メイド・イン・バングラデシュ
劇場公開日:2022年4月16日
解説
世界の繊維産業を支えるバングラデシュを舞台に、衣料品工場の過酷な労働環境と低賃金に立ち向かう女性たちの姿を描いたヒューマンドラマ。大手アパレルブランドの工場が集まるバングラデシュの首都ダッカ。衣料品の工場で働く女性シムは、厳しい労働環境に苦しむ同僚たちと労働組合を結成するべく立ち上がる。工場幹部による脅しや周囲の人々からの反対に遭いながらも、自ら労働法を学び奮闘するシムだったが……。10代半ばからバングラデシュの労働闘争に関わってきたダリヤ・アクター・ドリの実話をもとに、気鋭の監督ルバイヤット・ホセインがメガホンをとった。「アンジェリカの微笑み」などで知られる撮影監督サビーヌ・ランスランによる美しい映像にも注目。
2019年製作/95分/フランス・バングラデシュ・デンマーク・ポルトガル合作
原題:Made in Bangladesh
配給:パンドラ
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2022年4月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
世界のファストファッションの縫製工場が集まるバングラデシュで働く女性たちの現実を描いた作品。バングラデシュは近年、高い経済成長率を維持しているが、それを支えるのが輸出産業。その輸出産業の中で大部分を占めるのが衣料関係だ。労働力を安く使えてしまうために、世界中のファッション企業がこの国の工場で生産をしている。
一日に1000枚以上のTシャツを作っても一カ月の給料はTシャツ2,3枚分にしかならない。それでも欧米の企業人はコストを下げろと要求する。誰かの快適な暮らしは、世界を巡り巡って誰かの苦しい生活につながっている。グローバル経済の理不尽さを強烈に浮き彫りにする作品だが、登場する女性たちはどれも生き生きとしており、戦う気概に満ちている。ただのかわいそうな人たちを描いたわけではない。自立して、自らの権利を勝ち取るために戦う力のある人々が描かれる。ラストカットの主人公の尊厳あふれる顔が大変素晴らしい。
ファストファッションが
お手頃なのは
誰かが低賃金で作ってくれているから。
知ってはいたけれど
この映画で、
こんな人たちがこんな風に働いて作っているんだなと
目に見えて分かりました。
国の経済状況にもよるから
私たちが低賃金と思っていても
働き手の人が低賃金だと思わないお給料をもらえるなら
それはそれでいいと思う。
実際中国でもほんの20~30年前まではは日本人から見ると
かなりの低賃金で仕事をしていたと思うけれど
だんだんと国の経済力が増し、賃金も上がってきている。
日本人が足元にも及ばないお金持ちもたくさんいる。
問題は人権を無視して働かせていること。
労働者を使い捨てのように扱って人として尊重してないこと、
女性だからという理由で男性よりも給料が低いこと、
心身を害するおそれのある過重労働、
言いなりで物を言わせないパワハラ、
労働者が団結することを阻むこと、
セクシャルハラスメント・・・・。
人権を守るためには
知ること、学ぶこと、考えること、団結すること。
これはバングラデシュだけの問題では無いと思う。
どこの国でも人権を尊重しているのか
常に問い続けることが大切。
2022年8月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
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インドのお隣なので、途中で急に踊り出すのかと思いきや、ドキュメンタリータッチな社会派作品。
ファヒムもそうだったが、バングラ作品はこういうテイストが多いのかな。
無職の夫と縫製工場で働くシム。男尊女卑のイスラム社会では女性の地位はかなり低い。
低賃金でファストファッションを作らされ、不平不満言うならすぐクビになる。
そんな閉塞感の中で働く女性の権利を主張するために組合を作ろうとするが、男性優位の中では脅しにも合いなかなか進まない。そればかりか、腐敗しきった公務員も組合を作ろうとするものの、難癖つけてはOKを出さない。
シムが脅しに近いやり方をしないと組合ができない社会に切り込もうとしている。
史実に基づいたものということもあり、決して華やかな撮影場所は全くない。それもリアリティを出している。
バングラデシュの男どもは腐敗した公務員・無職のくせに偉そうな夫・不倫して立場悪くなったらポイする工場のお偉いさんなど、ダメダメばっかりじゃん。そんなイメージを持った作品でもある。
2022年7月22日
Androidアプリから投稿
実話を元にしており、無意識の搾取に自分たちも関わっていると認識することが出来た。
これとは別に国内でも低賃金で働く層がいて、様々なサービスを受けられることも同時に認識しなければならないだろう。(ここでいう低賃金とは、将来に展望が持てない、希望が持てない職場)