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映画「ぼけますから、よろしくお願いします。 おかえり お母さん」 ぼけますから、よろしくお願いします。 おかえり お母さん
劇場公開日:2022年3月25日
解説
認知症の母と老老介護する父の暮らしを、ひとり娘である信友直子監督が丹念に記録した2018年公開のドキュメンタリー「ぼけますから、よろしくお願いします。」の続編。信友監督は前作完成後も、広島県呉市で暮らす90代の両親を撮り続けていた。2018年、母の認知症はさらに進行し、ついに脳梗塞を発症してしまう。入院した母に面会するため、父は毎日1時間かけて病院へ通い、いつか母が帰ってくる時のためにと筋トレを始める。一時は歩けるまでに回復した母だったが、新たな脳梗塞が見つかり、病状は深刻化していく。そして2020年3月、新型コロナウイルスが世界的に拡大し、病院の面会すら困難な状況が訪れる。認知症とともに生きることの大変さや家族の苦労、日本全体が抱える高齢化社会の問題を浮き彫りにしながらも、幸せな夫婦の姿を家族ならではの視線で映し出す。
2022年製作/101分/G/日本
配給:アンプラグド
オフィシャルサイト スタッフ・キャスト
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2023年1月14日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、映画館
介護タクシーの運転手に抱えられ、自宅へ入った事に気がついた瞬間漏れ聞こえた「あっ!あああ~」からの嗚咽に涙が出た。
私自身、仕事では認知症の患者と向き合っているが、あくまでも病院、病棟内の事であり、彼等が家で何を思い何をしていたのか?何にどんな思い入れがあるのか?等は分からない。
感情移入し過ぎると色々と障りがあるからだ。
作中ではコロナ禍前でお父さんもお見舞いに行けており、その頃はまだ家族が顔を見られる時期だった。
脳梗塞後はマヒ、認知症の悪化、延命選択しての胃瘻増設、胃瘻になっても誤嚥を起こし肺炎になってしまう。
酸素マスクもしなきゃならない。
恐らくは喀痰吸引も…
お父さんは「わしゃあこんな(胃瘻)はしたくないのぅ」と胃瘻で栄養を維持して延命するのはしたくない様子だった。
延命について未だに議論されているが、延命は出来てもそれが本人に取って必要な延命か?誰に取って必要な延命なのかで随分違ってしまう。
終盤コロナの時代に入り、リモート面会になるが直接面会を許される時点で長くないことが分かり切ない。
99歳のお父さんが100歳を迎える前にお母さんは逝ってしまう…。
広島市長からお祝いの五万円を手にハンバーグを食べに行くお父さん、全部食べてて100歳の歳を感じさせないのが凄い。
でも一緒に行かんか…との願いは叶わなかった。
認知症になったお母さんとお父さんの掛け合いも口ゲンカも、もう見られない…その寂しさは画面だけでは知ることは出来ないのだ。
元気なお父さんは120歳まで生きてほしい
お母さんとこ行くのはまだ早い
監督はその時までどうするんだろう?その辺も気になる
3作目出来るなら、そこら辺も“よろしくお願いします”
本物のドキュメンタリーですね。
初演も拝見してとても参考になったので
池袋で、続編楽しみにしてました。
もう、身内の様な感覚で見てました。
お父様100歳おめでとう🎊㊗️ございます
わたしは、お父様の生き様映画かと思っております☆彡
2022年6月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
ー 当たり前だが、人間には寿命がある。だが、それが尽き掛けた時、傍に大切な人がいれば、それは安心だろう。本望だろうと思う。-
◆感想<Caution! 内容に触れています。>
・一作目は、監督の明るい母、文子さんに焦点を当てた作品だった。
だが、今作は読書家で、スーパー愛妻家でもある父、良則さんに焦点を当てている。
残念ながら、文子さんの認知症が進んでしまい、入院期間が長かったからである。
・驚いたのは、前作では余り家事をしなかった良則さんが、妻の病状が悪くなっていくにつれ、自分で一通りの家事をする姿である。
齢、90歳を超えつつも、手で洗濯をし、遠きスーパーへ買い物に出かける姿。
そして、常に漂わせる、ユーモアと素敵な笑顔。
・更に驚いたのは、文子さんの病状が更に進み、長期入院となった後、毎日一時間掛けて病院へ通い、妻に話しかける姿である。
そして、自分まで倒れてはいけない・・、という想いからか、98歳!で、筋トレまで始めるのである。
ー あの行動は、ナカナカ出来るものではない。尊崇の念さえ、覚える。-
・旺盛な食欲を保ち、且つ妻を想う気持ち・・。
ー 同じ、男として尊敬に値するどころか、”参りました‥”と言う気持ちで、スクリーンを観てしまう。-
<目を閉じた、妻に掛けた”長い間、有難う・・。”という言葉の重みは、このご夫婦の究極の愛を観ている側にとっては、心に響く。
いつの間にやら、涙が出ている・・。
人生の大先輩のお二人の生き様は、見事の一言であると思います。>
<2022年6月5日 刈谷日劇にて鑑賞>
2022年5月26日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
2018年に公開された信友直子監督『ぼけますから、よろしくお願いします。』の続編。前作は未見なのですが、信友監督の母親が認知症を患う前の日常風景から、映画として撮影を本格的に行うようになった過程、そして前作以降にどのような状況になったのを丹念に綴っていて、本作だけでも十分、監督の家族との日常生活を体験させてもらいました。
映画作品として制作するという方向性を定める以前から、これだけ家族の映像を記録し続けていたことに驚かされました。たとえばタイトルが登場する際に流れていた映像は、この時のために撮っていたとしか思えないような尺の撮り方、構図です。また前作がどのような反響だったのか、という、作品を舞台裏から見るような視点も盛り込まれています。
本作を撮影し始めた当初には予想もしていなかった、新型コロナウイルスの蔓延という状況は、認知症に向き合いつつも支え合っていた老夫婦にも大きな影響を及ぼします。世界の多くの人々が同じような状況に苛まれているだけに、その苦しみ、やるせなさは胸に突き刺さってきます。「まさか、このタイミングで…」と思わずにはいられませんでした。
たまたま監督の舞台挨拶がある回に鑑賞したので、上映後に監督から本作についての解説があったのですが、元々ご両親は互いの趣味に没頭する性格で、母親の認知症が明らかになるまでは割と互いの領域には立ち入らない関係だった、とか、興味深い話を伺いました。