モリコーネ 映画が恋した音楽家のレビュー・感想・評価
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人間臭い天才
素晴らしい映画讃歌
2年半前に91歳で亡くなった作曲家(映画音楽の巨匠)モリコーネの業績を辿るドキュメントです。彼の映画音楽に対する思い(ネガティブな思いも明かされる)や一つ一つの映画に対しての監督や作品との関わり、そして作曲方法、秘話などたくさんエピソードが語られます。そのすべてが興味深く、また映画監督を始めとする多くの関係者の証言からモリコーネの音楽の素晴らしさ、さらに人柄にも触れることができます。
僕が実際に観た(映画館で自宅で、そして子供の頃、学生の頃、あるいはつい最近観たものも)多くの映画の中で彼の音楽が流れていました。
荒野の用心棒、夕陽のガンマン、死刑台のメロディー(悲劇的かつ感動的なジョーン・バエズの歌、中学生の時にレコードを買いました)、ワンスアポンアタイムインウエスト、ワンスアポンアタイムインアメリカ、1900年、アンタッチャブル、ニューシネマパラダイス、海の上のピアニスト…、懐かしい大好きな映画が次々とスクリーンに現れ、あっという間の3時間でした。
映画も音楽も大好きなのに、実は映画音楽を特に意識することがなかったということに気付かされました。言うまでもなく映画にとって、音楽の力は偉大なり、モリコーネは偉大なりです。
サントラ盤、改めて聴いてみたいと思いました。
※追記/冤罪で処刑されたイタリア移民の実話「死刑台のメロディー」、モリコーネはイタリア人としてこの映画に関わったのだと思います。ジョーン・バエズの歌う「勝利への讃歌」、処刑されたのになぜ勝利と言えるのか。悲しくも感動的な歌です。
気がついたら、自分を鼓舞してました
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ
アンタッチャブル
ニュー・シネマ・パラダイス
海の上のピアニスト
私が見たことあるのは、この4本だけでした。
なのに、音楽と共に流れる映像だけで自然と涙が出てくるのです。
エンニオ本人だけでなく、引退した監督たちまでが、タ・タン・タ〜、とかラ・ラ・ラ〜とメロディーを再現し記憶を辿りながら高揚感に包まれたままエンニオについて語る。
複数の才能が刺激し合い、意見の相違を乗り越えて結実した作品が、結果として、時代を超えて多くの人を感動させ続ける。
映画という至高の芸術が、こういう人たちによって生み出されることの凄さ、素晴らしさをあらためて認識させられました。
何の才能もない自分ですが、せっせとマイルを貯めながら映画館で見て、感動して、少しでも多くの人に見てもらいたい、そう思って友人に勧めたり、レビューを書いてみたり…
電子顕微鏡でも見えないくらいささやかですが、映画産業に少しでも貢献できるように継続して頑張っていこう、と大きな感動と引き換えに、小さく拳を固めて自分を奮い立たせるのでした。
セトリ代わりにとなるかなと思い、売店に寄ったのですが、パンフレットは完売で購入できず。
映画音楽の鬼才のドキュメンタリー映画です
映画音楽を作成する過程での、インスピレーションや閃きなどが、モリコーネさん本人や、モリコーネさんの作品に関わった映画監督、俳優、歌手、エンジニアなどのインタビューから伺い知ることが出来ます。
映画には音楽が欠かせないので、映画好きなら、観た方が良いでしょう。
偉大な作曲家の人生
映画の見方が変わる
モリコーネのこれまでを、作品とその監督のインタビュー、作品映像と音楽と共に振り返っていく。
最初は人物のみを描くので少し退屈だけど後半に活きてくる。
正直、自分はあまり過去の作品を観てきた方ではなかったけれど、それでも知っている作品ばかり。
作中で少し聞いただけで耳に残る音楽ばかりである。
映画の劇伴の重要性は理解はしていたが、この作品を観て、よりその解像度、どのような背景があって作られたかが明確になった。
映画を盛り上げる存在、だけでなく、劇伴が一つの役者として、何を表現したいか、一役者のように捉えて映画を観られる気がして、他の作品を観るのがより楽しくなりそうだ。
ドキュメンタリーとしても、映画音楽とクラシック音楽のジャンルの垣根をなくす、20世紀後半と21世紀の時代を繋ぐ、という意義がとても伝わってきた。
2023年劇場鑑賞14本目
ずっと
やっぱり映画が大好き
映画音楽の巨匠・モリコーネに乾杯!
必見
耳が満たされた…
恥ずかしながら知らなかった映画音楽界の巨匠
エンニオ・モリコーネ。
大天才でした。
いちばん面白かったのが、
一小節に三拍子みたいな話が、
素人でも分かった気になれるような技術で、
努力しながら挑んできた彼の人生を感じました。
あと、沢山の映画監督たちもでるし、
なんとジョン・ウィリアムズとハンズ・ジマー
も出てるんですよ!!
モリコーネがどれほど尊敬されているかが
よくわかるインタビューになってました
最後には、モリコーネが、
白紙の楽譜を前にます熟考するんだ、
みたいなことを言っていて、
何事にも思考が大切なのだと実感しました。
まだまだ観れていない映画もあるので、みたい
「夕陽のガンマン」
「続・夕陽のガンマン」
「ワンス・アポン・ア・タイム・インアメリカ」
「海の上のピアニスト」
モリコーネの音楽と共に観たい.
予想以上にザ・モリコーネ的映画でした
結構長いし、インタビューいっぱいのドキュメンタリーなので、多少忍耐は要ります。それでも、想像を絶するエンニオの作品群と巧みに編集された数々の名画をダイジェストで見ることができる価値は、絶大なものがありました。インタビューを受けている面々もスゴイ人ばかりで、全く飽きません。
かなり古い映画も含まれていましたが、映像の質が信じられないほど鮮明で、感動的な映画音楽とともに映し出されるその画面を見ながら何度も涙が流れそうに─。語られるエンニオ像は当然素晴らしい素晴らしいの連続で、その言の中身に関しては取るに足らないものなので、かえって音楽や映像に集中できて、意外と感覚的に楽しめる作品なのかもしれません。
モリコーネの音楽を日頃から聴いてはいるけれど、それでも新たな発見がたくさんあった気がします。とにかく彼の多彩で豊富な仕事っぷりに驚かされますし、それら全てを余すことなく描ききってやろうという作風に感涙です。
エンニオの劇中のパフォーンマンスもなかなか見応えがあった気がします。彼のサービス精神を垣間見た気がしました。
音楽がもう少し聞きたかった
マイルス・デイビスの隣で瞬いてほしい。
彼自身の人生が壮大な協奏曲
胸打つ映画に出会うとき
そこにはいつも音楽が耳の奥をとおり、からだのすみまで巡るように響いている
私はニューシネマパラダイスを初めて観たとき、映像と音楽の切り離せない関係を肌で感じ、ある種のショックでしばらく席を立てなかった
そして、その作品に出会えない人生ではなかったことを幸運だとおもった
それらは時間を経過しても色褪せることなく
搾りたての果汁のように脳裏にはじけ踊るように充満しながら
時に違う世界へ誘う刺激を
時に慈しみや愛に包まれる甘美を
時にかなしみを混ぜた憂いを
たぐるように呼びよせる魔術のようだ
目覚めさせた細胞の奥には脈をくるわす波動がうまれ
無意識に伝わる涙の筋が感覚を旅させた軌跡として知らせる
長い間この世界を席巻し、いつまでも胸に刻まれる記憶という遺産を与え続けて去った彼はマエストロとしてとしてその情熱や苦悩にどう向き合い生きたのか
音と映像と自身の貴重な語りやインタビューなどによって、同じ人間のひとりとして、彼を丁寧に確かめていく157分
エンニオ・モリコーネ
偉大な名を知らしめてなお、答えを出し切らずに前を向き続けていた彼の人生そのものが、個性が放つ輝きに満ち溢れる壮大な協奏曲のようだったことを感じながら心は捉われたままだ
その贅沢で静かな興奮を堪能し、彼が手がけた作品の深みにまたすぐにでも出会いたい気持ちと感謝で溢れている
ジュゼッペ・トルナトーレは自分が監督だから遠慮したのか自分の映画の...
映画好き上級者向け?
ハイロウズのとある歌に歌詞として出てくる“モリコーネ”。小さい頃は言葉の意味も分からず、自分の携帯を買って貰ってから意味を調べて、どうやら映画の関係者らしいと知ったのは中学生の頃だったかな?
自分にとってそんな思い出のあるモリコーネさんの映画がやるとなって、本当にモリコーネさんの手掛けた映画をひとつも観たことがないのに、観に行ってみた。ファンの方が観たら、本当に楽しい映画なんだろうと感じた。モリコーネさんがずっと褒めちぎられてる。
途中で挟まった生演奏パート?モリコーネさんが指揮してオーケストラとかコーラスが音楽を奏でるパート。あそこは楽しかった。裏話と褒めにフォーカスが当たっていたけれど、音楽家の話なのでこういうのもっと入れても良いと思うんだけどな。
星を付けるのもおこがましいですが、こんな視聴者もいるよという記録に。いろんな入り口があるのが映画の良い所だと思います。
良く知らない私も涙した
ドキュメンタリー映画普段は見ないし、モリコーネもなんならニューシネマパラダイスくらいしかすぐには出てこない。でもあれは映画音楽として頂点にあるんじゃと思っていたし、これを逃すとモリコーネを深く知る機会がないかもと足を運んだ。
前半、とにかく色んな人が褒めまくる感じ、この後人生再現ドラマになるのかなと思いきや創作一切なし、昔の作品を本人や周囲のコメントとともに振り返っていくスタイル。ちょっと最初寝てしまった。。が途中から引き込まれて何度か号泣。
映画音楽が音楽家としては邪道だと思われて偽名で作っていた時代、当時の師匠に認めてもらえないながら人生かけて新しいことに挑戦し、妥協を決して許さなかったこと。私がこの先一生見ることもない昔のイタリア映画音楽を何百本も作っていたこと。彼の音楽は一音目でわかる、深淵をのぞいている、と言われること。
映画の歴史を振り返るようで面白かった。
モリコーネがもたらした新しい手法:
-暴力的なシーンでも暴力的な曲にはしない
-BACH (シ♭ラドシ) を入れたメロディー
-四拍子の曲で三拍子のメロディー(ソミドソ/ミドソミ/ドソミド/ソミド)
-BGM音楽をかけながら役者に演じてもらう
コメント登場するのも、クリントイーストウッド、ブルーススプリングスティーン、パットメセニー、タランティーノなど知ってる人もたくさん。
ただ、途中「僕の感性sensitivityを分からなかったみたい」とのたまったアメリカの監督の直後には「エンニオは監督以上に映画のシーンを理解してる」というコメントを挟んで遠回しに貶めて?いたり。かなり神格化しているなとは感じた。
ひとまず、映画でも長く取り上げられていた、ワンスアポンアタイムインアメリカ、ミッション、ヘイトフル・エイト、そしてニューシネマパラダイスはぜひとも見ておきたい。そして各シーンでどのような思いで曲をのせたのか考えながら聞いてみたい。
ぜひ観て!
ようやく観れました。これ、最高でした❗️
往年の映画ファンならたまらないと思う。
【良い音は永遠】
インタビューで誰かが言っていた。
2020年に91才で亡くなったエンニオ・モリコーネが切り開いた「映画音楽」という新ジャンル。
知らない人はいないイタリアの巨匠にも、迷える道のりが。
本当に真面目な人で、愛妻家で。名声を求めない、根っからのアーチスト。
ジャンルにとらわれず、純粋に音楽と真摯に向き合い作り上げた、数々の名曲が、映画の名シーンと共に蘇る。
荒野の用心棒
夕陽のガンマン①②
★ワンス・アボン・ア・タイム・イン・アメリカ
★アンタッチャブル
ミッション
海の上のピアニスト
★ニュー・シネマ・パラダイス
ヘイトフル・エイト
生涯で手掛けた500作品から選出された45作品を流し観ながら、鳥肌とため息の出る素晴らしいドキュメンタリーです。
予想通り、超大好きな『ニュー・シネマ・パラダイス』のシーンで泣けたし、『ワンス〜』や『ミッション』の叙情的な素晴らしい音楽は、ぜひもう一度映画をじっくり観ようと思いました。
超おすすめです。
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