劇場公開日 2023年1月13日

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「【映画音楽の足跡そのもの】」モリコーネ 映画が恋した音楽家 Chang Kohさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5【映画音楽の足跡そのもの】

2023年1月27日
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鑑賞方法:映画館

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映画好きには堪らない恍惚の157分、年始早々いきなり今年のBest5入り確定。現在の映画音楽を牽引するジョン・ウィリアムズ、ハンス・ジマーの双璧に、モリコーネ音楽に惚れ込んだベルナルド・ベルトルッチ、オリバー・ストーン、テレンス・マリック、クエンティン・タランティーノ、ウォン・カーウァイ等の巨匠監督、モリコーネ映画音楽初期のマカロニ・ウエスタン作品『荒野の用心棒』『夕陽のガンマン』主演のクリント・イーストウッドに加えて、クインシー・ジョーンズ、ジョーン・バエズ、ブルース・スプリングスティーン…と世界中の錚々たる映画関係者に音楽家のレジェンド達がモリコーネを熱っぽく語る姿に自然と気持ちが昂る。

父親の影響でトランペット奏者として始まった音楽家としての道程と、サンタ・チェチーリア音楽院での師と仰ぐゴッフレド・ペトラッシとの出会いと終生に渡る関係性に、絶対音楽至上主義の時代から今に繋がる"映画音楽“の確固たる地位を築くに至る既成概念に捉われない挑戦的姿勢に感銘。晩年の御年90にして背筋曲がらず眼光鋭い哲学者の如き風体へ凄みを感じるのと裏腹な愛妻家としての一面も垣間見れるエピソードも。

後半立て続けに登場する、『ミッション』『アンタッチャブル』『ニュー・シネマ・パラダイス』『海の上のピアニスト』『ヘイトフル・エイト』のエピソードに鳥肌立ち、とりわけ『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』で胸一杯に。モリコーネ映画音楽の草創期からタッグを組み小学校の同級生でもあるセルジオ・レオーネ監督作品てのがまた感慨深い。

Chang Koh