消滅させたマリコ。
同じような境遇の人がたくさんいて珍しくも無くなってしまった現代社会だけれども、そんな事を憂いたって仕方がない。
親友シィちゃんは消化しきれない想いを抱えながら遺骨も抱えて海を目指すしかないのだ。包丁を振り回し、川を渡り、仕事を放り出し、骨壷で殴る。必死に生きる。死んだマリコに会いたくて生きる。死んだ人に会う為には生きるしかない。どう死ぬかはどう生きるかだ。壊され続けたマリコが誰にも助けを求められなかったのはそこまで彼女が壊れていた証左。でもマリコを喪ったシィちゃんの人生はまだ続く。これは親友をなくしたシィちゃんの物語だ。大切な人をなくしたみんなの物語だ。
マリコからのラストメッセージを読んで微笑むシィちゃんは、こらからもずっと彼女と共に生きていくんだろうなと思った。
煙草の良さ
永野芽郁の女優魂の産物
この作品での役を演じるにあたって永野芽郁さんはメディアインタビューで「ヘビースモーカーであるシイノトモヨに少しでも近づくため撮影期間中実際に喫煙者の方々に吸い方や格好を聞いて回って喫煙者として生活をした」と話していました。このトモヨという骨太で男前な女性を見事に演じられていたと思います。永野さんのお芝居の生々しさが、この物語で描かれる人間の生きづらさや逃げ場のない不条理な世の中をノンフィクションに感じさせました。
永野芽郁さんのたばこシーンが話題になって見たかった作品
上映時に永野芽郁さんのたばこシーンがかっこいいと話題になった後に見に行こうと思っているうちに上映終了していた。
Prime Video で早くも見放題に追加されて鑑賞。
シリアスなのにコミカルを入れていて微妙なところがちょこちょこあった。
「一句読んじまった」は正直要らんかった。
その点から胸にぐっとくるまでの衝撃はなかった。
とは言え、昔こういうことがあったんだという誰かの武勇伝的にみるストーリーと考えるととても面白かった。
本人はいたって真剣なのだろうが、遺骨の前で牛丼に箸立てたり、骨壺で殴ったり絶妙に不謹慎で笑っていいのかどうなのか微妙な表情で見てしまった。
ストーリー的にはクラスや学年に1人はいるであろう劣悪な家庭環境に育った少女とその友達の話。何をやっても危害を加えてくる親と、仲良くしてくれる子に依存するというよくある展開。
マリコ自身は彼氏を作るのに主人公に対して「彼氏を作ったら私死ぬから」と脅迫するあたり感覚がぶっ壊れている感じはある。
安定のクソ男にしか引っかからない女になっている。
家庭環境が悪い女はこんな人生だという偏見をすべてぶち込んだ結果がマリコだと思う。
最終的にマキオと結婚して娘の名前はマリコにするオチかと思ったが案外さらっと終わった。
なんで死んだのかも最後の手紙には何が書いてあったのかも明かされなかったので消化不良感はあるが、皆さんのご想像にと言われればそれでもいいかと思える。
見る前はマリコの父親をどうにか殺す作品だと勘違いしていたが、多方面への社会風刺的な作品だった。
カッコいいたばこのシーンが見つからなかったがどのシーンだったのだろうか。
おじさんというのは人の気も知らない迷惑な生き物だなと改めて実感する。
「ちょっとした冗談じゃないか?」で済むと思っているのが痛々しい。
ダル絡みしてくるおじさんにはあれくらいの剣幕でちょうどいい。
永野芽郁さんを堪能出来ます。
壊れた社会で生きれば壊れてしまうのは必然
原作の切々とした寂寥感が実写映像で上手く表現されていてよい映像化になった。永野芽郁のこれまでにない役柄も上手くハマっていたし、奈緒の「壊れた」感じがとてもリアル。ブロークン・マリコというタイトル通り、壊れて死んでしまった親友を弔う旅路を描くが、彼女がなぜ壊れてしまい、どうして自分に救うことができなかったのかを骨壺を持ちながら自問自答する。主人公み一方で、営業の仕事で毎日のように上司に理不尽な叱責を受けている。こんな環境では、タフな彼女のような人間でない限りすぐに壊れてしまうだろうなと思う。
マリコが壊れたしまった原因は、直接的には家庭問題だが、もっと広く、この社会全体が壊れているのではないかと感じさせる。窪田正孝演じる男もかつて「壊れた」ことがあったようだ。壊れた社会で人が壊れたとしても、それはむしろ正常な反応かもしれない。主人公も実は壊れる寸前ではないのか、死者との旅路で彼女はかろうじて壊れる寸前で留まれたのだと思う。
マイ・ブロークン・この世界。
原作は未読。自ら命を絶った親友マリコの遺骨を強奪したシイノ。骨箱を大事に抱え語りかけながら、かつてマリコが行きたいと言っていた岬を目指す物語。
足を広げて腰掛け煙草をふかす。粗雑で荒々しくまるで一匹狼のようなシイノ。一方幼少期から続く父親からの虐待により精神が崩壊しかけ、シイノなくしては生きられないマリコ。全くタイプの違う二人の共依存関係も、物語が進むにつれ実はシイノの方が依存度が高いことに気付かされる。月並みだけど結局人って孤独のままでは生きていけないのだろう。
シイノに助けを求めた二人の女性を手紙の文字で表現していて上手いと思った。あと窪田正孝の使い方も上手い。永野芽郁は新たな一面を見せてくれたし、奈緒の放つ繊細さと危うさはもはやマリコそのものだった。
おじさんに優しく
やさぐれ芽郁ちゃん
百合映画?いいえ、友情映画です
共依存を恐れた互いのの思いやりが悲劇を生む... 適度な距離感を模索しつつもついぞ持ち得なかった女性二人の物語
"大人の女性のためのWEBマンガ誌"「COMIC BRIDGE online」にて数年前に短期連載された漫画の映画化作品で、予告編を観ての"親友の遺骨を強奪した女性が旅をする"という筋立ての奇矯さに惹かれて鑑賞しましたが、原作未読の男性にとっても十二分に意義深い内容でした。
原作漫画での紙幅の都合も有ったのでしょうが、登場人物の背景や結末について敢えて伏せられたり曖昧にされている部分が多く、一方で物語としては然程入り組んでいるわけではないため、内容について特に各人の心情について考察するのが好きな人にはうってつけの作品のように感じました。
"遺骨と旅する女"というモチーフだけで絵画でも成立しそうな物語の奥行きを感じさせますが、その工程だけでいうとマリコが生前に行きたいと言っていた田舎の港町の海に行って帰ってくるだけであり、途中でひったくり犯や不審者に出くわすもののそれが主人公や物語に劇的な変化をもたらすということはありません。あくまで主人公シイノが親友マリコの死を受け止めて彼女への気持ちにどうにか折り合いをつけるまでの心の物語となっています。
登場人物が極端に少ない本作ですが、とりわけ主人公シイノの親類縁者が一切出て来ないことが気になります。既に他界されているのか、それとも彼女も親から不遇な扱いを受けて縁を切られているのかあるいは自ら切ったのか…。
シイノがその後、家族を持つにせよ一人を貫くにせよ、月並みな言葉ではありますがやはり、マリコの分も強く気高く生きてほしいと思います。
紫煙漂うバディロードムービー
何故か遺骨モノ(アイアムまきもと・川っぺりムコリッタ)が揃ったが、其々に味わい深くて素敵だった。コレを最後に観たのだが、一番地に足が着いていた気がしたので良かったと思う。
反吐が出そうなヤツ達がみーんな「男」だったのには少しだけ辟易したが、特段そこが大事な物語でもないので目くじらを立てる所でもない、かな(かな?)。
この映画の最大の好感ポイントは「尺」。映画の素晴らしさは長さとは無関係。けれども何だか「切れない切れない」と長くなってしまってる作品の増えた事よ(必要なモノは無論ある)。原作(未読)の見事さは勿論なのだろうけれども、脚本と編集と録音で調理した制作の勝利だと思う。タナダ監督ありがとう!とエンドロール後に強く思った。演者さん達は、「抜群」です。
やさぐれた永野芽郁と病んだ奈緒がいい
原作は未読。
メンタルを病んだ人の周りは彼らに振り回されがちになる。病んだ人の力になろうと共依存の関係に進んでいくことも多い。しいちゃんとマリコの関係を見ていてそんなことを思ってしまう。
マリコの依存の仕方は相当だ。しいちゃんに彼氏ができたら死ぬと脅しながら、自分はしれっと彼氏を作るのだから。親から愛情を注がれなかったから自己肯定感が低く、自分に好意を持ってくれる人に依存し、その好意が本物か試してくる。でもその人のためと思い必死にがんばったことを、簡単に無駄にしてしまう。ありがちな話なんだけど、やはり胸が苦しくなる。自分もこうやって助けてしまって、共依存にハマっていく体質なんだろう。
そんな大切な友を亡くしたしぃちゃんの行動は、これもまた相当にイカれてる。間違ってるとか、正しいとかどうでもいい。ただ、それが2人のために必要だと思った!って感じが切実だ。
最後の終わり方はハッキリしないところもあるが、それもまたいい。中身よりもたしかに残ったものがあるってことに胸を打たれた。
やさぐれた永野芽郁と病んだ奈緒。2人の演技にただただ魅了された本作。2人の代表作になってほしい。
原作読んだ人限定かも
全201件中、61~80件目を表示