ケイコ 目を澄ませてのレビュー・感想・評価
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2023/01/18
かつてプロボクサーだったわたしは「強くなりたい」とか「チャンピオンになりたい」みたいな思いはそんなになくて、単純にボクシングが楽しくて続けていたら、ボクシングがある日常が普通になっていた。ロードワークして仕事してボクシングして帰る、それが当たり前の日常だった。
世の中にあるボクシング映画は人生やら恋人やら、でっかーい何かを背負ってリングに立っているドラマチックなものばかりで、自分みたいなのからすると別世界のような気分になるものばかりだった。
この映画は、当時の自分のように、日常の中にボクシングがある、ただそれだけ、そんな1人の女の子の日常を切り取っているだけなのがとても心地よかったし、こういう映画があることが嬉しかった。
ボクシングだけではなくて、耳が聞こえないということも、彼女にとっては当たり前のこと。そういう当たり前のことを過度にドラマチックにすることなく描いているのがとても良かった。
バンテージ、わたしはネットに入れて洗濯機で洗ってたけど、ピンチハンガーに同じように干してました。
あとあの美しいコンビネーション練習を見ていたら、久しぶりにボクシングをやりたくなりました。
難しい役を見事に好演
はい
静かに淡々と
フィルムの良い点、良くない点。
きめ細やかな作り。
縄跳びの縄が床に当たる響き、
靴、
グローブとミット、
鉛筆とノート、
電車、車、、、の響き。
セリフが少ないので、
目を澄ますと、
脳に響いてる何かが際立つ。
音楽が、入る所は、
上記は全無音。
それぞれの音が脳を透過して心臓に響く。
体感してから、
頭で解釈する、
身体で感じたものを、
脳で解析(映画に解析なんて不要、という前提で。)するタイプの作品。
2人のシャドウは、
年間でもトップクラスに残っていいほど気持ちのいいシーン。
耳を澄ます、
のではなく、
目を澄ます、
と、
心に響いてくるものがある。
のであれば、
寄りの絵の暖かさはいい。
引きの絵の何枚かの、
フィルムの粗さは、
これでよかったのかは疑問が残る。
こちらは目を澄ませてるのに、、、。
フィルム好きであればこそ、
ノスタルジーで語るのではなく、
暖かさとかでごまかすこともなく、
更にもっと引いた感覚も必要かと。
とはいえ、
そんな粗さも
ケイコの、
立たなきゃ昨日へ逆戻り、
感に、
倒されてしまった。
好きそうで好きじゃなかった
斬新ではあるが・・・
タイトルなし
音はない位が丁度良い
時間の都合で訳も分からず字幕版を鑑賞。いつもと異なる鑑賞スタイルに対する拒否感と同時に、普段は気に留めない雑音の存在に注意を惹きつけられる。効果音がないので感情誘導される事なく、登場人物の心理描写やカメラ回しに集中できる。シーン一つ一つの映し方が丁寧且つリアルだ。役者の演技(特に三浦友和)も味わい深い。お涙頂戴な演出をさせないところがフラットに見れて丁度良かった。
恵子は周囲の音や声が聞こえないので我々健常者からすると不都合だなと思う一方、余計な雑音が聞こえない分、自分の心には人一倍会話していると思う。日記に綴られている心境の変化がリアルだった。人のトレーニングしてる姿は駆り立てられるものがある。
もう観れないと思ってたけど朝早起きして観た価値がありました。
仙道敦子!
音のない世界
聴覚障害のプロボクサーがいることにまず驚く。劇中でも言っているが、とんでもないハンデを持って戦うことになる。
ボクシングが大好きなのでボクシングものは結構観てるが、ハンデのある人のボクシングの試合は命懸けだ。この映画は岸井ゆきのという女優の渾身の演技でそれが見事に表現されていた。追い詰められる瞬間獣のようになる。
日常の中の伝わらないもどかしさはボクシングをやっている時だけは考えなくて良くなる。これが彼女にとっての自己表現なんだろう。目を澄ますとは素敵な表現だ。
劇中は音楽をなくし生活音のみの中、ボクシングのパンチやフットワークの音がひびく。練習のシーンで新しいコンビネーションのミット打ちは最高。
そして特筆すべきはジムの会長、三浦友和。燻銀の演技でこの映画に深みを加えていた。
心も聴こえそう
岸井劇場
高評価が多いので鑑賞
赤いキャップ
うわー!帰って来れない!
見たんですよ、映画ファンの評価高いって理由1本で。
ペンが紙を走る音、水を飲む音、電車がレールを踏む音、ミット叩くコンビネーションの音。
日常音、僕達に聞こえてる、当たり前に聞き逃してる何でもない音が聞こえるんですよ、この映画。
でね、この映画の主人公ケイコは耳が聞こえ無いんですよ、この映画の音も、僕らが聞く映画館出てから街の雑音も。
彼女の世界と僕達の世界は分断されてるんですよ。
もうね、切ない・・僕達はこの映画でケイコを理解したい、ケイコの味方になりたいって思っちゃった訳ですよ。
切ない・・・
なーんも考えずに生きてたら、あの職質警官や、階段おじさんみたいになっちゃうかもですよ。
それはやりたくないなー。
この映画に思ったんですよ、ケイコ側の味方で居たいなと。
イヤリングとか、服とか、オシャレ女の子なケイコが、会長の赤いキャップを大事な物みたいに被って走るじゃ無いですか。
母が撮ったブレブレの写真、日記なんて自分の内面そのものを渡す手、受け取る手。
あんなの見せられたらね。
映画館出て何日か経ったけどね、もうね・・・帰って来れないですよ。
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