マイ・ブロークン・マリコのレビュー・感想・評価
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恥ずかしながら帰ってまいりました
父親のSEX奴隷マリコ
恥ずかしながら帰ってまいりました
恥ずかしながら日常はループする、
恥ずかしながら日常は、継続し回帰する。
自分にとって大切な、死んだ人にまた会うには自分が生きているしかない。
その通りだと思う。
ここでは、ストーリーとして、シイちゃんとマリコという二人の個人の関わりにおいてそのことが強く語られ、窪田正孝演じる男の口からも漏れる。
死者とまた会い死者とまた語りそして死者を語るには、私たちは生きて生き続けなければならないのだ。ウクライナで!パレスチナ で、ミャンマーで、香港で、シリアやイラクで、そのことは実感され生きて出会い生きて忘却を拒み生きて語り続けられていることだろう。
そこまでの大きな広がり、と、舞台である日本の生活、シイちゃんのブラック企業、小さく殺風景なアパート。くたびれたスーツと黒のパンプス、ターゲット顧客となる高齢者、マリコのありえないくらい不幸な家庭環境、それを当たり前と刷り込まれた故の人格形成とそれによる災難、性被害暴力被害などの具体的に閉鎖的な抑圧。
そして驚嘆すべき、どんなピンチやどん底の時に持ちよっとおもろいことを言って自分を笑い飛ばすシイちゃん。シイちゃんはこれができたこと、と、成長と共にぶっ壊れていくマリコを支えるという使命に支えられてきたから恥ずかしながら飛んだり跳ねたりひったくられたりラーメン牛丼お弁当ガツガツ食べたりしながら生きている。
窪田正孝のセリフのテンポがよい。
マイブロークンマリコは、マイブロークンジャパンであり、マイブロークンワールドだ。
「永野芽郁最高の好演」
原作未読
永野芽郁がすごかった。
永野芽郁がこんなに鋭い俳優だとは思わなかった。見た目はややおっとり。平凡。
今まで、「君は月夜に・・・」「仮面病棟」「地獄の花園」「そしてバトンは…」を観て好感は持っていました。
でも今回の「マイ・ブロークン。マリコ」を観て、
こんなに一人芝居ができるのか、こんなに役やセリフに没頭できるのかと驚きました。
すごいと女優だなと思いました。 これからの作品も楽しみにしています。
※
過去には期待していたのにそれ程でない俳優さんもいます。その俳優さんも必ず持ち返すと応援しています。
※映画って、やっぱりいいというか、すてきだなと思える文化だと思いました。
永野芽郁の煙草かっけぇ どこ切り取っても絵になりますね、 岬のシー...
思い出とともに、生き続ける
いきなりグッと引き込まれ、最後まで魅入りました。
つかみが早い、展開のテンポも良い、主演のトモヨ(永野芽郁)の演技も素晴らしい。
親友マリコ(奈緒)の遺骨を持って旅に出るロードムービーのようになっていきますが、トモヨがマリコを思い出すのに合わせた回想シーンも自然です。
旅の途中で出会ったマキオ(窪田正孝)の最後の言葉。
「その人の思い出とともに、あなたが生き続けること。それが・・・・」これが、作者の言いたかったことだと思います。私も同感です。
昔、永六輔が自身のラジオ番組で話していた言葉を、今でも覚えています。
「人は2度死ぬと言われています。1度目は肉体の死、2度目は人の記憶から消えた時です。故人を忘れない、時に故人を思い出すことこそ最大の供養です。」
(以下蛇足)
この秋、「遺骨映画」を立て続けに3本見ちゃいました。(川っぺりムコリッタ、アイアムまきもと、そして本作。)それぞれ違った視点からの作品でしたが、本作が一番しっくりきました。)
理解不能の狂気じみた"愛"が、牙を剥く
「俺たちに明日はないッス」のタッグ、タナダユキ監督と脚本•向井康介氏の作品と聞いたら黙っちゃいられない。
たまたま去年死んだ母の墓参り後に導かれるように鑑賞。
内容はとにかくやさぐれた主人公、永野芽郁が演じるシイノ。俺が初めて永野芽郁をスクリーンで観た時は「俺物語!!」のヒロインの時だったから、そのギャップと怪演っぷりに圧倒された。
あと、窪田正孝がいい味出してた。正直今まで好きじゃなかったけど、こんな渋さを出せる俳優さんだったんですね。すいませんでした。
正直、映画のキモとしては、死んだマリコをどこまで愛すか、なんだと思います。脚本はいい塩梅でそこを重視していた。距離感で一気に違和感を生み出してしまい物語に集中出来ないという懸念は、さすが安定の向井康介氏が払拭してくれた。
しかし愛がお互いに狂気に満ちていた。
牙を剥く狂気具合が湊かなえを彷彿とさせるほど。
理解出来ないほどに依存体質のマリコを庇うシイノは、強がっている性格とは裏腹なお人好し要素が見えていた。
だけど、特別なマリコにしかそれがなかった。
本当の「暴力的な愛」だった。
あと、こっからネタバレ…というか内容はもちろん話さないですが、オチに賛否両論があるかもしれない。俺は「ありがとう」と思ったけど、鑑賞した女性2人組は「あのオチか…」と言っていました。どんなオチかは観て判断すれば良いと思います。
マリコサイドのストーリーも観たいかな。「マイラブリーシィちゃん」。ちゃんとしたジャパニーズホラー映画になりそうだ。
構成完璧でした。最高の映画体験をありがとう。
あとから地味にジワジワくるこの感覚。
原作未読。予告の期待を裏切らない作品って、実はなかなか少ないです。
永野芽郁さん、アカデミー獲ると思いますが、漫画原作だと難しいのかなぁ。昔読んだ漫画『降っても晴れても』を思い出した。女の友情をよくここまでリアルに繊細に描いたなという印象。最後のエンドロールで女性監督なんだー‼︎って感動しました。描き方がとにかくめちゃくちゃカッコイイ。
今のところ、今年ダントツの邦画。
『余命10年』と迷うけれど。
かなりリアルな内容。
疲れた日に観ることはオススメしません。
ロマンシスストーリーの傑作、これぞ見たかった実写化
これぞ見たかった実写化。
原作漫画(web連載)をリアルタイムで追っていた勢です。
当時センセーショナルさと画力の高さで話題になっていました。
実写化が決まった時、登場人物のデザインが再現性が高くしやすいくらいリアルなのと、1巻完結の短期集中連載だったから映画に向いてそうと思う反面、「これ真剣に取り組まないとファンに何してんねんって言われるよね…」と、どうかこの作品に真剣な人たちがメガホンを取ってくれ!と祈るばかりでした。なぜなら「漫画作品の実写化は作り手の真剣さがダイレクトに出る」がセオリーだから…
うまくいけば絶対楽しみリストに加えられるはず!!とハラハラしながら待機しました。
それから公開された予告映像やあまり前情報を入れない派の自分でもちょいちょいうかがうタナダユキ監督の真剣な取り組み姿勢に「これは信頼していいやつかも…!」と安心しました。
マリコの泣きボクロまで取り入れていたのも「行き届いてる…!」と感じていました。
(マリコの両親など特に外見完全再現の必要性が無いキャラもいつつも、それゆえにその分マリコ達の再現度が光る)
あの時の感動がよみがえりました。
かつ、原作漫画を読むと百発百中で泣いてしまうので、緊張していましたが、単行本で書き下ろされていたまだ希望にあふれていたあの頃の二人の姿まで映画の中に入れてくれたので、「この映画は信頼できる!見に来てよかった!」と嬉しい気持ちになりました。
また、忠実な映像化を見た事によって、不思議と以前より原作漫画も平常心で読める気がしました。
そして、漫画の演出を丁寧に再現しつつ、
少し加えられたオリジナルシーンは映像化した時の流れの潤滑油になり、まるで最初からあったようにとても自然でした。
オリジナルシーンだと、例えば痴漢引ったくりに襲われていた女の子がバスの時にシイノに少し会っていたり、観客の目線でもなんとなくマリコに似ていると感じさせられつつ(きっと観客が似てると感じた分だけシイノも感じていたはず)、マリコの可愛い丸文字とこの子の端正で綺麗な字の対比がシイノを日常に戻していく始まりのようにも感じられてなんだか素敵でした。
パンフレットも購入しました。
上映中にこのレビューを読んでるみなさん!!おすすめです!!映画館でしか買えないので是非!!
まず、表紙が原作の平庫ワカ先生の美麗な描きおろし。
そして文の中の情報も濃厚。
印象的な部分のほんの一部を述べてみると、
原作のマリコの丸文字まで完全再現したマリコの手紙はマリコ役の奈緒さん自身が書いたとか、
それから作中ではひたすら酷かったマリコ父役の人は、ドアの向こうのぶつ音は実は自分の体を叩くという体を張った方法で出していたり、それでも衝撃的な場面だから、その分その場にいた子役さんのフォローをしていたり等の、プロフェッショナルな裏話などが書かれていたのが印象的です。(マリコの父親とは大違いだ…)
この映画に関わった全ての方、ありがとうございました。
俳優さん達の演技が光ってる
迫力の演技
原作に忠実
この映画、ほとんど前情報なしで見に行きました。
大好きな永野芽郁が主演っていう理由、ただそれだけです。
映画を見終わって、なんともいえない物足りなさが残りました。漫画は絶対こんな感じじゃないっしょ、評価高いし。気づいたら本屋で原作の漫画を購入してました。
漫画を読んでみて、シイノのセリフだったり、各シーンの描写や主人公や関係人物の行動など、映画と瓜二つでした。非常に原作に忠実な映画だと感じました。
漫画を見てるのと見てないのとでは明らかに感想が変わると思います。
映画を見ただけでは、手紙の内容くらい見せろや。と思うところでしたが、漫画にも映画にも、「私以外の誰もがマリコが死んでも関係ない、日常を過ごしている」というシーンがあります。
最後の手紙を見せないのは、試聴しているだけの関係のない他人が介入するものではなく、二人だけが知ってればいいということなのではないかなと思いました。
思えば劇中で手紙の全てを見せるようなシーンはなかったのかなと思います。
まだ見てない人は原作を見るべきだし、見た人は原作も見てほしい映画です。一巻完結なので、家を出る前に読めます。
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