劇場公開日 2022年3月18日

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「最高に、イカ(シ/レ)テル! 梶芽衣子 meets キックアス」ガンパウダー・ミルクシェイク Nobu Satouさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0最高に、イカ(シ/レ)テル! 梶芽衣子 meets キックアス

2022年3月21日
Androidアプリから投稿

タランティーノ絶賛も納得の面白さ

軽妙洒脱にして痛快無比!
素晴らしいキャラ造形と、練りに練られたアクションシークエンス
パンフレット完売映画に、ハズレなし

女殺し屋である母に見捨てられた娘は、やがて自身も女殺し屋に
顔役の息子を誤って殺した彼女に迫る、所属元の殺し屋組織!復讐に燃える凶悪ギャング団!
行きがかりで連れ立った女の子と共に、子連れ女狼ノ血風魔界行のはじまり、はじまり

世界観設定はジョン・ウィック亜種
休戦地帯のホテルがダイナーとなり、武器調達地は図書館に

味方は全て格好良い女性戦士、むさ苦しい漢共を、バッタバッタと薙ぎ倒す!

すべてのアクションシーンが、それぞれの色彩、演出、サウンド、テンポとバランスを持ち、全て違って、全て良い

カレン・ギラン、レナ・ヘディ、カーラ・グギーノ、ミシェル・ヨー、アンジェラ・バセット、ポール・ジアマッティ
俳優陣が何故か皆、漢字変換したくなる様なリズムの良いお名前

「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」の銀色サイボーグ妹こと、カレン・ギランがやっと素顔で、クールなアクションを決めに決めてます

キル・ビル「ウマ・サーマン」以来の実在的女殺し屋像
光1つ宿さない漆黒の黒眼が、怖カッコいい!

全身青色ほぼ裸のXMENミスティークから、大スターになった「ジェニファー・ローレンス」に続けると良いねぇ

「ミシェル・ヨー」の必殺仕事人アクション!
虫も殺さぬ清楚なマダム風「カーラ・グギーノ」のヘレン・ミレン張りビックガンアクション!

この手の映画は、アクションのタイミング一つ、軽妙な掛け合い、決め台詞の一つでも外せば、途端に冷めてしまいますが、絶妙なバランスで見事に最後まで走りきります

画一的になりがちなアクションシーンに、細かに制約をかけることで、見たことのないアクションバレエを、様々見せてくれます

ポップでカラフル、ファニーでリズミカル
「ザ・バットマン」に無かった要素がてんこ盛りです

「キック・アス」「ホット・ファズ」「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」をはじめて観た時に近い、新しい才能の発芽を感じました

一番近い創作物としては、無限の住人作者沙村広明の「ベアゲルター」
所在不明の架空都市で、女殺し屋が無双する話

ホントなら三池の頃の日本映画界の才能がハリウッドで撮っておかなければいけなかった、そんな1本ですね

見たいアクション、聞きたい台詞を見聞かせてくれる娯楽映画の至福

いずれ、マーベルかDCにも、ですスカウトされるであろう、イスラエルから来た俊英「ナヴォット・パプシャド」
これからが楽しみな監督さんがまた一人増えました

Nobu Satou