劇場公開日 2022年8月19日

「昔を思い出すもの」サバカン SABAKAN ちゃーるすとんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0昔を思い出すもの

2022年9月10日
iPhoneアプリから投稿

みんな何かしら、見たら昔を思い出すものはあるだろう。
この映画の場合、それはサバ缶なわけだ。

ただそれはあくまでストーリーのつかみに過ぎない。こういうストレートなタイトルは好きだ。

ある少年のひと夏の儚い思い出を描いている訳だが、ノスタルジックな気分に浸るシーンやセリフが多く、家族や友達に会いたくなる映画だ。

小学生時代のなんだか分からん遊びや、ありもしない噂話や悪口を言ってみたり、お姉さんに恋してみたり、エロ本見つけてハッとしてみたり、変な自作ソング歌ってみたり、変なやつに目をつけられたり。これは誰もが感情移入してしまうであろう。

少年たちの演技も初々しくてとてもいいな。特に竹本役の原田くんがすごい良かった。感情の起伏を表情と目で演技できていたと思う。今後に期待したい!

尾野真千子と竹原ピストルの両親は至高。何だこのふたりの掛け合いは、、尾野真千子の強い口調と、竹原ピストルの強そうなのに妻には負けるが息子には父親らしい表情を見せるところなんかピッタリすぎて。

旅に出てからは何となくナイトスクープの自転車で伊勢まで行く少年を思ってみていた。少年がこういうことするとなんでか泣いてしまう。年だろうか笑
知らなかったが茅島みずきも出てきて最高じゃないか。うん。

画角は少年目線でほぼローアングルで撮られていたのも、小さい頃の目線を思い出すようで良かった。

ラストにデカい感動ポイントがあるのだが、岩松了で更に泣かされた。素直に、感動できるいい映画だった。

ちゃーるすとん