映画 オッドタクシー イン・ザ・ウッズ

劇場公開日:

映画 オッドタクシー イン・ザ・ウッズ

解説

2021年4月から6月にテレビ東京で放送され、一見するとほのぼの動物アニメのようで中身は本格ミステリーという作風で大きな話題を集めたテレビアニメ「オッドタクシー」の劇場版。テレビ版を再構築しながらも新しい視点で描き、最終回のその後も明かされる。個人タクシーの運転手として働く偏屈で無口な男・小戸川は、なるべく他人と関わらないように生きてきた。しかしある人物をタクシーに乗せたことで、巷を騒がせる「練馬区女子高生失踪事件」に巻き込まれてしまう。事件には巨額の金を手にした男や半グレ集団、売出し中のアイドル、カリスマ化される大学生など、様々な者たちの運命が複雑に絡みあっていく。そしてある計画の実行をきっかけに、事態は一気に収束したかに見えた。だが関係者たちの証言をつなぎあわせることで、事件の新たな輪郭が浮かび上がる。テレビ版に続いて「セトウツミ」などで知られる漫画家・此元和津也が脚本を担当。声優は主人公・小戸川役の花江夏樹ほか。

2022年製作/128分/G/日本
配給:アスミック・エース
劇場公開日:2022年4月1日

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(C)P.I.C.S./映画小戸川交通パートナーズ

映画レビュー

4.0物語を見つめる視点を複数化することで見えてくるもの

2022年4月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

本作のユニークポイントは、動物に見えるキャラクターは実は・・・という点にあるが、劇場版はその視点によって異なるという点をより重層的に掘り下げる構成になっていた。事実は視点によって異なる、世界認識すら個々人によって変わる。世界(世界認識は)は可塑的にいかようにも変容し得るということを、テレビシリーズでは動物キャラの擬人化という手法で示していた。劇場版では、登場人物たちが証言するという形式でテレビシリーズの物語を振り返る。物語を見つめる視点を複数化することによって、視点が代われば事実も変わるということがさらに活きるようになっている。世界はいかようにも解釈しうる。あるイメージは誰かにとっては「A」という意味でも別に誰かにとっては「B」という意味になり得る。誰かにとって人間に見える人たちが、別に誰かには違って見える。事物の意味は空洞化し、原形質的に変容してしまう。映画で語りの視点を多数化したことで、さらに本作の持っていた深みが増している。新規カットは多くないが、見事な構成力によって新たな魅力を深堀している。

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杉本穂高

4.0❝初乗車❞でも楽しめる本格的なミステリー映画。動物アニメでも、実はそれにも意味のある良く出来た作品。

2022年4月1日
PCから投稿

本作は、2021年4月から6月にテレビ東京系列で放送され話題となった作品の映画化です。 そのため、テレビアニメを見ていないと厳しそうですが、この映画についてはテレビアニメを見ていなくても十分に楽しめました。 それは、128分の中でテレビアニメ版を自然に「再構築」しつつ、最終回の❝その後❞も映画の中で描かれているため、「一本の作品」としてすんなりと見られるからです。 本作の主人公は「個人タクシーの運転手」で、セイウチの格好をした「⼩⼾川(オドカワ)」。 ある人物をタクシーに乗せたことで「練馬区女子高生失踪事件」に巻き込まれます。 そして、各キャラクターがインタビューを受けながら、事件の真相に迫っていく構成となっています。 最初の方は、登場するキャラクターがどんな位置付けか分からないため、やや混乱しますが、だんだん事件の真相に辿り着くような感じで、キャラクターたちの相関関係も分かってきます。 ただ、登場キャラクターの中にゲラダヒヒの「ドブ」という悪人がいて、言葉の響きが主人公の「オドカワ」(「オド」と略される時も)と似ているので、ここは混乱の基になるため事前に押さえていた方が無駄な混乱が減り良いと思います。 正直なところ最初は、動物キャラクターのパッと見から「あまり面白くなさそう」と思ってしまったのですが、この動物キャラクターは記号に過ぎず、あくまで本作の面白さは「作画のクオリティー」ではなく「脚本」にあるので、私のようにパッと見でスルーしていた人も是非、見てみてほしいです。 私は❝初乗車❞だったので、まだ見落としている部分があるのかもしれませんが、十分に本作の面白さや真相が理解できました。個人的にはアルパカの⽩川さんと⼩⼾川のシーンが気に入っています。 本作を見て、テレビアニメの方も見てみたくなりました。きっと、テレビアニメの方も見ると、さらに作品の評価は上がると思います。

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細野真宏

2.0とにかく本編はおすすめ

2024年8月19日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

興奮

知的

動物たちが織りなすほのぼの日常系アニメかと思いきや、本格ミステリーだったという話題作。 作画で損してるとか、食わず嫌いしてはいけないとか、いろいろ教訓があるが、とにかくおすすめのアニメ。 これが原作無しのオリジナルアニメなんだからさすがだよ。 やっぱり1クールに特化して作られたアニメというのは強い。まどマギ然り。 ミステリ好きとしてはばっちりハマった。 さて、そんなアニメにまさか映画があるとは、6話ぐらいまでみてから知った。 その時にはもうハマってたから、アニメ全部見終わったら必ず見るつもりだった。 完結まで見た二日後に、満を辞して映画版を見た。 うん。 はっきりいって蛇足だった。 ここだけはまどマギのようにはいかなかったようだ。 あっちは蛇足という不安を吹き飛ばす完成度の続編映画を作ったが、こちらはダメだ。 結局ただの総集編。 ダイジェストを流しながら、そのときのキャラたちの心情を話していく。 新規カットはほぼなし。 新たな視点から事件の輪郭が見えてくるとか言っていたが、そんな大層なものじゃない。 最後の希望で、本編の続きも見られたが、それもちょっとだけ、しかもこれ必要か怪しいぐらい。 本編通り余韻を持たせたままで良かった。 結論から言うと、本編が好きな人ほど見ない方がいい。 でも、面白かったのなら何を言われても映画も絶対見たいわけだから、結局この罠にハマってしまうので、いくら言っても無駄なのだ。 本編は本当に面白いので、映画のレビューをみて気になった人は是非見てほしい。 視聴のきっかけになるのだとしたなら、この映画にも意味はあるのだろう。

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りんちゃん

3.014話目という感じ

2024年7月17日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD
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jellyfish

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