オペレーション・ミンスミート ナチを欺いた死体のレビュー・感想・評価
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事実は小説より奇なりとはこのこと。
事前知識が全くない状況で鑑賞しました。
元々本作を鑑賞する予定は無かったのですが、観たかった映画の上映まで時間に余裕があったため、ちょうど上映していた本作もついでに鑑賞。
結論ですが、観て良かった!!凄い面白かったですね。
第二次世界大戦中に実施された、奇想天外な欺瞞作戦。「こんな子供だましが成功するわけないだろ」と誰もが思うような作戦に、大の大人たちが雁首揃えて頭抱えて挑む。そして(史実だからネタバレじゃないですが)作戦は見事に成功する。ユーモアがあって痛快で面白い!!
作戦とは関係ない恋愛描写が邪魔だったところが個人的に不満でしたが、それ以外はかなりクオリティが高くて面白い映画だったと思います。
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1943年、大戦で劣勢状態にあったイギリス軍は、地理的に要所とされていたイタリアのシチリア半島への侵攻を計画していた。しかしシチリアは既にドイツ軍によって占領されており、下手に接近すれば迎撃され、多くの犠牲が出てしまうことは明白であった。そんな中、英国諜報部によって一つの作戦が提案される。それは、軍人に見せかけた死体に「イギリスはギリシャ侵攻を計画している」とする偽造文書を持たせ、その死体を海に流してドイツ軍に発見させることにより、シチリアに配備されたドイツ軍の人員をギリシャ防衛に割かせるという突飛な作戦だった。
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本作で描かれる「ミンスミート作戦」は実際に1943年にイギリス軍が実行し、大成功を収めた軍事作戦です。成功するとは思えないあまりにも荒唐無稽な作戦ではありますが、入念な準備とシミュレーションによって見事にドイツを欺き、シチリアの奪取に成功します。
この映画の上映時間のほとんどは、作戦準備の描写に割かれています。水死体に見えるような外傷のない死体を探し、死体に「ウィリアム・マーティン海軍少佐」という偽装の名前と役職を与え、彼が恋人の写真や手紙や滞在したホテルの領収書などを持たせることで、あたかもウィリアム・マーティン海軍少佐という人物が実在したかのように人物背景を練り上げていく。リアリティがあるフィクションをみんなで協力して作り上げていくその描写が非常に面白い。ここは観ていてワクワクするシーンでしたね。
そして、完璧な下準備をしていよいよ作戦決行。あれだけ綿密な作戦を立てていたものの、実際に作戦が行われると色々とトラブルが続出します。「機密文書を持った死体が中立国のスペインに漂着したら、スペインにいるドイツスパイがすぐさま死体の回収にくるだろう」と目論んで、計画通りスペインに漂着したにも関わらず、ドイツのスパイが死体を回収しに来なかったり…。
もしかしたら計画は失敗したかもしれないという雰囲気の中、スペインからイギリスに引き渡された死体の所持品から「偽装文書が開封されている」ということが判明し、シチリアへの侵攻を決行する。するとドイツ軍はイギリスの作戦通りシチリアからギリシャに兵を移動させていたため、侵攻作戦は大成功を収める。
映画には描かれていませんが、この作戦の後にイギリス軍がマジの機密文書を紛失してドイツ軍に拾われてしまったことがあるそうで、その際にドイツ軍は「これもミンスミート作戦と同じく偽装文書だ」と勘違いしてしまい、事前に相手の作戦を知っていたにも関わらず準備をせずに大きな損害を被るという事案もあったそうです。そういう史実を調べてみると、この映画は更に楽しめると思います。
ただ若干の不満点がありました。それが随所に見られたラブロマンス要素ですね。
断言しますがこの映画には恋愛要素は一ミリも要りません。ただでさえこういう頭を使う映画は複雑で難しくなりがちなのだから、余計な部分は削ぎ落して短く簡潔明瞭にしないといけないんですよ。あちこちに散りばめられた恋愛要素のせいでダラダラと長い映画になってしまっている印象で、結局上映時間は128分という2時間超えになってしまっています。恋愛要素を全部排除して110分くらいの尺にするか、上映時間は同じでいいから作戦に関する説明を追加して分かりやすくしてほしかったと思います。
多少の不満点はありましたが、面白い映画だったことは間違いありません。観ておいて損は無いと思います。オススメです!!
作戦名そのものが欺瞞とかw
第二次世界大戦における、連合国のシチリア島上陸作戦=オペレーション・ハスキーを有利に運ぶべく、イギリス軍による欺瞞作戦を題材にしたノン・フィクション。
と言う事で、映画では触れられていない背景や、史実とは異なる部分をチラホラ補足。
◆18番の欺瞞作戦
1942年の北アフリカ戦線。ドイツ軍第90歩兵師団の偵察車は、自軍の地雷原で炎上している車両を発見します。車内には焼けただれたイギリス兵の遺体。イギリス兵が持っていたのは「イギリス軍の地雷原の地図」。ドイツ軍エルヴィン・ロンメルの戦車部隊は、地図に示された地雷原を避けてアラム・ファルハへ向け、柔らかい砂漠地帯を通って進軍したため、突破に手間取ったとされています。ロンメルは、この地雷原の地図を信用していなかった、と言う説もありますが、イギリス軍にとっては「諜報活動の成功体験」となりました。
◆パムの正体
パムの写真はMI5の事務職員であった女性のもの。彼女がミンスミート作戦で中心的役割を担っていたと言う記録はありません。ここは演出、って事ですね。
◆親書
問題の親書は、「帝国参謀本部副参謀長」のサー・アーチボルド・ナイから、西アフリカ戦線の「第18軍指揮官」サー・ハロルド・アレクサンダーへ宛てられたもの。この手紙は、実際にアーチボルド本人が書いたそうです。個人の「親書」としての信憑性を持たせるために、イギリス軍を批判する文章を盛り込んだとの事。
◆ミンスミートは消化された
ブリーフケースを回収し精査したイギリス軍は、ドイツ軍に情報が渡った事を確信し、チャーチルに報告します。その電報の文章は「ミンスミートは丸のみされた」。映画では、「ミンスミートは消化された」とチャーチルからの電報が入りましたが、「丸のみされた」と言う報告に対する返しだったんですね。と言うか、「消化された」って言う電報は事実なんでしょうか?ってのはあるけど。
◆ムッソリーニ vs ヒトラー
親書から読み取った機密情報を信じなかったのがムッソリーニ。彼は、依然として連合国のターゲットはシチリアだと考えていました。ゆえに、イタリア軍はシチリア防御線から移動していないんです。これに対してヒトラーはシチリア防御からアテネの防御に戦略を完全に切り替えるのですが、実は、言うほどにシチリアの戦力は減っていないと言う事実があります。
◆オペレーション・ミンスミートの効果
親書の情報を元に、ドイツ軍は①「追加の軍勢」をシチリアでは無くコルシカとギリシャに派遣。②ロンメル元帥をアテネに派遣。③パンター戦車部隊1個師団をフランスからギリシャへ。2個師団を東部戦線からギリシャへ。④機動掃海艇部隊をシチリアからアテネへ移動。
実は、シチリアから減ったのは④だけなんです。と言っても、これは大きかったでしょう。機動掃海艇部隊には、機雷の敷設部隊も含まれるからです。また、欧州戦線に与えた影響として無視できないのは③です。戦車部隊2個師団が東部戦線、つまりは独ソ戦の舞台から消えたんですから。
映画の中で「パム」の正体に気づき、秘密を聞き出しに来たテディ。ヒトラーの失脚を願う、反ナチスのドイツ人が黒幕と見るのも合理性有りでしょうが、それ以上に、当時のMI5内の二重スパイとしては、ソ連のスパイと言う方がリアリティありますけどね。
また何と言っても、「また騙された!」ナチスドイツは、以降、欺瞞作戦に対して過剰反応するようになったと考えられます。ノルマンディからの侵攻ルートを記した書類や、マーケットガーデン作戦の命令書を入手しますが、欺瞞作戦を疑い情報を廃棄してしまいます。
映画本編の方は、恋愛要素は要らんかったかなぁ。純粋に欺瞞作戦のスリルに集中してほしかったなぁと。それに尽きまする。個人的には、物足りなかったです。かなり。
ちなみに作戦名の「ミンスミート」は1941年に実行されたサルディーニャ島の空襲作戦のコードネーム。作戦名そのもも再利用することによって、新しい欺瞞作戦である事が露見することを避けようとしたんですね。
わかりにくく眠かった
第2次世界大戦中の1943年、英国軍はイタリア・シチリア島の攻略を目指すが、沿岸はドイツ軍に固められていた。英国諜報部(MI5)は状況を打開するため、オペレーション・ミンスミートという奇策をチャーチル首相に提案した。その作戦は、「イギリス軍がギリシャ上陸を計画している」という偽造文書を持たせた死体を地中海に流し、ヒトラー総統を騙し、ドイツの軍隊をギリシャに向かわすというものだった。騙し合いの結末は・・・という実話に基づいたもの。
戦争映画だと思って観たら、ほとんどドンパチは無く、誰がスパイで誰が味方かもよくわからず、眠くなった。
確かに、ヒットラーを欺き、作戦は成功したのだろうし、今、ウクライナで起きているフェイク合戦と言われる情報戦も同様なんだろうけど、わかりにくい。
興味は有るのだが、変化が少なく、とにかく眠かった。
盛り上がりにかけてたなぁ…長え
戦場での銃撃戦だけでなく、その裏で起こる心理戦も戦争の一つ。
死体に嘘の機密情報を持たせてナチスを撹乱した。
その事実は面白いなと思ったけど、ただただ盛り上がりに欠けて淡白。
メイン3人の交流がなんだかつまらない。
スパイ疑惑、恋愛感情…傘増ししたかったのか余計に感じた。戦場のシーン、状況の説明を増やして緊迫感を出すべき。
敵の裏を描くのが面白い点の一つだが、何が起きているか分かりづらいなぁと思った。感動シーンも盛り上がらない。
やっぱり007みたいにアクション盛り盛りの方が私は好きです。
如何にも Made in Britain ていう感じ。戦争にはドンパチする表の面と、諜報活動等の頭脳戦の裏の面と二面があるという冒頭の台詞が本作のカラーを物語っている。
①こんな危うい作戦に賭けなければならなかったとは、当時チャーチルは大分追い込まれていたんだなぁ、と今更ながらに思わされた。②ちょっとでも綻びがあれば大失敗に終わりかねないこの作戦が成功したのには、もっと沢山の紆余曲折があった筈だと思うけれども、勿論全部は描き切れないので、そういう点では上手く2時間の映画に纏めていると思う。③イアン・フレミングが作戦の立案者というのには驚いたが、それを知れば裏007の話と云えなくもないと思う。④第二次世界大戦に関することはそれなりに知っていたつもりだったが、「operation mincemint」の事はこの映画を知って初めて知った。連合国側の反転攻勢のきっかけとなった有名な欺瞞作戦とのこと。不勉強でした。⑤死体をそれ(イギリス軍の将校)らしく見せることが作戦の先ず一番肝心なことなので、如何にも実在の人物であってバックグラウンドやロマンスまで捏造するところを丁寧に描いているので、ここまでは分かりやすい。ただそれだけでは映画として無味乾燥なので関係者の間に心理的緊張を漂わせてドラマチックに脚色していることがわかる。⑥ただ、ここまでは英国内で対応できることだが、死体を一旦海に放り込んでからは手出しが出来ない。死体が見つかること、死体の身元を信じさせること、身に付けた手紙やカバンの中身を吟味させ盗み読みさせること、その情報をベルリンに届けさせること、その情報をヒトラーに信じさせること、これだけのことが計画通りに進むことを英国から全て遠隔操作するのは無理かかなり手間がかかるので或る程度話をはしょるのは仕方ないだろう。⑦しかし、スパイというのは女の股間にも男の股間にも手を入れなければいけない仕事とは…ご苦労様です。女と寝るだけでよい007はやはりフィクションの産物ですね。⑧コリン・ファース演じるモンタギューが就寝前に息子に読んで聞かせるのが「39 Steps」(ヒッチコックの名作『三十九夜』の原作)」というスパイ小説という微笑ましい楽屋落ちを描く一方、スペインで死体の解剖をしているときに海に浸かっていて膨張した腹から腸を取り出すグロテスクなシーンは要らなかったと思う。まあ、イギリス人は悪趣味なところがあるからね。⑨コリン・ファースも年取りましたね(同い年ですけど)。ジーンとの最後のシーンでは流石に老いが顔に出ていたけれども、でも未だ若い女性と恋を語る色気は残っていて不自然ではない。何よりどちらかと言えば地味なこの映画を引っ張っていく演技力はコリン・ファースなればこそ。⑩映画は、まだまだ自分の知らないことが世の中には沢山あるということを教えてくれて、色んなドアを開けてくれるから素晴らしい。例えノンフィクションであっても自分さえ「もっと知りたい」と思えば自分の世界を豊かにしてくれる。この映画を観て改めて思った。
全力で嘘をつく話
2022年劇場鑑賞79本目。
自分は嘘をつかれることにはそんなに抵抗ないのですが、すぐバレる嘘をつく人には本当に腹が立ちます。話の途中で矛盾や不自然な点がある場合は論外ですが、ちょっと他の人に聞いたらバレるのも腹が立ちます。人をだまそうというのに手抜きするな、という気持ちがあるのかもしれません。
この映画は実話を基にしていて、流れ着いた将校が持っていた機密文書が本物だとナチスに信じ込ませるために細かい設定を詰めていく前半と、いざ渡った後にそれが本物でイギリスは慌ててますよ、という芝居をする後半に分かれています。
正直アンビリーバボーで15分にまとめられるんじゃないの?という気もしましたし、似たヴィジュアルの将校がいて主人公の相棒をしばらく弟だと勘違いもしていましたし、作戦に関わるある女性が作戦中すごく面倒くさい事言い出すし・・・。
嘘を本当に思わせるための色々な仕掛け自体は面白かったのでこれくらいつけておきます。
やはり、予想通りの好みのタイプの作品だった
実際の作戦も背景にも乏しい中観た為、登場人物が多くて覚えきれなかったのだが、人間模様に魅了されて何度でも観て解きほぐして行きたいタイプの作品だった。
何度も観て未だに全て理解していない「裏切りのサーカス」出演していたコリンファースの声は耳に馴染んでいて、とても親密な感じがする。
昔はヒューグラント派だったが、観る回数は圧倒的にコリンファースが多いのと良い役をやっているのもあり、すっかりコリンファースの声に取り込まれている気がする。
「帰らない日曜日」の予告でも、真っ先に声に反応してしまう自分がいたりする。
ここまで思いを募らせながらも「英国王のスピーチ」を観ていないと言ったら知人に驚かれた。
ミンスミートも配信になったら当然繰り返す予定だが、とりあえず先に観なくては。
部隊内の人間模様が面白い
第二次世界大戦中、偽の文書を持った死体を海に流しナチス・ドイツへ誤情報を流そうとする作戦を描いた話。これが本当の話だっていうんだからすごい。
でも、この作戦だけで話が成り立つんかなと思っていたが、心配は無用だった。死体が持っている文書を本物と思わせるための設定づくりが面白い。死体の選定、兵士の名前、恋人、生い立ちや2人の出会い、そして恋人からの手紙や機密内容が記された文書の文面…、細部までこだわっていく姿はチームものとして面白い。さらに、親近感や恋心、嫉妬など、部隊内の人間ドラマも見応えがあった。
ただ、最後は結局あれはどういうことだったんだろう?とスッキリしなかったり、それ誰だっけ?と悩むところがあったのは残念なところ。いや、大筋では理解できたから大きな不満ではないのだが。
実話に基づく話なので、登場人物たちのその後が字幕で語られる。彼らの人生にも思いを馳せてしまった。やはりすごい話だ。
事実は小説より奇なり
とてもイギリスっぽい映画だなというのが最初の印象。皮肉やプライドの奥に隠れた思いがにじみ出る俳優陣の演技に好感を覚えた。
題材としては「面白い実話」もので、出来事自体がそれほど有名ではないだけに、虚実の境がわかりにくいタイプの映画だ。おそらくあんなに真面目に死体の写真を撮るなんてことはしてなさそうだけど、ジョークをはっきりと言わないので「ホントに?」感が残る。そこが面白い。
せっかくイアン・フレミングが出てきて、何やら小説を書いているようなシーンがあるので、いっそのこと彼の視点で、小説に書かれていることとしてフィクションっぽく描いても面白かったのではないかと思いました。
遺体に与えた嘘の人生と、戦時下でのリアルな人生が交錯し小説のような面白さ
味方さえも疑わなくてはならない状況下でナチスを欺くことができるのか
第二次大戦中、「ナチスを欺くために偽造文書を持たせた遺体を流す」というイギリス政府による奇抜な作戦が行われた。
名付けて「ミンスミート(ひき肉)作戦」。これが実話であり、さらにはあの009の生みの親、イアン・フレミングが提唱した作戦だというから驚く。
報道されているのはほんの氷山の一角で、世界の上っ面の茶番の1%しか知らないんだろうな、市民の私たちは。ということを否が応でも知らしめられる。
中立国のスペインに存在するドイツ人スパイに、なんとかして「偽の攻撃対象(ギリシャ)を書いた機密文書」を目撃させなければならない。連合軍はその裏をかいて、シチリアに上陸したい。
スペインにはイギリス諜報部の息のかかった三重スパイと、その三重スパイを二重スパイと信じている勢力、そして「反ヒトラー」勢力もウロウロしている。とはいえ、イギリスは敵国のことをまるで知らないわけではなく、MI5はスペインにいるドイツ人スパイのことを詳細に把握している。
そのスパイを暗殺するなどはせず、敢えて泳がして、必要な情報与えたり隠したりするから(不謹慎だが)諜報戦は面白い。
三重スパイは女も男も相手にし(彼が一番活躍したのではないだろうか)、まさに陰謀の巣窟。
そして主役の一人モンタギューにも、スパイ疑惑がふりかかる。
弟が共産党員との噂があり、恋敵ということも相まって、同僚のチャムリーは猜疑心に陥る。
母国で物理的には離れた場所の敵への策略を練りながら、仲間をスパイせねばならない悪条件に加え、更にはなんとレストランのウェイター、テッドが実は謎のスパイだったことも判明する。
モンタギューは結果白だったが、作戦は最後まで成功したのか不確定要素が多く、終始ハラハラさせられた。
チャーチルのセリフで、「スパイ活動の渦に飲み込まれると、いつのまにかめぐりめぐって自分の尻を見ている」というようなのがあったが、諜報活動だけに囚われていると視野狭窄になり、何も決断できなくなるのは事実だろう。だからこそ、チャーチルはミンスミート作戦が成功したか否かに関わらず、成功したものと信じてシチリア上陸を決行する。
この後にチャーチルの承認も得てアメリカが日本に原爆を落とすことを考えると手放しで喜べない自分もいるが、チャーチルのリーダーシップのなんたるかが、垣間見えた気がする。
この映画には二つの噓の死体がある。
一つは作戦に使われ、上官に仕立てあげられた遺体。
もう一つはチャムリーの戦地で行方不明になった兄。
多数の命を左右した死体と、一人の母親の心を救った死体。とても皮肉だ。
スペインに眠るイギリス人将校の墓に、そんな秘密が隠されていようとは、だれも思わなかったに違いない。
偽情報作戦、期せずしてタイムリーな映画
正に偽情報も使った戦争が行われている今、期せずしてタイムリーな映画になった。諜報活動の長い歴史がある英国らしい実話に基づいたストーリー。活動に関わる人間たちも戦争で私生活にも影響を受けているし、国のためとはいえ、嘘を作ることに問われる倫理なども考えさせられる。この作戦の最大の「功労者」がちゃんとリスペクトされていることも、英国らしくてよい。脇に作家のイアン・フレミング役が出てくるのも、英国のスパイものが好きな人に受ける。
機会があれば食べて見たい。
事実に基づいた話という事で諜報活動がこれだけ念入りに、かつ何重にも仕込まれている事に妙に関心をしてしまいました。後半出動をまつ腐りかかった死体の気持ちになってしまった( ^∀^)
基本「英国王のスピーチ」みたいな会話劇です、派手さはありません。当時のイギリス諜報機関にイアンフレミングが居たことは有名な話だけど、本当にこの件にも絡んでいたのだろうか? ほかにも恋話とか細かく飽きないように盛られていてアクションは無いけど楽しめました。
ミンスミートをググったら、なんやらお菓子にたどり着いた。昔は挽き肉も入っていたらしいが今は入って無いそうだ。名前と中身が違うミスリードみたい意味で使われてるのだろうか、、、、、?
もうちょっとなのに。
作戦を立案する前半のストーリー展開が、
少し長く感じるが、後半、作戦が動き出すと
各国の状況もあり、面白くなってくる。
でも、全体的にもう少しテンポよく、上映時間を
短くしても良かったと思う。実話だから
ひねりようもないから仕方ないけど。
007の原作者のイアン・フレミングが登場するのが
とても興味深く観ました。
手堅いキャスティングもいいのに。
直感
ナチスが猛威を振るう第二次世界大戦中、シチリア島奪還に向けて動く英国が、欺瞞作戦で同島の守りを手薄にしようと奮闘する諜報部を描いた作品。
出演陣の渋さとは似つかず、スカしたような会話劇でポンポンと話が進んで行く。更に登場人物がやたらに多く、上の名前で呼んだり下の名前で呼んだり・・・そもそも顔と名前を一致させるのが非常に苦手なワタクシ、初っ端から見事に迷子状態w
特に、誰の弟だか兄だかという兄弟関係の話がもう滅茶苦茶w
途中からは理解を諦め完全に雰囲気で楽しんでいたが、登場人物皆なんとな~く怪し気で、誰が真実の、誰が嘘の顔を持つのか…このあたりの不安定さは中々見応えがあった。
やはりいつの時代も情報戦は大事なんですね。それが国と命を懸けた戦争となれば尚のことだし、それでいて裏の裏の裏を読み込みながらも、最後に信じたものは・・・。危険ではあるがちょっとゾクっとトリハダがたった。
物語としては、何をやっているかの大筋はわかるんだけど、それを彩る細かいアレコレは理解しきれなかったが、重厚な雰囲気であっという間の2時間強だった。
現代はSNSなどを通し、我々の元にも情報が沢山入って来ますからね。それが真実か嘘かはわからないけど…。情報網が発達(?)した現代は情報戦に適しているのか、はたまたやりにくくなっているのか?
さて、どちらでしょうか。。
小説なら面白い題材なのだが・・・
こういう諜報戦の話は映像化するとイマイチなんだよな。
世界大戦の最中なのに戦闘場面が全く出てこないとやっぱり、物足りないんだな。
コリン・ファースがダンディでいい味出していたので、尚更残念。
日本では逆な某事件がありましたが…
いやー、戦争映画や書籍は読んでいるつもりでしたが新機軸でした!!シチリヤの重要性、英国でも灯火管制してたんやね等々。
現在、ロシア・ウクライナの激しい情報戦が行われていますが、本作も当時の情報戦の一端を教えてくれる作品です。
英国の歴史を考えると、対外的に情報戦の有効性を理解している故に、今作のような事が可能だったのかなと思いました。(日本だったら、精神論が理由で却下されそう笑)
作品の内容では、似た人物や(相棒・弟)や半端な色恋風や急な登場人物など、分かりにくい展開が多々ありますし、あくまで実話ベースの作品ですのでエンターテイメントを求める方には厳しいかもです。
ただ史実として興味の湧く方は是非ご観賞をオススメしますので、お時間のある方は是非!!
中途半端になぜ恋愛を絡めたのだろう
どの分野の映画と呼べばいいのだろうか。作戦が成功するかどうかのスリルを味わえるわけでなく、むろんサスペンスでもなし、戦いを見せる戦争映画でもない。男二人の友情を見せるものなのか。ジャンル不明のストーリーに妙におずおずとした恋愛を絡めて、また各個人の家族問題などが余計で、焦点のボケた映画になってしまったと思う。正直なところ、ジャンルなんてどうでも良いと思っているけど、何を見せたいのかわからない映画になってるのがねぇ・・。もっと作戦に集中した手に汗握るような映画にできたはずの題材だと思うけどな。ま、日本語副題で結果発表してしまってるけど。
時系列がだいぶ進んだ、成功か失敗かをジリジリしながら、祈りながら待つ場面から映画が始まるので、おお、これは成功までのギリギリの綱渡りを見せる映画かと期待。しばらく個人問題などがノロノロと続き、途中からの男女の三角関係のような展開も有って、これは作戦遂行を単に絡めただけの恋愛映画の方に進むのかと勘違いまでしたわ。その恋愛もなにか中途半端なままだし、作戦終了後も感激が伝わらないというか、良かったぁという達成感も感じられない。あんなどうでも良い恋愛の話は一切を省き、もっと作戦の遂行のみにストーリーを絞って、また相手国との駆け引きに話の中心を持っていった方が良かったと思う。どうやって溺死として押し通すかなどのサスペンス風の味付けとかでね。あの解剖の場面は、それで終わるんかい、って拍子抜けだった。あるいは、ずいぶんな年齢なのに奥手のままの二人のロマンスをメインに持ってきて恋愛映画に思い切って振ってしてしまうとかね。反対に、スペイン駐在三重スパイの武官はドアの外で盗み聞きしながら秘書とセックスもどきをしてたけど、あんな真実味のないアホみたいな場面は要らんわ。
ただ、これが実際に行われた作戦だったというのが驚き。発案したのもスゴいが、よく戦局を変える一端となった上陸作戦を成功にできたもんだと感心する。結局、収穫は第二次大戦中にこんな作戦が展開されていたのを知れたことのみ。観なくても全然惜しくない中途半端な映画だった。
ところで、こんな作戦が有ったことを知らない人が多いと思うので、成功したことを示す「ナチを欺いた死体」って過去完了形の副題をつけるのは止めてくれ。観る前から成功したことがわかってしまって、つまらん。せめて作戦が成功するかどうか分からなければ、その報告で「うわっ、どう考えても無理なこんな作戦が成功したのか」って少しは感動したかも。よけいな副題が遠因で星一つ減。日本以外では、実話ベースのスリル映画にでも分類されているのかな。
ヨーロッパの歴史を勉強しようと思いました
第二次世界大戦映画、そして「ナチス映画」の部類に入ります。毎年必ずと言って良いほど「ナチス映画」は製作公開されています。戦後80年近く経っていますが、製作される理由は「戦争を風化させてはいけない」という思想と願いがあるからでしょう。ただ、わたしたち日本人にとってヨーロッパでの戦争についてはあまり明るくないので、鑑賞前も後も勉強が必要だと感じました。本映画『オペレーション・ミンスミート ナチを欺いた死体』で行われた作戦は成功したようです。「死体を使った作戦」って本当にあったことすら驚愕しましたが、その死体んお活躍によって、その後の戦況が良い方向変わったのであれば「良し」とするしかないでしょう。今後も多くのナチス映画が製作されるので、改めて、ヨーロッパの歴史を勉強しようとい思った作品でした。
『運だぜ!アート』のluckygenderでした
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