「なぜ本職の声優を使わなかったのか」夏へのトンネル、さよならの出口 でれありさんの映画レビュー(感想・評価)
なぜ本職の声優を使わなかったのか
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原作の出来が非常に良く期待大だっただけに、本職の声優が使われなかったことに落胆した作品であった。
序破急のストーリーを追っていく際に"声"の違和感はノイズでしかなく、この作品に限らず声をあてる作品にはそれを本業としている方々に任せるべきであろう。
俳優を本業としている方々は日々観客の視覚と聴覚に訴えかける演技をしており、他方声優は観客の聴覚のみに訴えかける演技をする。同じ演技でも求められる役割は異なる。
アニメーションについては、映像作品の視覚部分に関して作画班等映像作成の担当が任されており、(アテレコする際にはさほど情報は多くないが)その方々が作った映像の意図を汲み取り声をあてる仕事をするのが声優である。
本作品に出演した俳優が演技という面で能力的に劣ると言いたいわけではなく、普段戦う舞台が異なる俳優を採用するにはそれなりの理由(その俳優が今後声優の仕事を本職としていくなど)が必要であり、声優としての働きぶりは誉められたものではなかったと感じた。
出演俳優が短期間で努力したことは素直に評価できるが、経験の足りない俳優をあえて採用したスタッフ陣には大いに疑問の残るものであった。
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