オペレーション・ミンスミート ナチを欺いた死体のレビュー・感想・評価
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作家 イアン・フレミング誕生の物語⁉️
『妻は、ソロモンよりも賢く、サムソンよりも強く、
そしてヨブよりも忍耐強い。
私を夫に選んだのだから』
序盤のあるパーティーでのスピーチ。
さり気なく教養(聞いている人たちにも分かるという意味で欧米では、聖書・一般教養として常識のレベルなのかもしれませんが)とユーモアで妻を称える洒脱さ。
これから奥さま主役のパーティーを控えてる殿方にはとても良いお手本。
と思ったのですが、日本では意外と応用が効かないかもしれません。
歴史好きの昭和世代なら、信長、秀吉、家康とか、維新の三傑(大久保、西郷、木戸)を思い浮かべそうですが、家康の忍耐強さ以外はなんとなくしっくりこないですね。
『聖徳太子よりも賢く、雷電よりも強く、家康よりも忍耐強い』……これじゃ絶対受けないし、かえって妻に叱られそうです。
なんだか自分のセンスの無さが痛すぎる。
この映画、このスピーチもそうでしたが、活字にしてもう一度読んでみたい、と感じるやり取りが多くて、展開の割には刺激的な面白みに溢れててとても充実感があります。
監督があの『女神の見えざる手』の人。
緊張感の中でタイプの音が静寂を破る、会話の中で微妙な思惑を交差させる。そういうのが上手です。
その分疲れます。
長編小説を読み終わり、ページを閉じて、あらためて表紙と本の厚さを実感。座ったまま両手を上げて伸びをして肩甲骨をほぐし、首を左右に傾けてボキッと鳴らす。その時に全身で感じる読了の達成感と似ています。
007の生みの親であるイアン・フレミングが小説に書き下ろしていくスタイルがとてもマッチしていて、やはり本好きには、勧めたくなる映画だなと。
ある程度の知識は必要!だが良かった
ポスター見た瞬間に観に行こうと決めた映画
コリンファースが出る諜報機関ものってだけで、「キングスマン」を思い出してワクワクした。もちろんそんなドンパチじゃないのは端からわかっていたけど。
低評価の人が多くてびっくりしたけど、話展開は割と早いし、第二次世界大戦時の英独を中心とした各国の動きをすんなり把握していかないとすぐ置いていかれる気はする。
主役たちが動いて作戦を進めていくんじゃなくて、主役たちは裏で動くので、会話劇になりがちだし、退屈になる人が多いのはわかる。
でもそれはもったいない!
第二次世界大戦時、イギリスはヨーロッパ侵攻のためにシチリア島を押さえる必要があった。けれども、島って基本的に攻める方が不利。海岸で待ち伏せられたら被害は甚大。ただでさえイギリスは北アフリカ戦線を張った戦争で一進一退が続いて犠牲者が増えていた。これ以上無駄な犠牲者は出せない。
そのためにシチリア島に展開するナチスドイツにはシチリア島から離れてもらう必要がある。でも、シチリア島が要になるのは当事国の指導者全員わかってた。そんな中で、イギリスは大博打を打つ。歴史上稀に見る大博打。
それがミンスミート作戦
ミンスミート作戦は少し聞いたことがあったくらい。
(ミンスミートって調べたら、イギリスの挽肉の保存食。なるほど「死体肉の保存」ね)
作戦立案したら今度はいかにして「自然に」嘘を伝えるか。死体探しやら持ち物の準備などをみんなで考えていくのは面白かった。バカリズムと井浦新の「殺意の道程」のような。
「自然さ」を生むために、死体に肩書きや生い立ち、ロマンスも考えていく。そうして、存在しない男に肉付けがされる。肉付け作業をしているユーエン(コリンファース)達は楽しそうだった。
ロマンスは、作戦に携わる女性たちを映すようで泣きそうになった。実際そうなんだろう。
最後のユーエンとチャムリーの会話は本当に良かった。
自分達の行動を賛美もせず、安堵感が広がる。
もう少し長くていいから、展開をもう少しゆっくりにして、観客の理解を助ける部分は欲しかったかなー。
特にスパイとか戦時欧州の状況とかは欧米人以外には馴染みは薄めだし…
でも、時代背景を多少なり知ってたらめちゃくちゃ面白いと思います!
期待していた方向性とちょっと違っていた
今年初めて映画館で鑑賞した映画です。おおよそのあらすじは大体理解してから行きました。
個人的にはもっとコミカルな感じの映画なのかな、と思っていました。
バカバカしいアイデアを真面目に実行する人々を描くのだろうと。それゆえに少しクスッとしてしまう仕上がりを期待していましたが、真面目を通り越してシリアスすぎて。。。
もちろん背景には戦争の悲惨さがあるのですが、登場人物の人間関係や互いの思惑などをちょっと詰め込みすぎてる印象も受けました。
“欺瞞”を芸術的に仕上げたスパイ映画
冒頭と最後に締め括られる語りのセンスが心地よい。
欺瞞の徹底ぶりと緻密さには感服する。
ただのスパイ映画ではなく、その裏側が描かれていて知的で文学的な作品。
ただ、わたしにはちょっと難しくもう一度見ないと噛み砕けない。中盤何度も寝そうになったし。世界史の知識も必要だし、情緒的な理解も必要。見る人を選ぶ作品かと。
英国諜報部(MI5)がチャーチル首相に提案した作戦は「オペレーション・ミンスミート」
失敗するだろうと言われていた作戦、彼らの緻密に練られた計画と嘘、ファインプレーが功を奏すのだろうかーー?
ピアノの美しい音色とともに奏でられるのは戦時下のイギリス、人によっては愛する家族を失くしたり、家族と離れ離れになったり、互いに惹かれ合うも叶わぬ恋に涙したり。想いを伝えられない男女の恋の歯痒さも描かれている。
ラストシーンのコリン・ファースとマシューの二人の男の朝8時の会話、静かに胸に沁みる終わり方だった。
スパイとんでも裏話+ラブ+うっすらコメディ
イギリス軍の「ギリシャ上陸計画」を示唆する文書(偽物)を持たせて地中海に流した死体をドイツ軍に拾わせ、裏をかいてドイツ占領下にあるシチリア島を攻略しようというミッションインポッシブルな実話。007の原作者で実際に海軍諜報部の勤務経験があるイアン・フレミングも、作戦チームの一員として出てくる。フレミングがこの作戦に関わっていたという設定だけは多分架空でしょう。
ちなみに「ミンスミート」とはイギリスの伝統的保存食で、ドライフルーツやりんご、ナッツなどを砂糖やスパイスと一緒にラム酒やブランデーに漬けたもの。子牛や子羊の肉を保存のため加工したのが始まりだとか。身元不明の死体を上級将校のキャラ設定やさまざまな小道具で漬け込む……うーーーんイギリスのセンスを感じるネーミング。
ヒトラー相手の、兵士たちの命を賭けた決死の作戦だが、裏方の話なので話し合いや交渉などテンション抑え目の場面が続く。登場人物も多めで、二重スパイと思われている三重スパイなど出てくるので正直全部は把握出来ず、大筋を追うような見方になった。
溺死した上級将校(架空)という建前で放流する死体のキャラ設定の話し合いが、みんなうきうきしてて何だかとても楽しそうだった。恋人の写真やラブレター、父親からの手紙に婚約指輪の請求書、劇場チケット半券まで作って死体に持たせる。この辺全部史実だそうです。映画での描写はなかったが、実際はこの将校をおっちょこちょいなキャラに見せるため、身分証を再発行のものにしたりというディテールにも凝ったらしい。
身分証のためだろうが、首ぐらぐらの死体を椅子に座らせてどうにか証明写真を撮ろうとしていたのは笑ってしまった。ご遺体で遊んじゃダメですよ。
そんな感じで事前の印象よりなんだか雰囲気がゆるいシーンが散見されたのと、恋愛要素が想定外に多かったので、本作をどういう目で観ていいのか途中でちょっと分からなくなった。プラトニックだけど、妻帯者だし……一瞬だけど、男性同士でそれも唐突に手で……なシーンもあるし……。そういうシーンそのものは別に問題とは思わないが、もっと終始緊張感の漂う、男臭くて辛口なスパイの内幕映画を想像していたので、単純に意外だった。個人的には、そこを少し削って、シチリア島のドンパチと現場の成り行きをもう少し観たかったかな。作戦の結果が現れる部分だし、メリハリが付きそう。
キングスマンのようなアクションは全くないが、英国スパイコリン・ファースを観たい気持ちは満たしてくれる作品。御年61歳、アクションを撮るのは年齢的にちょっと厳しいのかなあ……出来そうならまたやってほしいけど。
端折ってわかりにくいかも
コリン・ファースを愛でるには良いのですが。
前半は登場するイギリス軍の人間関係説明がややかったるく。
半ばの「架空の将校をでっち上げる作戦会議」が、作家と編集者の打ち合わせにしか見えなくて面白かった。
ラストの作戦実行のくだりは、ちょびっとグダグタ感ありすぎて残念。
トータルではあまりいい印象にはならなかった。
チャーチル率いるイギリスと、ドイツの当時の戦況などを端折っていて、それをおそらく理解している欧米の人たちには説明はなくともわかるかと思いますが、日本人にはわかるか微妙な気がしました。
ちょっと中途半端
クーリエみたいな映画を期待していたが、ちょっと違った。 展開はわかるんだけど抑揚がなさすぎて地味なのよね。やっぱり安全なところで繰り広げる作戦だから、緊張感もそこまでないし。
ジーンとはプラトニックで終わってよかったけど、随分簡単に恋に落ちるもんなのね。。。
話が難しい
終始理解できないまま終わった、、、
ついでに終始ウトウト、、、
サスペンスものでも第二次世界大戦渦中のヨーロッパが舞台の設定なので、派手さはなく地味なもの。
ヒトラーがなんちゃらとか、、、
簡単に言えばつまんない映画でした。
雰囲気的には日比谷シャンテでやりそうな映画です。
(シャンテ映画は面白くないという意味ではない)
若者には向かないと思います。
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