すずめの戸締まりのレビュー・感想・評価
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正反対で同じな二人
封切りで見て、やっとレビュー書こうという気持ちに。
映画全体としては本当に良く出来ていて、相変わらず美しさとリアリティを貫きながらも、今までの作品よりクスッと笑えるポイントも多くて。
何度でも見たいし、定期的に、春や夏に見たくなるのだろうと。無くなった世界を思い出すように。
それはそれとして、主役であるすずめと草太さんのパーソナリティのリアルさに舌を巻いたのでその話を。
すずめは2011年に被災した孤児で、「人間はいつ死ぬか分からないから」と、自暴自棄な面がある所が映画では何度も描写されます。
人のために死んだ母親をなぞって、どうせ失うならと命を有効に使う場を探している側面があります。
看護師を目指しつつも、「それまで生きていられたら」という前提で序盤ではものすごく熱心という事もない様子です。
一方草太さんも作中ではっきりと明言されていませんが彼も被災した孤児です。
そして彼の場合は「人間はいつ死ぬか分からないから」やりたい事を生きているうちに全てやろうとしているように見えます。
どうせ失うならと、死ぬまでに家業も続けたいし、教員になりたいし、こんな所で終わりたくないのです。
なので、浮世離れした外見に反して生に貪欲でオーバーワーク気味です。
そういう意味で、二人は幼い頃に場面は違えど同じ傷を負って同じ結論を得た同士でありながら、その傷へのアプローチが違う二人なのです。
だからこそ、惹かれたし寄り添えたんだろうなと思うし、その正反対のアプローチが『人』だなぁと思うのでした。
ジブリ感
新海誠監督の作品は「君の名は」ぶりに劇場で観ました。
き「君の名は」で光が割れるシーンがジブリの「ハウルの動く城」でハウルの幼少期に心から光が放たれるシーンと類似しているのは知っている方もいらっしゃるかなと思います。
今作でも、"あ、これは千と千尋の神隠しで龍になったハクの背中に千尋が乗って空を飛ぶシーンと似てるぞ?"とか、これまた"これはハウルの動く城のハウルと、壊れてしまった城を描いたシーンに似てるかも"とか、
わたしの頭の中にジブリがあったからその先入観もあるのかもしれませんが、
所々似てるなあ…新海監督はジブリに影響されているのかもなあ…と感じました。
松村北斗さんと原菜乃花さんの声のお芝居はもちろんのこと、白鵬さんの声のお芝居に心を掴まれました。すごい迫力。声だけであんなに気迫を感じさせられるのはすごいです。。圧巻でした。
肝心のストーリーはというと、考察が読みたくてたまらやくなりました。
一度では理解できない難題ストーリーです。。
深掘り
うるっとくる場面はあったし、切ない音楽も素晴らしかったです。
東京の場面で終わりかと思ったら、そこから先まだ続きがあったのは良かったです。
終わり方もきれいでした。よく「明日への扉」「人生の扉」みたいな表現があるかと思いますが、鑑賞を通じてそんな言葉を思い出しました。
「いってらっしゃい」「ただいま」
そういう温かい言葉のやりとりが起きる扉を、人々の生活をめちゃくちゃにするであろう地震に対するメタファーとして描かれてるような気がしました。
とりあえず、ハズレではない良い映画だと思います。
本題
ただ、ちょっと浅い感じがしました。
【なぜヒロインは、出会って間もない男の人を好きになるのか?】動機がよく分からない。結局、この旅は男を助けるための旅?
ロードムービーなので、出会う人たちの生活感や人生に触れてほしかった。
地震は、そこで暮らす人たちの生活、家族、人生全て壊してしまう。
地震の恐ろしさってそこだと思います。
出会う人たちの生活、人生に触れることで、ボロボロになりながらも必死に地震をくい止める動機に繋がると思うので、そこを深掘りする描き方もできたんじゃないかな。
もしくは、地震で壊滅してしまう場面もあっても良かったと思います。
もちろん、人々を助けるためなんて立派な動機より、自分の大事な人を助けるためという個人的な動機の方が、人間らしくリアリティがあって良いと思います。たしかに、10代ですし、初めは一目惚れでも良いです。しかし、そこからどのような過程で、本気であの男のために行動をとるようになるのか。そこの心境の変化が描かれてると、より良くなっていたと思いました。
あまりにも陳腐
どこかで見たようなストーリーのつぎはぎ合わせ感がすごい。
なによりもしょうもないポイントが、東日本大震災という実在の自然災害をミミズという超常現象のせいだとした設定。ストーリー上そうする必要があったのなら目を瞑るが、結局ミミズの正体はわからずじまいでなんの意味もない。
ストーリーの本筋も、顔のいい男とそれに恋した女が人柱状態になりかけて日本を救おうとするだけ。全てが陳腐すぎて逆に面白い。
主人公の女の周りの人間達も、主人公を助ける(時には安っぽい障害になる)舞台装置でしかない。いそうでいない奴らばっかでクサい。
神様猫の扱いも酷すぎる。カップルのイチャイチャの踏み台になった猫。胸糞悪い。グロ映画だったのかな?www
時間を無駄にした。最低最悪。☆0.5は映像と音響分。
今日本で描くべきテーマをアニメで描き切る感動
いやぁ凄かった…。新海誠監督があらゆる期待を振り払ってまで描きたかったメッセージ。その凄さに圧倒される。注釈では足りない程鳴り響くアラームは今も生きている人に向けて忠告し続けているのかもしれない。なお、本レビューはネタバレといかない程度に踏み入って書くことを先に記しておく。
『君の名は。』や『天気の子』と天災を描いてきた新海誠監督が本作で挑んだテーマは、日本では避けて通れない、震災。これに関してはフィクションに委ねても委ね切れない部分がある。物語としての「面白さ」に加担することが一種のタブーとも取れるからだ。そこに踏み入り、「戸締まり」として死へのカウントダウンと迎え入れる人の覚悟を描いていく。そこにアニメだからこそ描ける希望を取り入れながら。
結果として、私は素晴らしいモノになったと感じている。常に問われる生の覚悟と死との葛藤。それに揺るがないすずめの決意と、現実にリンクするバックボーン。何度も鳴り響く警報に油断せず、まもなく起こる惨劇を食い止めたいとする強い意志は、知らぬ間に人々の生活を守っている。出会った人たちも大切な人として色を重ねながら。
主演は原菜乃華さん。すっかり売れっ子になった彼女だが、声だけ聴くとアニメ向きなのかもしれないと思う。アニメ好きな友達も感じるほどで、オーディションで選ばれるのも納得だ。また、松村北斗さんも椅子…じゃなくて(笑)、イケメンに相応しいリードを感じる。希薄な関係に陥りがちなこの時代、経験を経ながら成長するボーイ・ミーツ・ガールは、一段と意味を感じさせる。それは全ての出会いに言えることかもしれないが。
その「行ってきます。」は、大切な人との最後の言葉になるかもしれない。いくつもの扉を開き、出会いの中で人が想ってくれる大切さを再確認していく。言葉足らずでも、付いてくる感情に気づけば有り難みを受け取れる。それが想い出の中であっても。受け取る意味が時間と共に変化していこうが、その「行ってきます」は何処へでも行くのだと思った。
地震かぁ…
フィクションとは分かってるけど、常世とかあれまさにあの311…と思うと辛いつらい…
すずめ一人だけ訛ってないなぁと思ったら震災孤児なのね…つらい、色々つらい。
地元が映るとソワッソワしますね。そう言う土地を巡ってたのかな。
いつか死ぬことも分かってるけど、そりゃひとときでも長く生きたい。
環さんも芹澤も途中で拾ってくれた人々も皆良い人で恵まれてましたね、良いことです。
長旅の時にルージュの伝言流したくなるのとてもよく分かる。
色々な人に恵まれて託されて、物やら受け継いで、今度はすずめがすずめに椅子を託すの、とても良かったです。
子供の涙には弱いので少し泣きました。
あとダイジンをとても愛したかったです。可哀想。
ダイジンっぽいってのがイマイチピンとこなかったな。
娘とデートで鑑賞。
昨年から小学生の娘と約束し、予習に「天気の子」を一緒に観て気分を盛り上げたままになっていましたが、ようやく観に行けました。
すごく観たがっていた娘に対し、私は正直そこまで期待はしていなかったのですが・・・良かったです。
何よりまず序盤のロケ地が私の故郷だったこともあり見覚えのある風景がいくつも出てきて、絵の美しさと相まってテンションが上がりました。
あとメガネくんの愛車からのBGMも昭和生まれにはドストライク過ぎました。
途中まで設定に無理があるなあとか若干思っていましたが、忘れもしない3.11に繋がる流れに心が震えました。
ロケ地に使われたこともあってかローカルのテレビ番組で新海監督がインタビューを受けていた際に
「何気なく日常で繰り返されている「いってきます」「いってらっしゃい」がどれだけ奇跡的なことか。」
とおっしゃっていましたが作品を観てあらためてそれに気付かされました。
年齢的に3.11をリアルタイムでは知らない娘ですが、後半涙を流していたので、鑑賞後に東日本大震災という未曽有の災害のことを話してやることができました。
今ここにある現実は決して明日も保障されているものではない、それだけに当り前だと思っている一瞬も大切に生きていきたいと思い出させてくれる映画でした。
良かったので印象変わりました
個人的に新海さんのシリーズはあまり好きではなく、友達の付き合いで実はいやいや鑑賞でした笑 が!良かったです。
それぞれの場所に賑やかな時代があって…、それを思うとなんか泣けました。見て良かったです。友達に感謝です笑
戸締りからのいってきます!
現在国内トップのヒットメーカーだけに予算は潤沢で映像は無駄に派手だが、少々リアリティーに欠けるファンタジーな作品。
あくまでもファンタジーとしてなら楽しめるけど、本作は実際の災害をモチーフにしていて少々割り切れない面もある。
作品導入部からして少々強引で、ちょっと作品世界に入り込みづらい。初っ端、鈴芽と草太との出会いのシーン。あれは鈴芽が草太を綺麗とみとれて、その後学校に行かず引き返して追っかけるのは不自然。せめて下校時に出会ってたならわかるけど。
鈴芽が幼い頃、常世で草太と出逢っているんなら、最近頻繫に夢で見る彼だと思い出して追っかけるという風にすれば説得力はあったかも。確かに以前出会ったかのような発言は後からしてるけど。
また椅子にされた草太と共に要石を追っかけ、フェリーに乗り込んでそのまま駆け落ちみたいになるのも少々強引。叔母との暮らしに閉塞感を抱いていて逃げ出したかったのか。
と、この辺りまではなかなか作品に入り込めなかったが、その後椅子となった草太とのロードムービー調の展開になり、やっと追いつけた感じ。とにかく椅子の姿になった草太が可笑しい。
そしてここから閉じ師の末裔草太と鈴芽の後戸を閉じる旅が始まるわけだけど、この閉じ師とはあくまでも創作上のもの。ただこの作品世界ではいつから彼らが活動してるのかは定かではない。
そもそも、常世から後戸を通って災害をもたらすというミミズが過去の被災地の亡霊みたいなものだとすれば、過去の被災地を回れば災害を事前に防げるということか。
今回、鈴芽が要石を抜いたことから各地の後戸が開いてミミズが出現してるというわけではなさそう。
しかし、この作品世界では重大な役割の閉じ師が一人で各地を回ってるというのもちょっと変。もっと多くの人間が手分けをして行えば災害を抑えられるはず。閉じ師が後戸を閉め損なったために災害が起きてるわけだから。
などなど、設定に疑問点が多いのとキャラクターの心情にもあまりついていけず、ちょっと感情移入しづらい作品。
叔母との駐車場でのいざこざのシーンはせっかく本作で唯一リアリティーがあったのに、その後は何もなかったように。
絵はきれいだけど、最近見た「鏡の孤城」や「スラダン」には及ばないかも。
クライマックスがもう少し、もう少し盛り上がっていれば
冒頭から中盤までは、テンポよい展開と映像美で引きこまれて面白かった。
音効もすばらしく災厄シーンでは劇場がビリビリ響いて迫力がすごかった。
映画館で観て良かった。
後半も良かったけど、中盤までの感動や衝撃を超えないんだよね。
クライマックスに向けて、もっとストーリなり作画で盛り上げて欲しかった。
「ダイジン」がただ可愛い。ミステリアスな存在と猫の姿がマッチしてました。
ただダイジンの目的や心情の変化について、もう少し説明が欲しかった。
全て説明してくれとは言わないが考察するにしても情報が足りなすぎる。
あとは「こんなに綺麗だったんだな」って感想に対し、
すずめが「え?ここがきれい??」の返答について、最初はすずめにだけ何か
見えてるのかと思ったけど、真意を理解して息を呑んだ。
圧倒的な表現、だけど……
すずめの戸締まり
エンタメアクションは最高
アニメでのエンタメアクションは本当に地球トップかも知れない。完璧に作り込まれていて見慣れていると思う心に新鮮な空気を流してくれる。爽快感もある。
そこは非の打ち所がない。ありがとうございます。
ただ一つ、なぜ主人公の女の子がそんなに相手を好きになったのかだけが全く共感できず、そのことが頭にずっと引っかかり、全ての楽しみを奪ってしまった。
新海誠作品はそういうもの。というのもわかる。でもそれでまとめてしまうのには勿体無い素晴らしいものがぎっしり詰まっているのに…なぜそこだけ新海誠の受けないところを磨き上げてしまったのか…
もっともっと新海誠の毒をうまく抜いた、はっきり言ってしまえは童貞臭さを抜いた作品を見てみたい。
一緒に見た妻は「男が思ってる女はこうであってほしいというイメージが気持ち悪くて腹たった」との感想でした。
新海誠というネームバリュー+野田新次郎の音楽 才能と才能の相乗効果...
自己を肯定するのみ
16歳となるすずめの反抗期なのか?自身の行動について自己を肯定することで前に進む。
そして旅先で出逢う人たちの優しさ。
目的はたまたま杭を抜いたことにより起こるんだけど、自己が行ったこの行動に対する対価はなんだったんだろう。
そしてその杭は東西それぞれにあると云いつつ、もう1つはだれが抜いたのか?もし抜いたのがネコなら終盤のネコに対する問答が意味をなさない。その点どうしても納得いかなかった。
そして主人公の背負ってきたものは理解できるが、彼女が伯母に対して持つ歪んだ想いと自身の行動の整合性のなさ。
そして何よりネコがどういう理由で彼を椅子にしたのか?自身の身代わりという理由のみで行ったのなら、杭自身にも想いや意思があることになり、その意思を自身の都合で杭に戻すことへの歪みはないのだろうか?
自然災害により苦境に立たされた人々の苦悩は理解出来るが、そのことと自身の行動が正解ということはイコールではないのではないかと感じてしまった。ただ派手な演出の連続なので、その点は楽しめました。
また(裏)設定が旅をテーマにしてる様に思え、魔女を思い浮かべてしまいました。なので出来ればあの曲は使わないで欲しかった。
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