劇場公開日 2022年2月4日

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「世界から集ったスパイ(女)たち」355 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0世界から集ったスパイ(女)たち

2022年9月6日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

単純

興奮

萌える

アメリカからジェシカ・チャスティン。
ドイツからダイアン・クルーガー。
スペインからペネロペ・クルス。
黒人枠からルピタ・ニョンゴ。
中国からファン・ビンビン。
国籍もバラバラ、肌の色も違う。
チャスティン、クルス、ニョンゴはオスカー受賞者。クルーガーはカンヌ国際映画祭女優賞。
実力も人気も美貌も兼ね備えた女優陣が豪華共演。
グローバルなアンサンブル・ドラマかと思いきや、意外にもスパイ・アクションで火花を散らす!

世界中のあらゆる電子機器にハッキング可能なデバイス。
国際テロ組織の手に渡るのを防ぐべくは…
アメリカCIAのメイス(チャスティン)。高い格闘スキルを持つ。
イギリスMI6のハディージャ(ニョンゴ)。コンピュータのスペシャリスト。
ドイツBNDのマリー(クルーガー)。格闘スキルと爆破工作。
コロンビアDNIのグラシー(クルス)。心理学者。唯一の家庭持ち。
中国MINISTRYのリン(ビンビン)。政府とパイプあり。
当初は各々の任務や指令で動き、争奪戦を繰り広げる対立をしていたが、最終的な目的は同じ。
即席の特別編成チームを組んだ各国5人の女性エージェントたち!

実戦、コンピュータ、バックアップ、お約束の初現場…。
各々のスキルや役割を活かした活躍がやはり見所。
男勝りで強気なチャスティンとクルーガーが頼もしい。走って跳んで、銃撃戦に近接戦、身体を張ったアクション。
コンピュータ専門だが、遠退いていた現場に復帰し、実戦にも加わるニョンゴ。
中盤から登場。敵か味方か、だが強力なバックアップ者も必要。ビンビンもまたキレのあるアクションを披露。
クルスの立ち位置は意外な印象も受けたが、家庭人としての弱みと強み。初の現場&実戦にビビりながらも、逞しくなっていく。
さすが名女優たち、アクションだけじゃなく、演技力や魅力も魅せ付ける。

パリ、ロンドン、モロッコ、上海…スパイ映画の醍醐味の一つ、舞台は世界を股に掛ける。
反目し合っていた面々が見事なチームプレーを奏でる様はワクワク。
華のある名花たちだけあって、着こなす衣装やドレスもファッショナブル。
だけどやっぱり、アクション!アクション!!アクション!!!
本当に美しく、強い、ウーマンズ・パワー!
『007』や『ミッション:インポッシブル』など“男たち”に引けを取らない、女性たちのスパイ・アクションを撮りたい。
プロデュースも兼ね、最近アクション映画への出演多い座長チャスティンの意気込み。

豪華女優陣が魅せる華麗で激しいアクションは見所だが、ちと残念だったのは、その一点に尽きる所。
ドラマ的には既視感だらけ。スパイ映画ならではの意表を突く展開などが乏しい。
一応、序盤退場したメイスのバディが…意表突きを狙ったのだろうが、何となく察し付く。背景に蠢く陰謀や思惑もあるある。
もうちょっとユーモアも欲しかったかな。
大切な人たちを人質に取られ、追い詰められる。スリリングと悲劇、そこからの反撃でクライマックスへ盛り上げるのは盛り上げるのだが、何かもっと、本作ならではの特色を付けて欲しかった。

なので、二つの意味で勿体ない。
キャスティングやアクションはいいが、設定やドラマに後一捻り欠けた事。
残念ながら興行・批評共に不発。よって、これだけの豪華面子を集めながら続編は無さそうという事。敵や新加入にも期待出来そうなのに。

作戦(ストーリー)を練り直し、次なる任務(続編)に備えよ。
スパイ(女)たち!

近大