夏へのトンネル、さよならの出口のレビュー・感想・評価
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高校生の悩みと恋
ウラシマトンネルに入ると、何かを失う代わりに欲しいものが手に入るのだという噂があった。過去の妹の事故死が心の傷となっている高校生・塔野カオルは、自分の漫画の才能の無さで苦悩する転校生・花城あんずと、そのトンネルを調査し、時間の経過がものすごく速いことを突き止めた。2人はそれぞれの願いをかなえるため協力関係を結び、夏休みに実行日を決め計画を行う、という話。
不思議な話だが、ストーリーの整合性もあり悪くなかった。
高校生の恋愛も絡め、ちょっとキュンキュンした。
鈴鹿央士、飯豊まりえの声優も良かった。
ラストもなるほど、と納得いくものだったし、そんなに長くない作品だからダレた所も無くて良かった。
さがし物はなんですか
高校生の男女の青春ものとか
ターゲットじゃないんじゃないのと
思いましたが
本作の製作スタジオCLAPが
前に作った「映画大好きポンポさん」が
大変良かったのもあり観賞
でどうだったか
非常に良かった
今時長々した作品が多い中
90分ない尺でサックリ見やすかったし
その中でちゃんと勝負出来て
いたと思います
山奥にあるとあるトンネルに
入るとなんでも欲しいものが
手に入るけど100年を取る
「ウラシマトンネル」なるものがある
そんな噂がある田舎
そんな地域のやる気のない高校生
塔野カオルはある日土砂降りの
通学路の駅で封筒を大事そうに抱えた
少女花城あんずに出会い
傘を貸してあげるところから
交流が始まります
するとあんずは都会からの
転校生である事がわかりますが
誰ともなれ合おうとしません
そんなある日妹が亡くなって
以来酒浸りになった父に絡まれ
逃げ出すように家を飛び出すと
とある山奥の茂みにトンネルを発見
進んでいくと妹のサンダル
飼っていたインコなどと出会い
トンネルを引き返すと
数分いただけなのに1週間が
経過しており家や学校では
家出したことになっていました
その後トンネルに再び行ってみると
あんずも迷い込んでおり
(ここがちょっと唐突だったかな)
噂にあったウラシマトンネルであろう
という事で
妹を取り戻したいカオルと
欲しいものがあるあんずは
共同戦線を結び仲良くなります
どのくらい・どこから時間が
経過するのかとか
連絡は取り合えるのか
(やや年代が2005年あたりで
ガラケーとメールを使っている)
出口はあるのかとか二人で
様々な検証を行い
外から中へメールは送れないが
逆は(遅延するが)できることなどがわかります
3連休に108秒だけ行って帰ってくる
作戦を立て二人は実行します
すると二人の前に漫画の原稿が
飛んできてあんずが必死に
それをかき集めます
カオルもそれを手伝って
やや遅延してトンネルを出ますが
遅くなったのであんずの家に
泊めてもらうとそこで
あんずが漫画を描いている
事を初めて知ります
あんずは漫画家の祖父が
大好きだったが全く売れず
両親が忌み嫌った事で
自分も漫画家になりたいと
言ったとたんに書いていた漫画を
破られ田舎に追いやられて
しまったようです
つまりあんずが欲しかったのは
ちゃんと作品が世に残せる
ほどの「才能」だったのです
それは今でも漫画を描いている
ものの持ち込みに行く自信がない
事も理由だったのでした
カオルがその漫画を見せてもらうと
非常にいい出来であり
カオルはそこで彼女の才能を
確信します
ここでトンネルに入る目的が
過去に戻る事のカオルと
才能を欲する未来の事である
あんずの差がハッキリしますが
あんずはカオルの一途さや
やさしさに徐々に惹かれていきます
その後この世界を捨てて
いつ戻れるかわからない
トンネルの奥へ突き進む日を
妹の命日だった8月2日に定め
準備を進めますが
父に再婚相手を紹介されるなど
決意が混乱してしまいます
するとそこへあんずから
会いたいとメールが来ます
やり残したことがないようにと
あんずが雑誌社に漫画を持ち込んだら
才能を見込まれて担当が付いてしまった
事をカオルに打ち明けます
そしてトンネルに入る決行の日
あんずは決意してカオルを家へ
呼びに行くともう出ていったと
父から聞きます
あわててトンネルに向かうともう
カオルは入っていました
するとメールが入り
あんずが才能をもう持ち合わせていること
このトンネルが欲しいものではなく
なくしたものが見つかるところであること
だからあんずは入る必要がないこと
がつづられており
あんずは自分の気持ちが
伝えられなかった事で泣き崩れます
カオルは奥へ奥へと進んでいきもう
現世では何年も経っているであろう時に
ついに扉を見つけると幼少時代に戻り
妹がジュースを持って入ってきます
カブトムシを取るつもりで木から落ちて
死んでしまった妹がカブトムシを持って
現れたのです
するとその場に途中で捨てたはずの
あんずとのメールも消したガラケーが
現れそのメール欄を開けると
トンネルに入ってからのあんずが
漫画家として活躍していることを
あんずが事あるごとに一方的に
メールしていたのでした
それが見つかった「なくしたもの」
だったと気が付いたカオルは
妹に背中から励まされ
来た道を走って戻ります
返せなかった傘も錆びかけて
カオルを待ちながら
8年経ち漫画家としてスランプに
陥ってしまったあんずは
最初に出会った駅で思い出して
大泣きしますがそこでガラケーに
メール受信が入りそこには「大好きだ」
とだけ・・
とまあいい話じゃないですか
設定やプロットはとりわけ
新しいわけではありませんが
その上で過去にこだわるカオルと
未来に不安を覚えるあんずという
二人の関係性は面白かった
演出でも引き込んできて最後まで
見ごたえがありました
そんなに客は入ってなかったけど
もったいないです
おすすめしたいです
内容が物足りない…!!と思った方は…
漫画版視聴勢です。
映画版は、話の本筋だけを残し、短くコンパクトにわかりやすく纏められていました。その分、メタファーや一つ一つの演出に着目し、考察しながら観るとより楽しめました。
涙が溢れる=花火が上がる表現や、傘に雨ではなく涙が溢れるシーン、花火大会に向かう人々の流れと、塔野くん達の進む方向だけが違かったり等、映画ならではの演出が印象的でした。
漫画では、花城と川崎の交友関係が描かれており、共同戦線を組んだものの、原稿を手に入れ作品も認められ、現在を前へと進んでいく花城と、1人だけ過去に囚われた塔野くんの対比が生々しく描写されていたり、より細かく深掘りされた作品となっております。
漫画版、たった4巻です。
映画版で物足りないなと感じた方は、是非漫画も見てみてください!!
塔野くんと出逢い、川崎さんと打ち解けて、徐々に女の子らしく可愛くなっていく花城の作画が素晴らしいです。
面白い!
美しいボーイミーツガールもの。SFとしては残念ながらB級。
双方家庭環境に問題があるなど境遇の似通った少年、少女・・・どちらも限りなく美形(笑)が偶然出会い、ウラシマトンネルというSFギミックに翻弄される中で複雑な過程を経て愛を育むストーリーです。
何せ絵や背景が本当に綺麗、盛り上げる音楽も情熱的で、彼らの恋愛風景は清々しく、かつちょぴり切なくもあり、鑑賞者は疑似恋愛を存分に楽しむことができます。ああ私も学生時代、こんな理想的な恋愛したかったですよ(泣)。
ただ・・・ウラシマトンネルの設定が2人を「時間的、空間的分断」する為に都合よく使われるだけで、そのギミックを逆手に取った、鑑賞者を最後にあっと言わせる様なシナリオが用意出来なかったのは、純粋なSFファンとしては残念でした。
ヒロインの行動も、クライマックスに向け「相対的に十分過ぎるほど時間があったし、トンネルの秘密を知っていて常時使える状態にあったにも関わらず何となく受け身」なのは解せませんでした。アニメ版、時をかける少女なら間違いなく本能的にかけていったでしょう(笑)。
清く美しく、ボーイミーツガールを反芻する映画。SFは残念ながらおまけ要素。それ以上でもそれ以下でもなし。
では。
トンネルの先に見えるもの
原作小説をアニメ化した作品で時間の進みが違うトンネルをきっかけにして少しずつ心を通わせていく男女の青春ラブストーリー。独特の世界観にグイグイ引き込まれ二人の恋の行方を温かく見守って応援したくなりました。
上映時間が83分という短い作品ですが短時間で上手く仕上がっていて満足度も高い。
2022-153
その後の2人がとても気になる
『映画大好きポンポさん』を制作したCLAPだけあって、アニメーションは美しい。トンネル内の紅葉が幻想的に光る風景は、ゲームオブスローンズのウィアウッドのようでもあり、神秘的なエネルギーで満ちている感じが伝わってくる。水族館のジンベイザメが2人の将来を暗示するように泳いでいるシーンも見とれてしまう。
花城あんずを飯豊まりえが演じているんだけど、これがビックリするくらい上手い。あんずは、東京から転校してくるなり超クールを貫いて、一悶着起こすんだけど、ドSキャラにピッタリの低くてドスの効いた声にしびれてしまう。
映像もいい、挿入歌もいい、花城あんずもいい、だけど物語に乗れない。鈴鹿央士の演技が置きに行っているというか、素のままというか、塔野カオルではなく鈴鹿央士がしゃべっているようにしか感じられない。その違和感を最後まで拭う事ができず、うーんって感じ。
偶然に、2人が抱き合う姿勢になる。この定番のシーンに、随分と大人の自分がドキドキしてしまう。そういう気持ちにさせてくれる作品でございました。
「強制ピント」と声優さん
ストーリーも良かったし、映像も良かった。
強いて言えば、夏休みに後悔できないかな?もう秋っぽいし。
前半はよくある話というか、高校生?中学生?の話。ちょっと子供っぽいストーリーだけど。
後半は、どうなるのか?どうやって終わるのか?わからなくなって楽しめた。
原作は知りませんが、映画館がそこそこ埋まっていてびっくり。何かあるのかな?
鈴鹿央士も飯豊まりえも役者として好きだけど、声優さんとしてはちょっと厳しい。特に、感情爆発や泣いたり走って息切らしたりなどは、普通の役者と違う。飯豊まりえは良かったけど。それでもプロの役者を使って欲しい。
声優さんが気になるのが原因か?キャラクターに感情移入出来なかった。泣けないね。これでは。
1番気になるのは「強制ピント」させる演出。
2人で喋ってる時に、話してる方に強制的にピントがあって、聞いてる方は強制的にボヤける。
話している方を見て欲しいのかもしれないけど、聞いている方はどんな表情してるかも目線を移すと、ボヤけてクラクラする。ピントが合わないので目が疲れるし。老眼の不快感と同じ。
3D映画じゃないんだから、どっちを見るかまで指定して欲しくない。
この演出は最悪だ。増えて欲しくない。
ここ一番のシーンだけならいいかもしれないけど。
良いストーリーなので、良い演者の演出ならもっと良い映画になるのに。
全体的にいいけど、少し期待はずれ
どう言えばいいだろうね、映画自体の作画が綺麗で、音楽もいいと思いますけど、全体的に物足りない感じが大きい。ストーリーは思うよりシンプルで、音楽の入れるタイミング、映画自体のリズムもちょっと雑...これは近年恋愛劇場アニメがどんどん出現した現状で、競争も激しくなって、私自身がこういうアニメに対する要求も高くなった結果かもしれません。
元々彼女もいない(笑)私自身でも、こういう恋愛アニメを映画館で迫力なビジュアルと音楽を楽しくこと自体は結構いいと思うし、なぜなら、アニメ自体が好きです。とはいえ、単純すぎる、眩し過ぎる青春アニメは流石に一人で映画館で挑む勇気と正しい気持ちが必要。この作品、最初はsf系の恋愛ストーリーと思いますが、sf系の内容は省略すぎて、ストーリー重視の私にとって、物足りないとしか言えませんよね。
別の話なんですけど、二、三年前の「ジョゼと虎と魚たち」が結構好きで、それはもちろん恋愛ストーリーが、作画の執着、音楽のタイミング、全体的な質感がどうしても気に入って、同じ恋愛アニメを見って、思い出させました。
まあ、別の視点から考えすれば、この作品が理解しやすいし、割とちゃんとしたストーリーもあって、アニメ好きなカップルにちょうどふさわしいかもしれませんね
なぜ本職の声優を使わなかったのか
原作の出来が非常に良く期待大だっただけに、本職の声優が使われなかったことに落胆した作品であった。
序破急のストーリーを追っていく際に"声"の違和感はノイズでしかなく、この作品に限らず声をあてる作品にはそれを本業としている方々に任せるべきであろう。
俳優を本業としている方々は日々観客の視覚と聴覚に訴えかける演技をしており、他方声優は観客の聴覚のみに訴えかける演技をする。同じ演技でも求められる役割は異なる。
アニメーションについては、映像作品の視覚部分に関して作画班等映像作成の担当が任されており、(アテレコする際にはさほど情報は多くないが)その方々が作った映像の意図を汲み取り声をあてる仕事をするのが声優である。
本作品に出演した俳優が演技という面で能力的に劣ると言いたいわけではなく、普段戦う舞台が異なる俳優を採用するにはそれなりの理由(その俳優が今後声優の仕事を本職としていくなど)が必要であり、声優としての働きぶりは誉められたものではなかったと感じた。
出演俳優が短期間で努力したことは素直に評価できるが、経験の足りない俳優をあえて採用したスタッフ陣には大いに疑問の残るものであった。
思っていたよりもよかった
とある小さな町に小さな噂があった、そのトンネルを通ればなんでも願いが叶うが100年歳を取る通称ウラシマトンネル
小さな町に美少女が転入してきた事、噂のウラシマトンネルを見つけた事により少年の運命は大きく動き出す。
歳を取る噂だったがトンネルの中と外では時間の流れが極端に違い入って数秒でも数時間の時間が経過してしまう。
そんな中、少年はかつて自分のせいで死んでしまった妹を生き返らせたい一心で転校生の少女とそのトンネルについて調べ
そして二人は目的のモノを手に入れる為に……
最初は打算的な関係からお互いを知り親しくなっていくボーイミーツガールでしたが少年が一人トンネルに入ってしまい、中と外での時間の流れの差が生じながらも
先に成長する少女からのメールはまるで新海誠のほしのこえのような世界系の映画でした。
でも、新海誠と違い最後に出逢えてますが(笑)
少し早足な気もしますが原作からも逸脱せずに上手くまとめられている作品だと思いました。
タイトルなし(ネタバレ)
【良かった点】
原作をうまく90分以内にまとめ、多少あっさり目ではあるものの、カオルとあんずの2人の一夏の不思議な体験、そして2人の感情の変化に全振りした気概は素晴らしい。そのおかげで観やすく、2人により寄り添える作品に仕上がっていた。背景の美しさは言わずもがな、"失ったものを手に入れる"という過去に縋り付く呪いに、タイトル通り「さよなら」をする、前に踏み出す勇気をくれる一作。快晴の駅のホーム、向日葵を手に笑い合う2人をずっと眺めていたい、そんな日常がずっと続いてほしいと心から感じた。
【良くなかった点】
なし。個人的2022年アニメーション映画暫定No.1
見て良かった
時間を考えると、真っ当な普通の作品。大切なものの喪失、甘酸っぱい感じ。
時間が短いから内容としては限られる。
若干甘酸っぱい男女間をベースに、失った大切なもの、そしてあらたに気づく「大切なもの」
青春。タイトルに即した時空の展開。
原作が小説らしいが、小説原作ではまた違うと推測できる。
あくまでアニメの特性に即して、アニメ時空で展開してまとまっている。
83分と言う時間を有効に活用して
拙速ではなく叙情的にアニメは進行
若い男女の機微もまあ普通に良い
可もなく不可もなし。飽きることもない、短いから。
安定の予定調和だが、妹はどうなった❓❓❓
おまけに小説の小冊子付き、「後日譚」
携帯電話からスマホへ、時空の展開。
ただ「お爺さん世代が漫画家で売れなかった」と言うエピソードは
ジジイのワシ、哀愁を誘う。
そうだよな今の青年は完成度の高いアニメなんて小さい時から当たり前の世代だろから・・・
どうでもいいが主人公の女子高生の方。花城あんず、清楚な高校生の着こなしで
今のイモっぽい荒っぽいダサい着こなしの女子高生に見習わせたい。男女平等の履き違え・・
普通ですから見ても損はないです。
ひと夏、13年後……
カオルとあんずが、ウラシマトンネルを攻略するため共同戦線を組むところから始まり…あんずの才能にカオルが気付き、あんずを残してウラシマトンネルに入っていく……カオルは、あんずが好きだったことに気付いて……SFチックな設定に淡い恋愛を散りばめた胸がキュンする感じのあと味がいい作品でした。
終盤で弾けるSF的カタルシスが鼻腔を駆け抜ける、晩夏にふさわしいジュブナイル
海辺の小さな町の高校で噂されているのはそこに入ると欲しいものが何でも手に入るがその代わりに100歳年を取るという“ウラシマトンネル“。取り返しのつかない過去に苦悩する高校生塔野カオルはある日それらしきトンネルに遭遇、影のある転校生花城あんずともにトンネルの調査を開始する。
コバルトブルーの空の下で佇むセーラー服女子というポスタービジュアルとこのタイトルだけで絶対観ると決めていた作品なのでチラシの裏すら読んでなかったのは正解で物凄く新鮮でした。83分という短い尺なので恐らくは原作にあった様々な人物描写なり場面なりをごっそり端折って、慎重にトンネルの謎を紐解いていくくだりと2人それぞれが抱えるトラウマとの葛藤に大胆に尺を割いているので、終盤で一気に弾けるSF的カタルシスが鼻腔を駆け抜けました。説明調のセリフや描写を最小限に抑えて観客が自由に展開を想像出来る余地を残しているので実際には描写されていないものまでが残像のように胸に残る感じが切ない、堂々たる青春映画に仕上がっています。
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