マイ・ニューヨーク・ダイアリー
劇場公開日:2022年5月6日
解説
「ライ麦畑でつかまえて」などで知られるアメリカの小説家J・D・サリンジャーを担当する女性エージェントと新人アシスタントを描いたジョアンナ・ラコフの自叙伝を、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」のマーガレット・クアリー、「エイリアン」シリーズの名優シガニー・ウィーバーの共演で映画化。90年代のニューヨーク。作家を夢見るジョアンナは、老舗出版エージェンシーでJ・D・サリンジャー担当の女性上司マーガレットの編集アシスタントとして働き始める。ジョアンナの業務は世界中から大量に届くサリンジャーへの熱烈なファンレターの対応処理。心揺さぶられる手紙を連日読む彼女は、簡素な定型文を返信することに気が進まなくなり、ふとした思いつきで個人的に手紙を返し始める。そんなある日、ジョアンナは、サリンジャー本人から一本の電話を受けるが……。監督は「グッド・ライ いちばん優しい嘘」のフィリップ・ファラルドー。
2020年製作/101分/G/アイルランド・カナダ合作
原題:My Salinger Year
配給:ビターズ・エンド
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ウェルメイドで、力まず、穏やかな気持ちにさせてくれる作品だ。作家志望のヒロインが日々の糧を得るためにニューヨークの出版エージェンシーに勤務する。そんな夢のような就職斡旋があるのかと目を疑いたくもなるが、少なくとも本作は自叙伝が原作。電話でサリンジャーと言葉を交わしたり、彼宛てのファンレターに目を通す任務を仰せつかるのも、これらは基本、事実に基づいている。すなわち主人公は、仕事の一環とはいえ、読者からサリンジャーへ向けて放たれた思いの丈を覗き見てしまうわけで、作家志望の人間にとってこれほど言葉が力強く躍動する瞬間と出会う機会もそうはないだろう。作家志望の彼女がサリンジャーではなく、むしろ読者の言葉に心を揺さぶられるというのが興味深い。なおかつ、長きにわたる人生の浮き沈みを経てきた女上司との絆も目が離せないところ。シガニー・ウィーヴァーがちょうどいい重石となって、映画に彩りを与えてくれている。
2023年1月25日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
恋に仕事に、
夢を追い求めて成長する。
本好きで、劇中の作品を読んだことがあれば、この映画の面白さは別なんだろうな。
2022年6月26日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館
サリンジャー関連Peopleものです。真偽の程は定かじゃねーよ、なフィクションなんだろうし、かなり生々しさを避けてキレイな話にしました!な雰囲気じゃありますが、これは好き。
テンポは良いし、編集もソツが無いし、音楽も良い感じだし、画もきれいだし、共感を呼ぶキャラクターと、ちょっとだけヒールなキャラクターの作り方にも技巧を感じるし、物語りもそこそこに染みるし。
そうなんですよ。クオリティには何の問題も無いんです。ソツなくまとまりも良いんです。でもインパクトは無いと言う。
そもそも、肩の力を抜いて、ゆっくりと物語りを楽しむ、ココロに余裕のある方には、ちょうど良い佳作。ワタクシ、本日、多少ココロに余裕を欠いた状態だったので、少しだけ突っかかってみました。
客観的に言うと。
良かった。そこそこ。
こういう成長物語って、とかく視聴後に背中を押されるような教示的な傑作も多くて、
もちろんそういう作品も大好きでたまに見返したくなる。
けどこれは、駆け出しの若手が揺れ動きながら一歩ずつ仕事もプライベートも歩む物語。
それでいいじゃない?
思えば自分の若手時代だって、あとから言えばあれがターニングポイントだったとか、あの努力が報われたとかあるけど、
その時の本人からすれば、答えのない手探り状態でもがくしかなかった…
そんな気持ちを思い出させてくれた感じ。
お金ないなりにニューヨーカーの矜持を感じさせる、ひてすら可愛い服の数々、街並み、、、
私の年代からあえて言えば、主人公をゆるく応援し続ける2時間の、癒し系映画でした。