劇場公開日 2022年6月24日

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「確かに小粒だが良作」ザ・ロストシティ N.riverさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0確かに小粒だが良作

2022年7月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

「デンジャラスビューティー」もそうだったが
個性的な女性を演じるサンドラブロックのコメディが好きだ。
そこに「ヒロイン」という飾り立てられ、誇張されることのない自然な女性を垣間見る。
また、そうあることで説教臭くならない
ごく自然体なジェンダーの提案を受け取ってみたり。

本作もインテリ女性とベタなロマンス冒険小説を対立させたり、
ヒーローのマッチョは見た目だけでどこか頼りなくて、
だからといってヒロインがマッチョ担当というわけでもない、
どちらかが牽引するわけでもないごく普通の男女の、
ありがちなステレオタイプを逸したフラットな関係が印象的だった。
そして、そんな普通の男女でも成り立つロマンスや冒険物語に
過剰な過激さが伴うはずもなく、
小学生からでも楽しめる品の良さ、清潔感を本作には感じている。
だからこそ理想的ジェンダーへの提案となるなら、
いいかも、と同意しかない。
いい男といい女の定義が変わるというやつか。
大作ではないが、小粒でも良作の例と振り返る。

いろいろあるなかでも、女性が脱がずに男性だけがやたら脱ぐという
アンチテーゼがまあ、面白過ぎた。
ダニエルラドクリフの演技が唯一、作品をサスペンス、
ピリッとしたものに仕上げていたなぁと振り返る。
グッジョブ。

N.river