ケイコ 目を澄ませてのレビュー・感想・評価
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【”サイレント&センシティブ&ソウルフルなボクサー。”岸井ゆきのさんの目(目力)と表情と身体のみで演技する確かな演技力に、今更ながら引き込まれた作品。劇伴、一切なしの演出も効果的な作品である。】
■ボクシング映画が面白いのは、演じる俳優さんの気迫がスクリーンを通して伝わってくるからだろう。
だが、女性ボクサーを主役にした映画は少ない。
邦画だと、安藤サクラさん主演の「百円の恋」
洋画だと、クリント・イーストウッド・主演、監督でヒラリー・スワンクを一躍スターダムに押し上げた「ミリオンダラー・ベイビー」と、渋い所では脱北者の女性ボクサーを主人公に据えた「ファイター、北からの挑戦者」が印象に残っている。
主演した女優さんは、皆スターダムを駆け上がっている。
だが、トレーニングを含め、相当な覚悟が必要なんだろう。
■今作では、更に聾者という設定が被されている。
つまり、岸井さんは台詞で演技が出来ないわけである。
だが、今作で彼女はこの難役を見事に演じきっている。
ボクシングシーンも含めて・・。
今までは気づかなかったが、岸井さんの目力は相当凄い。
特に、小柄な彼女が”下から上”を見る時の目が凄い。
■演出面で言うと、一切の劇伴を無くした事で、ボクシングジムでミットを叩く”バシ!バシ!!”と言う音や、都会の騒音、川の流れの音がリアリスティックに響いてくることであろう。
<今作での、岸井ゆきのさんの声なき演技は、天晴というしかない作品である。
コロナ禍の寂しき風景や、脇を固める三浦友和さん、佐藤緋美さんの演技も良い。>
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■2月公開の「レッドシューズ」も楽しみである。
サブタイトルがダサい。
音が聞こえない、音を出してはいけない系の映画にハズレは少ない。観客が集中するし絵も手が抜けない。
レビューもかなりの数あるし、評価も高い。
ストーリーに目新しさは無いが、心の揺れを細かく感じられるのはやはり「音」が無いせいだろう。
ドキュメンタリーぽい距離感も良いのだ。
岸井ゆきのの成長著しい。三浦透子、古川琴音とか昔は見分けがつかなかったが3人とも良い作品に恵まれて一気に開花した感じでユマニテウハウハだ。
(3人とも事務所が同じ)
三浦友和のイケおジジ具合が良い。
仙道敦子が元気でよかった。
さらに中村優子の顔も見れてお得であった。
最近忙しくて、落ち着いて映画が見れない。
こんな時こそ映画見た方が良いと思うんだけど、心に余裕がないの、、、、。
2023/01/18
かつてプロボクサーだったわたしは「強くなりたい」とか「チャンピオンになりたい」みたいな思いはそんなになくて、単純にボクシングが楽しくて続けていたら、ボクシングがある日常が普通になっていた。ロードワークして仕事してボクシングして帰る、それが当たり前の日常だった。
世の中にあるボクシング映画は人生やら恋人やら、でっかーい何かを背負ってリングに立っているドラマチックなものばかりで、自分みたいなのからすると別世界のような気分になるものばかりだった。
この映画は、当時の自分のように、日常の中にボクシングがある、ただそれだけ、そんな1人の女の子の日常を切り取っているだけなのがとても心地よかったし、こういう映画があることが嬉しかった。
ボクシングだけではなくて、耳が聞こえないということも、彼女にとっては当たり前のこと。そういう当たり前のことを過度にドラマチックにすることなく描いているのがとても良かった。
バンテージ、わたしはネットに入れて洗濯機で洗ってたけど、ピンチハンガーに同じように干してました。
あとあの美しいコンビネーション練習を見ていたら、久しぶりにボクシングをやりたくなりました。
難しい役を見事に好演
はい
静かに淡々と
フィルムの良い点、良くない点。
きめ細やかな作り。
縄跳びの縄が床に当たる響き、
靴、
グローブとミット、
鉛筆とノート、
電車、車、、、の響き。
セリフが少ないので、
目を澄ますと、
脳に響いてる何かが際立つ。
音楽が、入る所は、
上記は全無音。
それぞれの音が脳を透過して心臓に響く。
体感してから、
頭で解釈する、
身体で感じたものを、
脳で解析(映画に解析なんて不要、という前提で。)するタイプの作品。
2人のシャドウは、
年間でもトップクラスに残っていいほど気持ちのいいシーン。
耳を澄ます、
のではなく、
目を澄ます、
と、
心に響いてくるものがある。
のであれば、
寄りの絵の暖かさはいい。
引きの絵の何枚かの、
フィルムの粗さは、
これでよかったのかは疑問が残る。
こちらは目を澄ませてるのに、、、。
フィルム好きであればこそ、
ノスタルジーで語るのではなく、
暖かさとかでごまかすこともなく、
更にもっと引いた感覚も必要かと。
とはいえ、
そんな粗さも
ケイコの、
立たなきゃ昨日へ逆戻り、
感に、
倒されてしまった。
好きそうで好きじゃなかった
斬新ではあるが・・・
タイトルなし
音はない位が丁度良い
時間の都合で訳も分からず字幕版を鑑賞。いつもと異なる鑑賞スタイルに対する拒否感と同時に、普段は気に留めない雑音の存在に注意を惹きつけられる。効果音がないので感情誘導される事なく、登場人物の心理描写やカメラ回しに集中できる。シーン一つ一つの映し方が丁寧且つリアルだ。役者の演技(特に三浦友和)も味わい深い。お涙頂戴な演出をさせないところがフラットに見れて丁度良かった。
恵子は周囲の音や声が聞こえないので我々健常者からすると不都合だなと思う一方、余計な雑音が聞こえない分、自分の心には人一倍会話していると思う。日記に綴られている心境の変化がリアルだった。人のトレーニングしてる姿は駆り立てられるものがある。
もう観れないと思ってたけど朝早起きして観た価値がありました。
仙道敦子!
音のない世界
聴覚障害のプロボクサーがいることにまず驚く。劇中でも言っているが、とんでもないハンデを持って戦うことになる。
ボクシングが大好きなのでボクシングものは結構観てるが、ハンデのある人のボクシングの試合は命懸けだ。この映画は岸井ゆきのという女優の渾身の演技でそれが見事に表現されていた。追い詰められる瞬間獣のようになる。
日常の中の伝わらないもどかしさはボクシングをやっている時だけは考えなくて良くなる。これが彼女にとっての自己表現なんだろう。目を澄ますとは素敵な表現だ。
劇中は音楽をなくし生活音のみの中、ボクシングのパンチやフットワークの音がひびく。練習のシーンで新しいコンビネーションのミット打ちは最高。
そして特筆すべきはジムの会長、三浦友和。燻銀の演技でこの映画に深みを加えていた。
心も聴こえそう
岸井劇場
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