劇場公開日 2023年1月13日

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「ただただ、リスペクトです。」モリコーネ 映画が恋した音楽家 バリカタさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5ただただ、リスペクトです。

2023年1月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

モリコーネ本人の仕事ぶりもさることながら、映画音楽そのものの素晴らしさに浸れます。酔いしれます。モリコーネの音楽が鳴る作品をまた見たくなりました。それほどに彼の非凡な才能や知識、情熱、プライドが全ての曲の一音一音に含まれていたんだなぁ〜と、噛み締めることができる一本でした。

本作を観ることで、長く密度が濃かったであろう・・・でもあまり知られていない?・・・人生を少しでも追体験できたことはイチ映画ファンの端くれである僕にはとっても有意義でした。映画への興味と理解が1段深まった気さえします。

かなりダイジェスト感がある作品ではありますし、モリコーネ自身を深ーく掘り下げるというよりも、映画音楽(の立ち位置や価値)のこれまでとこれからをしっかり見せてくれるので、若干肩透かし気味かな?って感じはあるかもしれませんが、それらの映画音楽の歩みこそがモリコーネの人生だったんだなぁって思いますから、これは良きドキュメンタリー作品ではないのかなぁ?って思います。本作を入り口にして過去の作品を見るきっかけになればと思いますし、映画音楽の素晴らしさを知ることができればとも思います。それが偉大なる芸術家でありパイオニアへの感謝ではないか?とさえ思います。

晩年のモリコーネをよくぞ撮っていたなー!って。それだけでも大きな意味があると思います。映画好き、音楽好きの方はぜひ!!!

なかなかレアな映像もあります。同じ映像に違う音楽を充てる比較描写がとんでもなく面白かったし、デ・ニーロの撮影風景なんざぁ痺れちゃいましたぜ!あるんだ!映像が!僕はニンマリですよ、嬉しくて。

バリカタ