「スパイダーマンのバーゲンセール」スパイダーマン アクロス・ザ・スパイダーバース keytonさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0スパイダーマンのバーゲンセール

2023年6月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 マイルスが主人公かと思いきや、グウェンが軸に置かれていてびっくりした。彼女の父親が警察官という設定はマイルスや「スパイダーマンシリーズ」と同じだが、彼女が父親に自らカミングアウトしたことにより、次回作にどうマイルスに影響されるのか楽しみです。
 しかし何といっても各アースにいるスパイダーマンがウヨウヨ出てきて、アクションというより物量に圧倒されました。中盤、アース928において、ミゲル・オハラに追いかけられる展開は前作の女性版Dr.オクトパスから逃れるピーター.B.パーカーとの逃亡劇と重なりますが、今回は1人で逃げるマイルスを見て、1人のスパイダーマンとして成長しているシーンともとれる場面でした。
 ドラマ性においては「親と子の確執」が色濃く描かれていました。家を出て自分の人生を歩みたいマイルスと、子離れができないモラレス夫妻の対立がシリアスに演出されていました。グウェンもスパイダーウーマンを逮捕する父親と自らがスパイダーウーマンである自分との葛藤がとても印象的でした。
 ハリウッドのアニメーションの最前線が観れて感無量の気持ちですが、単体作品として考えた場合、同日公開の『ザ・フラッシュ』には劣る気もします。

keyton