熱帯往事(仮題)
劇場公開日:未定
劇場公開日:未定
The fifth number is nineteen.
.....
The second number is fourteen.
.....
The third number is twenty-nine.
etc.....
上のセンテンスを仮に読まれても「なんのこっちゃってか?」(※軽率な言葉、失礼)
まぁ、冗談はさておき、映画の話の流れが、そんな具合かもしれないけれども... この映画のプロットラインがよく理解できるある意味、話の全体像を象徴している。
"Nonlinear narrative (非線形な物語)"
プロローグとして映画が始まるのが主人公の現在置かれている立場でその後決して物語が普通に時間経過が未来に進んでいくのではなくてあくまでも過去にフラッシュバックを繰り返すために時系列に沿って物事が進むストーリー展開ではない... つまり出来事の時系列的な順序が乱れ、ストーリーが最初から最後まで直線的に進まないストーリーテリング手法を使っているという事。代わりに、このテクニックを使うことで、サスペンス性が生まれ、キャラクターに深みを与えたり、さまざまな視点から出来事を明らかにしたり、また視聴者が作品の内容を見つめ直す良い機会を与えてくれたりもする。
この"Nonlinear narrative (非線形な物語)" による特筆すべき展開が物語も1時間ほど過ぎたときに訪れる。そのおかげでただ平凡で変化のなさに映画を見飽きたときにちょうど訪れるのでシナリオとその演出に加えるように強くサスペンス性を感じるものとなっている。
話は変わって、監督の遊び心のある演出がお話も終わろうとしたときに現れる。それは少し期待していた部分もあるので、それをもて遊ばれ感があったけどそれが反って良かったように感じられる。自分が持っている男女間の色恋の薄汚れた部分を見透かされるように、またさらけ出されたことで15㎏以上減量をしたエディ・ポン演じるシュエミンの純粋な "贖罪" が描かれていることで素直な心で受け止めることができ自身の想い出にもなるものでした。
そんなこんなで監督のウソ、もとい、演出に翻弄されちゃったあたしだけれども彼、エルヴィスちゃんだって♪Are You Lonesome Tonight の歌の中で「ウソをを突き通してほしい!」って仰っています。
Then came act two, you seemed to change
and you acted strange
And why I'll never know.
Honey, you lied when you said you loved me
And I had no cause to doubt you.
But I'd rather go on hearing your lies
Than go on living without you.
曲の途中にShakespeareの『As You Like It』 よりインスパイアされたエルヴィスによる視聴者への語りかけの部分がより彼の世界観を形成している。監督が映画の題名に使うのもわかるような気がする。とにかくとろけそうになります。
『恋する惑星』を撮ったウォン・カーウァイと割と比較される本作の映画製作者温仕培(ウェン・シーペイ)監督... 別に彼の弁護をさらさらするつもりはないけれどもカーウァイ監督のコマ落ちとショットの引き延ばしを多用するビジュアルだけを優先しているのではないかと誤解を生む姿勢とは違い、若手映像作家の育成から立ち上げられた作品なので、その事より一線を画しているように感じる。それと...
"Nonlinear narrative (非線形な物語)" はいいところばかりではないという事... 時間軸が過去に戻ったり先に行ったりするので話自体がとっ散らかり易く、シナリオが整理されなければ見ている側が何時のことかわからなくなり話についていけずに置いてきぼりを食らってしまう欠点があるけれども本作に限って言うなら、脳ミソ・ウニのあたしでもものすごく~ぅ分かり易く映画作りがされていました。
本当に日本で上映するんですか? 嬉しいです! 英語題名は「Are you lonesome tonight?」です。役作りとは言え、ゲッソリ痩せた姿には心配しましたが、エディの意気込みが感じられました。恋愛物ではない作品で、またエディの演技の幅が拡がっていて、良い作品になっています。♡♡♡