「きらりと光る良作。迷ったらおすすめ」ソングバード yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
きらりと光る良作。迷ったらおすすめ
今年299本目(合計574本目/今月(2022年10月度)13本目)。
ここの特集にもあるように、「もうすこし先の」アメリカでパンデミック(covid-23という扱い)が流行していて、さらに政治も腐敗しているような支離滅裂な地方自治体があったら…?というお話。
お話自体は架空のものですが、元になった事実があるのは当然のことで、当然映画のような支離滅裂な隔離はとられていませんが、それでも法がこういった特異な状況を想定していなかったのか、いくつかの国では超法規的に支離滅裂な対応がとられているところもあります。
映画の趣旨的に元ネタがあることは明確なものの、それが「具体的に」何かということを書き始めると問題になるので、covid-23 以外は何もなく、あえてあげるとすれば「いつもよくいっている「チャイニーズ・シアター」のような(古いタイプの)ミニシアターが自宅で楽しめる」という部分で中国を参照するシーンが出る程度です。ほか、リアル中国を名指ししたりWHOがどうこうといった話は一切出てこないです。
日本とアメリカでは法の体系も違い、この映画は架空のお話という事情も踏まえ「さらに人間のモラルが崩壊して好き勝手できる支離滅裂世界になっていたら?」という趣旨のお話で、そう考えると、多少の傷はあっても日本のコロナ対応は後手後手にはなっても、敗戦の経緯をふまえた日本国憲法を参照しながら「人権侵害におよぶことは一切おこなわない」ようになっているので(移動の制限やロックダウンなどの処置がとれないのは、憲法上の規制。これをやるなら憲法からかえないと無理)、そこは日本は極めて厳格になっています。一時期話題にもなりましたが、そもそも「現行の日本国憲法にそうかぎり、日本ではできない」のです。
ストーリー的には結構単純なところが多く、誰が黒幕だの何だの書き始めると(ただ、この映画、大半の人が covid-23 なるものに感染しているのか、大半の人の言うことが支離滅裂だったり、よくわからない発言をする人も出る)ネタバレになるのでこのあたりにしておきましょう。
なお、映画内でスペイン語が話される部分がありますが(スペイン語を話せる人が出るシーンがあるため)、その部分の字幕も丁寧なので、混乱を招くこともありません。
減点対象は特に見出しにくいのでフルスコアにしています。